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the smell of war

知り合いに誘われたので、アレン・ネルソン講演会 in 北大に行って来た。

行くかどうかギリギリまで迷って、慌てて夕食を食べて出かけたので、開演から10分過ぎて会場に到着した。すでに受付に人はなく、置いてあった資料を手に取って後ろの入り口から中へ入った。会場は予想に反してほぼ満員。係の人に空いている席へ案内してもらって、途中から講演を聴き始めた。そのときは、ちょうど日本ではアメリカの占領が続いているという話をしていた。「日本の政権はアメリカの傀儡政権だから、日本の選挙で投票するよりもホワイトハウスに行け」というのは、妙に納得してしまった。

軍隊に入るのは貧困層の若者だということを、自身の入隊に触れて語っていた。マイケル・ムーアが「華氏911」で議員たちに子どもを入隊させるように呼びかけていたのを思い出した。講演では日本の自衛隊についても言及していた。自衛隊幹部には金持ちの息子はいるかもしれないけれど、戦争を指揮する人間は、大抵一番安全なところにいるもんだ。今でこそ愛知県など局所的に求人が多いけれど、ちょっと前まで地方では、高卒では職がなくて自衛隊くらいしか入るところがなかったと聞く。そこへさらに大卒まで殺到するひどい状況だったらしい。ワーキングプアより自衛隊という時代が近づいているかもしれない。

入隊してからアメリカで銃の使い方などを教わったネルソンさんは、オキナワに行ってから銃で人を殺す方法を教わったそうだ。アメリカでの的はbulls eyeという取り除けのような目玉模様。それがオキナワに行ってからは、人型に変わった。そして、狙うのは一番弾の外れにくい腹部。当たれば即死出来ずにもがき苦しみゆっくりと死ぬ。peace keeperが教わるのは人殺し。

オキナワではタクシーに無賃乗車してドライバーをボコボコにしたりしたそうな。本人は知らないけど、娼婦をボコボコにしたり、レイプもたくさんあったらしい。もともと性犯罪は泣き寝入りが多い中で、まして日米地位協定で守られているアメリカ兵相手なら、ますます被害は表に出て来ないだろう。そんな楽しいオキナワでの訓練を終えて、興奮してベトナムへ乗り込んだそうだ。

いい戦争映画はあるけれど、あれは本当の戦争ではないと言う。匂いがないそうだ。アメリカ軍の攻撃から逃れてジャングルで死んだベトナムの村人を探すには2つの方法があって、1つ目は死体に集る蝿の羽音。2つ目は死体の匂い。この匂いが戦争の匂いだと語っていた。児童虐待や行政による違法な生活保護申請の却下などで、最近では日本でも戦争の匂いが体験出来るようになって来たかもしれない。

そんな戦闘マシーンと化していたネルソンさんを変えた事件は、彼の著書のタイトルになっているようだ。日本でも鬼畜英米だったように、軍隊では敵は人間ではないので殺していいと教えられる。ベトナム人の村の防空壕へ逃げ込むと、そこに産気づいた妊婦がいたそうだ。息んだ彼女の足の間に両手を差し出すと、生まれたばかりの赤ん坊が手の中に。それがベトナム人も人間だと感じた瞬間で、防空壕から出た自分はそれまでと変わっていたとネルソンさんは語る。そんな話の後、トヨタの奥田やキヤノンの御手洗は、日本人を人間だと思っているのかどうかと考える。

ネルソンさんは沖縄米兵少女暴行事件の翌年に沖縄を訪れ、日本国憲法の第九条を紹介されて驚いたそうだ。日本人が戦争を知らないのは第九条のおかげだと語る。ただ、この点については、売国改憲派から批判があるだろう。「日米同盟」があるから中国やソ連は日本を侵略出来なかったとか。そういう側面があったのは事実だと思う。けれども、九条がなかったら、現在もアメリカの占領下にある日本の兵力は、アメリカ軍と一緒に戦争を求めて出て行くのは容易に想像がつく。さて、ネルソンさんが主張するように、アメリカ軍を日本から追い出したらどうなるだろうか。日本が独立を果たすことは可能か。

感想みたいなものはこんなものでいいだろうか。ICレコーダーは電池切れで、英語を聞くのに忙しくてメモも取らなかったので、かなり適当。半分まで書いてから、ちゃんとメモを取ってる人のブログを見つけたので、詳しくはそっちを読むと良さそうだ。なんと、講演の前に演奏があったらしく、聞き逃したのが残念だ。とはいえ、数ヶ月ぶりに生の英語を聞いた割には意外と聞き取れた。ネルソンさんはゆっくり分かりやすく話すので助かった。

ネルソンさんの質問までは予定通り終わったのに、その後が長かった。参加費無料なのに謝礼を募金でいきなり集めたり、プログラムにない報告やスピーチがあったりと、せっかくすばらしい講演を聞いてもしらけてしまう。気持ちは分かるけど、学生だって講義が延びるの嫌なんだから時間厳守は基本。でも、学生部ががんばっているのを知って申し訳ない気がした。

戦場で心が壊れて―元海兵隊員の証言Book戦場で心が壊れて―元海兵隊員の証言

著者:アレン ネルソン
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コメント

遅くなったが、講演会参加お疲れ。
沖縄でやった事を細かく喋っていて良かった。
色々と納得しながら読んだ。

投稿: Guru | 2007年12月15日 (土) 20時01分

アメリカ人が「アメリカの傀儡政権」と呼ぶのは、日本人がそう呼ぶよりも実感がある。宗主国に逆らおうものなら、国家テロの餌食になりかねないかも。結局、沖縄に押し付けるんだよね。まあ、米軍は矢臼別で白リン弾の演習やったの認めたらしいけど。

投稿: H本 | 2007年12月17日 (月) 09時14分

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