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焼け跡

燃え尽きたかと思ったら、焼け跡が残っていた。Google恐るべし。

炎上するのを初めて間近に見て、インターネットの情報伝達速度は速いと思った。そして、投稿の翌日、ブログはこつ然と消えていた。

ところが、Googleによるインターネット上の情報支配力はすさまじい。跡形もなく消え去ったと思われたブログは、炎上のきっかけとなった記事のコピーも残っているようだ。検索にはちゃんと引っかかる。

飲み屋で口を滑らしたのを誰かが聞き伝えたのなら真偽は定かではないけれど、本人が書き残したテキストデータなら疑いがたい。Googleによるネット上の監視も恐ろしいが、それを踏まえて言動に注意する必要があるとも感じた。

問題の記事へのコメントの中には、記者会見を求める意見がいくつかあった。確かに、トムラウシ山の事故では、直後にツアー会社による記者会見が開かれて報告と謝罪があった。死亡者が今回に比べてずっと多かったとはいえ、当時あれほど騒いでいたメディアも今度の雪崩事故ではずいぶんと大人しい。事故からもう1週間以上経ち、すでに雪崩調査の速報も出た。

一方、ノマドのサイトからは1/18付けの宮下さんのコメントは削除され、代わりに1/25付けのスタッフ一同からのコメントが載った。個人が攻撃されるのを防ぐためだろうか。まさかクビなんてことはないだろうし。雪氷災害調査チームの速報のリンクを示しただけで、相変わらずノマドからの報告はないままだ。より一層安全に努めてまいりますという割には、ガイド1名につき最大8名までという条件も変わっていない。こんな対応では、バックカントリーガイド業界に対しての信用がますますなくなりそうだ。どんな状況でどんな判断が下されたのか知りたい人だって少なくないはずだから、一刻も早くツアーの報告を行うべきだと思う。

尻別岳西方989m峰南斜面
雪崩れた斜面の1週間後。

【10/1/25 追記】
ツアーレポートに1/16の尻別岳を載せずに、つらっとして1/24の旭岳を載せている。事故後1週間で営業再開って普通なんだろうか。ツアー参加条件が会員に限定されているから、死亡事故が起ころうが関係ないのかもしれない。

ちなみに、去年、2009/2/8のニトヌプリのツアー中に雪崩事故で負傷者を出したNOASCは、2/11に代表のロス・カーティーさんがコメントを出していて、ツアーの新しいレポートは出ていないけれど、その後ツアーをどうしていたのだろうか。事故から2週間後の2/22には、ノーアスク雪崩地形リスクスケール(NATRS)を公開している。これが有効かどうかはともかく、ノマドも目に見える形で対応すべきなんじゃないだろうか。

【10/1/26 追記】
改めて山スキー スケジュールを確認すると、1/16(土)の尻別岳ツアーの記述が削除されていた。あそこより 3h ★★ 12,000円と書かれていたはずだが。ガイドのブログ閉鎖、謝罪コメントの削除、そして、証拠隠滅ともとれるスケジュールからのツアー情報の削除が立て続けに行われている。ブログが焼け落ちたあとも、あちこち火消しに大忙しのようだ。

雪崩で死亡事故を起した尻別岳のツアーのレベルは、★★ 登り2~3h 中級コースに設定されている。それより上のレベルを見てみると、★★★★ 登り5h未満 急斜面も滑る実践コースという記述があり、★が2つ増えると急斜面も滑るようになるらしい。けれども、★★★や★★★★に設定されているツアーは、宿泊があるか登り時間が長いものばかりで、急斜面を理由にレベルが高く設定されているツアーが見当たらない。では、雪崩が起きた斜面は急斜面ではなかったのだろうか?

雪崩調査の速報によると、破断面の斜面斜度は37°と報告されている。雪崩が最も起こりやすいといわれる斜度の範囲に含まれる。参考に尻別岳のそばのルスツリゾートのコースを見ると、West Mt.で最も急なタイガーコースで29°、ルスツリゾートで最も急なスーパーイーストコースで40°と公表されている。どちらも未圧雪で最上級コースに指定されている。少なくとも、ゲレンデでいえば37°の斜面は、急斜面なのはまちがいないだろう。

いくら山スキーでも37°が急斜面じゃないとは思えない。もしかしたら、雪崩事故を起した989m峰南斜面を、もともとツアーで滑降する予定ではなかったのかもしれない。ところが、尻別岳西方の989m峰は、北斜面の尾根状以外はどこも急斜面だ。当日はおそらく風上に当たる北斜面を避けて南斜面を滑降したのだろうか、などとあれこれ推測しても(面白いけど)仕方ないので、どのようなルートでどんな判断が下されたのか早く知りたい。もしかして、ルートを公表するとスキーヤーやボーダーが押し寄せて雪崩事故が増加することを懸念しているのだろうかと、かなり好意的に解釈してみた。

