« 09/8/29-30 御鉢平一周 | トップページ | 食欲に負けた »

09/8/29-30 御鉢平一周 2

目覚ましをセットしていた携帯電話がブルブル震え出した。4時だった。となりで、エンサヤさんの携帯電話も目覚ましが鳴り続けているけれど、身動き一つしない。テントは相変わらず強い風にバタバタと叩かれ続けている。テントの外も晴れているようには見えない。ご来光を観に桂月岳へ登ろうと目覚ましをセットしたけれど、結局、そのまま二度寝した。

6時前に、「おはようございます」というあいさつで目が覚めた。石室の管理人さんが天気予報を教えに来てくれた。前日に聞いた話では、旭岳ロープウェイは強風で止まっていたそうだったので、姿見駅へ帰れるかと、帰った後にロープウェイが動いてるかが心配だった。風は強いものの天気は回復傾向で、だんだん風は弱くなって行くそうだ。それなら、なんとか姿見駅へ帰れそうだ。

黒岳石室の朝
黒岳石室の朝の空には秋の雲が浮かぶ。

テントの中でじっとしていると寒いので、シュラフを仕舞うのも忘れて石室へ真っ先に食べに行った。コンロでリゾットを作って食べると、身体が中から温まってホッとする。みんなが食べ終わるとテントに戻って片付けを始めるのだけど、テントの撤収は寒かった。手がかじかんで力が入らない。ちゃんと乾かなかった手袋で作業していたので、凍傷になるんじゃないかと思った。何とか片付け終わり、7時すぎに管理人さんたちにあいさつをしてから出発した。

出発の直前、ショップによって、Hさんのギャラリーを少し眺める。石室に住み込んでいるからこそ、こういう写真が撮れるのだろう。二人とも写真を撮る人だった。今年の冬、山かスキー場でまた会えるだろうか。

石室を出発してからしばらくは、だらだらとした登りが続く。登山道をチングルマの綿毛が取り囲んでいて、きっと春はきれいなお花畑なのだろう。今は、チングルマの綿毛が波打つように続いている。

ミヤマサワアザミが咲くお花畑から烏帽子岳を望む
チングルマのお花畑にミヤマサワアザミがところどころに咲いていた。

ナキウサギがいそうなガレ場を登り切ると、目の前に御鉢平が広がった。展望台からはその名の通り、御鉢平が一望できた。とにかく大きい。10 mm (16 mm)の超広角レンズでもフレームに収まらない。前日は真っ白な雲と強風の中で山の厳しさを知ったが、視界が晴れたこの日は、山の大きさを知った。

御鉢平展望台
展望台から御鉢平を望む。

展望台まで登ると、稜線の向こうからの風が強くなる。身体が冷えるのは嫌なので、北鎮分岐へ向けて歩き続ける。すると、足下にはもう秋の気配が感じられる。ウラシマツツジがもう赤く染まっていた。大雪には秋がすぐそこまで来ているようだ。

ウラシマツツジの紅葉が始まる
紅葉のウラシマツツジ。

黒岳石室からの道のり
振り返ると黒岳石室が見え、登山道が続いていた。

北鎮分岐の直下は、かなりの急登が続く。前日に古傷を痛めたえすきくんが辛そうだった。足下に目を落とすと、白い花が秋を目前にしてまだ辛うじて咲いていた。

チシマクモマグサ
チシマクモマグサ。


エゾウサギギクはもう散りかけだったけれど、チシマギキョウ?はまだ色鮮やかに咲いていた。

ところが、さらに登って行くと、今度も白い花が咲いているのかと思ったら、エビのしっぽが生えていた。チングルマも寒そうだ。きっと昨夜は冷え込んだんちがいない。

凍えるチングルマ
初秋の冷え込みに凍えるチングルマ。

管理人さんからも風が強いと聞いていた北鎮分岐のあたりは、予想通り強風が正面から吹き付ける。それでも、前日よりは弱くて普通に立っていられる。それでも、北鎮分岐までの登りで汗をかいたので、身体を冷やしてしまわないようにすぐにまた歩き出した。

稜線は風が強いけれど、下山で向かい風だと意外と脚への負担が軽くなり、顔が寒いのを除けばそれほど辛くはなかった。


まるで雪のよう。


稜線上は秋の訪れが早い。

裾合平
裾合平ももうすぐ紅葉が始まるのだろう。

中岳へ登って、御鉢平を改めて見下ろした。御鉢平に熊の死体があるとかとH多さんから聞いたけど、さすがに遠くて分からない。有毒温泉から流れ出た川は、蛇行しながら層雲峡の方へ続いている。

中岳から御鉢平を見下ろす
もうすぐで、ここも紅葉で染まるのだろう。

中岳まで来て、山行タイムを勘違いしていたことに気付いた。黒岳石室を出発してから1時間半でここまで来た。行動時間は7時間くらいだと思っていたのは、層雲峡を出発した場合だった。このまま歩けば、昼すぎには姿見駅へ着きそうだ。桂月岳や黒岳に登ればよかったと思ったけど、えすきくんの脚の調子が悪いから、早めに下山して正解だろう。

安足間岳
当麻岳、安足間岳、比布岳と続く山並みを太陽が照らす。


足下にはあちこちに秋の気配が。

中岳分岐からは稜線を離れて裾合平へ向けて下る。しばらく歩くと左手にピウケナイ沢の切り立った崖が見えてくる。ここから先は熊の目撃情報もあるので、熊を見てみたい気持ち半分、そんなのに遭わないでさっさと帰りたい気持ち半分。風もなくなったので、途中、暑くなってカッパと防寒着を脱いだ。

