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Fast Food Nation

先日「ファーストフード・ネイション」を観た。週刊金曜日 749号の記事に載っていた映画の紹介記事で、「キング・コーン」は「スーパーサイズ・ミー」、「ファーストフード・ネイション」と並ぶ、米国の食糧事情に鋭く迫ったドキュメンタリーと評されていたから。

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「スーパーサイズ・ミー」は気持ち悪くなる映画だったけど、特典DVDの方が驚いた。いくつかのファーストフード店のフライドポテトを同じ条件で容器に保存して、どう変化するかを比較する実験が収められていた。で、驚いたことに、室温でマクドナルドのフライドポテトは1ヶ月経っても腐らなかった。つまり、どれだけ防腐剤付けになっているかということだった。この映画をみる何年も前からファーストフードを食べてなかったのでホッとした。

で、今回見た「ファーストフード・ネイション」も同じような食糧問題に焦点を当てた映画だと思っていたら、それほど簡単じゃなかった。原作の「ファーストフードが世界を食いつくす」をドキュメンタリーにしても売れないから劇画にしたっていうのをどこかで読んでいたので、ドタバタなのだとばかり思っていた。ところが、人間模様が絡み合う深い内容に唸ってしまった。しかも、食糧問題と絡んで、メキシコからの不法入国者の問題や、彼らを利用する食品業界。軽い気持ちで見始めたので、観終わってからかなり余韻が残った。

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アメリカの社会が不法入国者であるが故に法律に縛られずに低賃金と劣悪な労働環境で働かせているというのは有名な話だったと思う。日本にしても、合法的とはいえ、研修生という名目で途上国から安い労働力を企業のいいように働かせていたことは、今となっては誰でも知っている。そんな、末端でこき使われる労働者、特に、女性は職を得るためにときには身体も売る。それを弄ぶ上司。ハンバーガーを食いまくって病気になる方が、まだ笑えるだけよかった。

屠殺シーンもなかなかの迫力だった。以前、「いのちの食べかた」を見ていて免疫があったようで、それほど気持ち悪くはならなかった。何より、所詮、映画は映像だけで、嗅覚にうったえて来ない。血の匂いがするわけではないので、視覚と聴覚だけなら耐えられた。

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匂いと言えば、1年くらい前に元米兵のアレン・ネルソンさんの話を思い出した。ただ戦争の映像を見ていても、戦争の匂いが伝わって来ないから実感がわかない。日本で戦争したがっている人間はみんな、どうせ戦争の匂いを知らないで粋がっているだけだろう。そういえば、彼も去年亡くなってしまったはずだ。生きているうちに話を聞けてよかった。

「ファーストフード・ネイション」には、問題の食品業界を告発しようとする学生グループが登場したのも興味深かった。現代のアメリカの学生がどんなかはよく知らないけど、日本と同じように、さすがにもう60年代、70年代のような熱気はないんだろうな。

映画では牛肉だけど、北海道じゃミートホープの事件は忘れられない。おそらく自分の口には入ってないと思いたいけど、外食してたら本当に何を食べてるか分からない。スーパーでは産地偽装の食品も売っていたりした。安い食品を買っていたら、安全が危うい。かといって、お金がなければ有機野菜とか、高付加価値の食糧は手に入らない。ここでも食糧と貧困とが絡み合う。世知辛い世の中だ。

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