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10/6/6 暑寒別岳

毎シーズン行ってみたいけど、辛そうだから行きたくないような、迷っているうちにずっと行きそびれていた暑寒別岳へ、5年ぶりで滑りに行って来た。

雪がどれくらい残っているか心配だったけど、雨竜沼ファンクラブのこの映像を見て決行。見ているところがちがうけど。

5年前に滑ったときにはものすごく疲れて時間もかかった印象が強かったので、早く出発して行動時間を長く取りたかった。えすきくんに無理を言って4時に出発して、海岸線を走って登山口を目指した。国道でも信号で止められることはほとんどないので、かなり快調に走れた。

えすきくんのカメラトラブルで映像は残っていないけれど、太陽に照らされた朝靄が淡く輝く中に、ぼんやりと浮かび上がる海沿いの岸壁が折り重なる光景は、とても幻想的で美しかった。

増毛の市街地からは暑寒別岳の真っ白な山並みが見えて、俄然テンションが上がる。登山口への道路を走っていると、道路脇にはたくさんの車が停まっていた。どうやら、山菜採りに来ているようだ。細い山道を経て駐車場へ着くと、10台近くの車がすでに停まっている。朝露の付き方から、暑寒荘への泊まり客のようだ。暑寒荘からは薪ストーブの臭いが流れて来て、煙突からも煙が上がっていた。

増毛には虫が多いので、早朝でも駐車場では結構攻撃を受ける。立派なトイレで用を足してから、急いで駐車場を離れる。ちょうど暑寒荘からおばちゃんが出て来たので挨拶をする。6時半に登山口を出発した。

早朝の暑寒荘

登山口からしばらくは、春の野花が賑やかだった。高山でよく見かけるエゾコザクラより背が高いオオサクラソウが目立ち、少し日当りがいい場所からはエゾエンゴサクが咲き乱れていた。登山道の両脇には延々とエゾエンゴサクの帯が続いている。

エゾエンゴサク

最初の急登こそ雪解け水でぬかるんでいたけれど、その後は乾いた登山道が続いていて、長靴を履いて来たことを後悔した。長靴を忘れた芦別岳では靴がドロドロになって大変だったけど、今日ならえすきくんのように軽い靴にすべきだったと。

白樺の廊下

二合目辺りから、それまでずっと咲いていたエゾエンゴサクに代わって、カタクリが現れた。エゾイチゲは相変わらず咲いていたけれど、ここを境にエゾエンゴサクは消えて、登山道脇にはカタクリの花の帯が続くようになる。突哨山なんかのように、普通はエゾエンゴサクとカタクリは仲よく一緒に咲いていると思っていたので、ここのように完全に住み分けているのは面白い。

カタクリ

写真を撮っているうちにえすきくんにはすっかり離されてしまい、暑いのを我慢しながらカタクリの道をしばらく休まずに黙々と歩いた。それでも歩くスピードはなかなか上がらず、小高い丘の手前では後続の単独の山屋さんに追い抜かれた。その丘には「つつじヶ丘」という名前が付いているようだ。確かに、ムラサキヤシオが咲いていた。暑寒別岳も灌木の間から覗けるようになった。

つつじヶ丘から

ツツジを見ながらのアップダウンを進みながら、ますます長靴で失敗したと思った。いつまで歩いてもなかなかえすきくんに追いつけない。目の前に現れた少し長い上り坂にため息をつきながら、坂の終わりを見上げると、青い空に小さな月が浮かんでいた。

佐上台に浮かぶ月

坂を登り切って後ろを振り返ると、増毛の海がちらっと見下ろせた。青空も続いている。

佐上台から日本海を振り返る

沢沿いの方へ目をやると、新緑に混じって春紅葉が山の風景に彩りを添えている。白一色だった冬とはちがって、春の山は賑やかた。

沢沿いの春紅葉

カタクリの絨毯

登山道に大分雪が付き始めた辺りまで登って、ようやくえすきくんに追いついた。1時間半もほとんど休まずに歩き続けてヘロヘロだった。暑いので汗も結構かいている。

ここで少し休憩して、またなだらかな尾根道を登っていく。1,000 mくらいからシールで登り始め、地形図で1075.8 mの三角点のある展望台のような岩を左側からまいて進んだ。夏道をもう歩きたくはなかった。ここら辺からは視界を遮るものもないので、海の方まで見渡せるようになって来た。尾根の向こうに岩尾天狗岳も見えるようになった。

岩尾天狗岳

一度シールを取り付けたもののハイマツや薮に阻まれて、結局夏道をブーツでしばらく歩くことになる。5年前はひたすら長靴で登ったから苦労した印象はなかったけれど、スキーを脱いだり履いたり、夏道をブーツで歩いたりは、今回、無駄に体力を消耗することになってしまった。ピークも近いようでなかなか遠い。

斜面を求めて

前暑寒の直下の斜面は斜度もまずまずで広く、帰りに滑ると楽しそうだ。

前暑寒へ迫る

西暑寒別岳から伸びる尾根

先行の山屋さんが、前暑寒の夏道を登って行くのが見えたけど、自分たちはシールで登りたいので、前暑寒も左側を巻いて行く。様子を探ると辛うじて雪がつながっていたので、シールのまま前暑寒を通り過ぎた。山頂付近はすっかり雪が融けていて、残雪のすぐそばにショウジョウバカマが咲いていた。エゾノハクサンイチゲも咲き始めていて、夏山シーズンの訪れももうすぐだ。というか、スキーシーズンを終わらせるかどうかは、もう自分次第なんだけど。

