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競争やめたら学力世界一

「競争やめたら学力世界一 フィンランド教育の成功」というタイトルが商業的でどうかとは思うが、教育に限らず社会において平等の精神を貫かなければ、全体の学力は向上しないことがこの本から理解できる。




競争やめたら学力世界一―フィンランド教育の成功


Book

競争やめたら学力世界一―フィンランド教育の成功


著者:福田 誠治

販売元:朝日新聞社

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かつて中央集権的な教育が行われていたフィンランドが、現在の日本のような「学力低下」の問題に直面してから10年をかけて立ち直った。このとき行われた改革は、今日本の教育行政が計画していることとは正反対だ。

  • 日本の学習指導要領に相当する「国家カリキュラム大綱」の分量を6分の1以下に縮小し、学校と教職員に裁量を委ねた。
  • 習熟度別編成授業を止め、学力の底上げに力を入れた。

一方、日本が行っている「教育改革」の見本とも言えるアメリカやドイツ、イギリスでは学力格差が大きくなり「学力低下」としてPISAの結果に現れた。

したがって、今の日本の「教育改革」では全体の学力は向上しないことは明らかだ。しかし、一番問題なのは、財界を始めとする日本の支配層は、全体の学力向上を望んでいるわけではないということだ。それを示す典型的な事柄として、中教審会長 三浦朱門の発言がよく引用されている。彼らが求めている人材は、グローバル社会における競争に打ち勝つことのできるエリートだ。それ以外はただ命令に忠実に従うだけでいいのだそうだ。そう、「お国のために」。

このような「教育改革」を実現するためには、口実が必要だった。それが「学力低下」である。しかし、目立った学力の低下が見られるのは読解力についてのみというのが実態だ。また、全体の「学力低下」を引き起こしたのは、学力の格差が広がっているためであった。実際には、名ばかりの「ゆとり教育」のような「教育改革」によって「学力格差」をつくり出し、それがPISAの読解力において「学力低下」として狙い通り表面化したということだ。そして、今や「ゆとり教育」が矢面に立たされている。つまり、ここでも自作自演が行われたのだ。なぜなら、「教育改革」の真の狙いは学力の向上ではなく、国家による教育統制であり、改憲への布石だからだ。このことは「教育基本法改正案」を読めばすぐ分かるだろう。

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