ちなみに、JANでも調査速報が公開されている。雪崩調査を読んでも、救出に40〜50分を要した理由は分からない。やはり、当事者からの報告が欲しい。

【10/1/28 追記】
GoogleのキャッシュのURLを教えてもらった。これで、問題の記事と1/19 23:26のコメントまで読むことができる。

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コメント

あれ以降,変わらずにガイド業務を継続しているのが信じられませんね。

私がああいったコメントをしたのは,やはり立場ある人はそれなりのけじめのつけ方をしてほしいということもあります。
公にはならなかったからラッキーで,真相を知らないお客を連れて行ければいいなんていう甘い考えには閉口しますわ。
山屋な私としては不信感が拭えず,こうやって営業ガイドと普通の山好きな人たちとの溝が生まれていくんだろうなぁと思います。
山岳ガイドには相応の技術レベルと相応のオーソリティが必要で,現状では日本のガイドはそういう環境には無いけど,
今回の件はそれ以前に社会の一部を為しているものとして不適すぎて,真面目な山好きにとっては本当に迷惑だ。

ほろ酔いのコメントですいません。
今回の事故原因は大体イメージできてきましたが,これが周知されることで今後避けられる事故はあるんじゃないかと思います。業界全体を考えて,件の企業にはちゃんと対応してほしいものです。

投稿: naokiss | 2010年1月25日 (月) 23時16分

>naokissさん

ぼくも驚きました。
事故後1週間で何事もなかったかのように
ツアーレポートを更新している様子に。

ノマドの人たちは
騒ぎが治まるのをただじっと待っていて
このまま事故のことをみんな忘れてしまえばいいと
思っているんでしょうか。
もしそうだとしたら
焼け跡に火を放ってやりたい気持ちです。

酒でも飲まないと本気で怒ってしまいそうな状況ですが
しっかりとした対応を考えているところだと信じたいです。
でないとEND OF THE LINEで画面に出て来る度に
イライラしちゃってかないません。

投稿: H本 | 2010年1月26日 (火) 00時09分

 web魚拓が結構残ってますね.ネット怖いww
 会社が業務を続けていること自体はそれほど問題じゃないと思うんだ.食べていかなきゃならないし.「社長」という立場の人間の採るスタンスも基本的には社員を守るというもので,その逆(例えば今回事故ったガイドを切り捨てるようなマネ)をするよりは理解は出来る.完璧な人間はいないしミスは誰でもするし,現場に居合わせなかった第三者があとから見れば多くの場合「どうしてそんなミスを」というように写ると思う.彼らがするべきことは直ちに廃業する事よりは,今回起きた事故の原因を究明してしっかり公表することだと思います.
 問題は件のblogのエントリーで,「居酒屋に入ってとりあえずビール」見たいなノリの「まずはごめんなさい」は明らかにアホのエントリー.アレのおかげで会社のあらゆる対応がネガティブに写るようになってしまった.まさに自分で自分の首を絞めてしまった.
 その時々で適切な言葉を選んで文章表現が出来ない人間がblogを書き綴るのは,アイゼンもピッケルも使えない人間が厳冬期北アのピークを目指すのと同じなのに,世のブロガーの多くはそれを理解していない.

 とまあ,好意的に解釈するとこうなんだけど,実際は「1人しか死んで無いしすぐに風化するよね~」かもしれない.そうだったら最悪だよね.

投稿: H多 | 2010年1月26日 (火) 01時12分

>H多さん

確かに、日本のガイド会社やガイドが食べて行くためには1日たりとも休んでいられないというのは何となく想像できます。そういう状況に追い込まれていることも問題だとは思いますが、例えば、食中毒に営業停止処分があるように、事故の再発防止の対策にはある程度時間が必要なはずです。1/18には宮下さんから「北海道警察と協力のもと、事故原因の究明と再発防止のための対策構築に努めています」というコメントがありました。その直後のあの「アホのエントリー」でそのコメントの誠意が疑われることになり、1/17には中止していたツアーも現在は再開しています。その上、1/18の謝罪のコメントもガイドのブログ同様に削除されて、「より一層安全に努めてまいります」という新しいコメントに置き換えられ、事故原因の究明を雪氷学会へ丸投げしたようにもとれる状況です。業務を再開するなら(たとえ形だけでも)最低限の報告と対策を示すべきだと思います。それもなしにツアーを行っている状況をみると、ガイドとガイド会社への不信感とともに、「ノマドファン」と揶揄された会員への不信感も強まりました。まして「真相を知らないお客を連れて行ければいい」なんて考えはもってのほかですね。プロフェッショナルではなく、サークルの延長にしか思えません。

世のブロガーに対しての批判を聞くと耳が痛いです。冷え性の人間が重装備で冬山へ入るのは、「その時々で適切な言葉を選んで文章表現が出来ない人間」がハンドルネームでblogを書き綴るのと同じなのかなぁと思ってみたり。

風化だけは何としても阻止したいですね。きっと、少なくとも次回の講演会「雪崩から身を守るために」では、詳細な報告が行われて掘り起こしてくれることでしょう。雪崩事故防止研究会の活躍にも期待です。それまでココロちゃんと一緒にブルーシートぐらいの役割を果たせたらいいなぁ。

投稿: H本 | 2010年1月26日 (火) 10時10分

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