ショウジョウバカマ

このままピークまで行けるかと思ったら、再びハイマツに阻まれた。仕方なく夏道へ戻ると、足元にはキバナシャクナゲが黄色い花を咲かせていた。

キバナシャクナゲ

山頂手前は初夏の装い

エゾノハクサンイチゲ

いったん夏道を少し歩いてから、またシールで山頂までの最後の歩き。ほぼ予定通り、11時にようやく登頂。登りは常に尾根の東側を歩いていたので気にならなかったけれど、山頂まで出ると西風が強かった。ビデオカメラを支える手も強風で揺れる。

白い羽根
青空を見上げると、白い羽根のような雲が浮かんでいた。

群別岳
夏道がなくて、冬は気象も厳しく、残雪期にしか行けないという群別(くんべつ)岳。

西暑寒別岳越しの浜益岳と雄冬山

もう少し雪が多い時期に、西暑寒別岳からポン暑寒別沢へ滑り降りてみたら楽しそうだ。

西暑寒別岳

雨竜沼が近くだったことを思い出したので辺りを見回してみると、雪原に筋がうねうねとしているのが見えた。この川がペンケペタン川で、雨竜沼は確かにまだまだ雪に覆われているようだった。3年前には7月の頭で、湿原はすでに青々としていたことを考えると、かなり雪解けが遅れているのだろう。

まだ白い雨竜沼を見下ろす

30分ほど休憩してから、いよいよ滑り始める。5年前にも滑った斜面を滑りたかったので、少し移動して滑るラインを打ち合わせてから各自配置につく。今回はトランシーバーがあるので、合図をトランシーバーでもらって滑り始めた。

斜面変化にビビりながら滑って、自分の撮影場所で止まった。えすきくんにトランシーバーで滑る場所を指示したけど、使い慣れていないので、一瞬何をしゃべっていいのか思い浮かばなかった。雪のコンディションを考えずにラインだけ指示してから、えすきくんはスタートした。

途中まではいい感じで滑っているように見えたけど、どうも様子がおかしい。変だと思っているうちに、下まで滑り切らずに止まってしまった。えすきくんからは、縦溝がひどいと送られて来た。実際、自分も沢の方へ滑り降りると、縦溝があまりにひどくて板が暴れて全然まともに滑れなかった。

一応、300 mくらい滑り降りてから、前暑寒の方へ登り返し。この登り返しがきつかった。5年前の辛さを思い出す。30分くらい登ってようやく着いた。二人ともかなり疲れていた。

斜面の様子が上から分からなかったので、結局、えすきくんの滑りはあまり撮れずに、自分の縦溝にやられる滑りだけ撮ってもらう結果になった。トランシーバーはそんなに音声が明瞭ではないけれど、これまで合図が届かないような距離でも一応は連絡がつくのは便利だ。


滑りはほんの少しだけど。


引きで撮ってくれたので、やられっぷりがよく分からない。By えすきくん。

前暑寒直下の滑り
もうクタクタ。

ここからちょっとトラバースしたら、残念ながら、もう滑りは終了。スキーを脱いで背負い、長靴を履いて夏道を下る。夏道は朝とは打って変わって、雪解け水が勢いよく流れてグチョグチョだった。えすきくんは靴が濡れてしまって苦戦していたので、この時ばかりは長靴でよかったと思った。とはいえ、それも雪があるところまで。残りの長い登山道は、靴底が薄くてホールディングもない長靴では大変だった。

道具が重いのに耐えて、なんとか写真を数枚撮りながらの下レ山。当然、えすきくんにはあっさり離された。登山口へ戻ったときには、足の裏が痛くてしんどかった。16時半に駐車場の車まで着くと、えすきくんは15分間も虫と格闘していたらしい。悪いことをした。

ムラサキヤシオ

木漏れ日に輝くカタクリ

エゾイチゲ

オオサクラソウ

虫から一刻も早く逃れたくて、車に乗り込むなり急いで駐車場を離れた。ちょっとしてから窓全開で車を走らせる。風が気持ちいい。

まずは温泉に入りたかったので、来る途中に見つけた岩尾温泉へ寄った。お湯は特別いいというわけではないけれど、露天風呂から観る夕陽はきっと素晴らしいにちがいない。時間の都合で、というより、腹の都合でそんなにのんびりとは入っていられなかったけれど。

晩飯時にはまだ少しあって、札幌へ戻った頃にちょうどだったので、海沿いをそのまま札幌まで帰った。朝はべた凪だった海も、今は荒い波が打ち寄せ、空も雲が覆って、雲間から海へと天使の梯子が下りていた。

早く出発してよかった。海もこんなに荒れては、釣り客もガッカリだろう。そう思っていると、道路脇にたくさん車が停まって、人も集まって海の方を見下ろしていた。何かと思ったら、その荒い波に喜んでる人たちがいた。確かに、サーファーは波がないと始まらないんだろう。雪だってスキーヤーにはなくては始まらないが、一般人には厄介者だ。

今回も山岡家は却下になって、カツ丼を食べることには決まったものの、どこへ行くかが問題だった。そこで今日は、えすきくんが前から一度行ってみたかったというとんかつ はららきへ行ってみた。毎週山なんて行っていたら痩せてしまうと心配して、消費したカロリー以上にカロリーを摂取するのが目的だった。そんなわけで、無駄にカロリーが多そうな「肉盛り御膳」を二人で注文。芦別岳の帰りに未来亭で懲りたはずなのに、アホな目的でエラいものを注文してしまった。

調子に乗ってご飯をおかわりしたものだから、当然返り討ちにあった。完食するのがやっと。でも、これで痩せずに済むかな。病気になって痩せたら意味ないけど。

7月まで滑ることを当面の目標に。

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