ピウケナイ沢
今年は雪が多く、ピウケナイ沢の丈夫には厚い雪渓が残っている。

中岳温泉へ到着すると、まずは何より靴を脱いで足湯に浸かる。場所によって熱さがちがうので湯加減の調整が難しい。お湯に浸かりながらおにぎりとかを食べるとホッとする。脚の疲れが癒される。春に入ったときには死ぬかと思ったけど。

30分くらい中岳温泉でゆっくりしてから下山を再開した。1ヶ月ほど前に裾合平へ来たときには、チングルマの花がたくさん咲いていたけれど、もうみんな綿毛に変わっていた。その綿毛も雨風で風下を向いてガチガチに固まっている。

裾合平のミヤマサワアザミの群生
チングルマに囲まれてミヤマサワアザミが咲いている。

裾合平分岐でも休まないで、姿見駅を目指して急いだ。ここからはもう歩き慣れたダラダラした道だ。

高層湿原
当麻乗越の向こうに、湿原が広がっているのが遠くに見えた。

姿見駅までのトラバースでは、沢筋にエゾオヤマノリンドウが群生している場所を何度か通り過ぎた。この花が咲いているのを見ると、夏の終わりを感じるようになった。


今回は天気がよくなくてあまり撮れなかったので、ついつい撮りまくってしまった。


チングルマの綿毛で波打つ海に浮かぶ島のように、ぽつんとエゾオヤマノリンドウがまとまって咲いていた。

さらに姿見駅へ近づくと、アキノキリンソウも初秋の気配のするお花畑に彩りを添える。紫、黄、白、緑。高山に広がるお花畑はまだまだ色とりどりでにぎやかだ。


旭岳の噴気を背に咲く。

アキノキリンソウ
アキノキリンソウ。

ようやく鏡池へ到着。天気がよくないのでイマイチだけど、静かに佇む池の水面を眺めると何だか落ち着く。

鏡池
秋の花に囲まれる池の水面に旭岳の山頂が映る。

散策路を通って姿見駅へ着くと、なんと驚くことに12時前だった。こんなに早く帰れると思っていなかったので驚いた。まあ、それでも、朝の出発時間が遅かったので、予定と1時間程度しか変わらないけれど。12:15のロープウェイに乗って下まで下りる。ポケットの中でぶちぎれたエンサヤさんの往復チケットも、何とか無事に使えたようだ。

ロープウェイの窓から
ロープウェイから見下ろした沼のそばでは、もう紅葉が始まっている。

2日間通しても行動時間10時間強の楽な山行だったけれど、初日の強風とガスの中の行動で、精神的に疲れた。天気のいい日に日帰り登山をしたいと思った。天気がよければ、夕陽や星空、朝陽も楽しみなのだけど、いつものメンバーじゃ無理だろうな……

いつものように湧駒荘で温泉に浸かってから、旭川へ寄ってオリーブでまたガッツリ食べて帰った。最近の定番コースになってしまった。高速道路を通って札幌には17時に到着。旭岳まで行って帰って来て、まだ、1日が終わってないというのがうれしい。次の山行は、もう紅葉狩りだろうか。

|

« 09/8/29-30 御鉢平一周 | トップページ | 食欲に負けた »

コメント

何はともあれ、無事に帰還できてよかったね!
今回はさすがに山の恐さを感じました~。


ココログ改め、ノーマルでいこうよ!

投稿: エンサヤ | 2009年8月31日 (月) 22時52分

>エンサヤさん

たぶん、オレ一人だったらロープウェイにも乗らなかっただろうし
雲を冠ってる旭岳を見たら
旭川で引き返していたかも。
恐さを通り越して死ぬかと思ったけど
何とか4人でくぐり抜けられたおかげで
いい思い出になったよ。

ノーマル?
むしろ、「ただ乗り」オリジナルマスコット「ただ乗りん(唯野凛)」をよろしく!
ただいま妄想中。

投稿: H本 | 2009年8月31日 (月) 23時04分

唯野凛!?
何それ~!??
妄想注意警報発令します!


やっぱり旭岳、
生死の危機を感じていたのは
私だけじゃなかったんだ。
ムリは禁物だね。

投稿: エンサヤ | 2009年8月31日 (月) 23時09分

>エンサヤさん

ひまりんにインスピレーションを受けた。
http://blog.livedoor.jp/himasoku123/

正直、八合目で引き返したいと思ったよ。
風に飛ばされて地獄谷や御鉢平へ転がり落ちたり
あるいは、行動が捗らなくて
黒岳石室へたどり着く前に日が暮れちゃったり
ガスと強風の中で常に恐怖に怯えていたよ。
何といっても寒かった!
集団心理でついつい無理しちゃいそうだから
これからは遠慮しないで日和発言するよ。

投稿: H本 | 2009年8月31日 (月) 23時26分

ごめん.生死の危険は微塵も感じなかったわ.

投稿: H多 | 2009年9月 1日 (火) 03時44分

>H多さん

基本的にぼくらと身体の構造がちがいます。
あのガスと強風の中で顔ビショビショでも平気だし
0℃近いテントの中で裸足はありえない!
本当はどこの星から来たんですか!?

投稿: H本 | 2009年9月 1日 (火) 05時52分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 09/8/29-30 御鉢平一周 | トップページ | 食欲に負けた »