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10/8/8 利尻山

ついに、念願の利尻山に登った。しかも、十勝岳のようなホワイトアウトではなく、展望あり。

テントの中で寒くて目が覚めた。時計を見るとまだ2時。寝るときに暑かったので、腹にフリースをかけただけで寝ていたら、さすがに朝方冷え込んで来たようだ。静かにシュラフの中に潜り込んでもう一眠り。

目覚ましの振動で目を覚ます。いつもは二度寝するところだけど、今日ばかりはそのままの勢いで起き上がり、テントの外へ出た。すると、外は肌寒いくらいで、驚いたことに雲一つない快晴だ。これは冷え込むわけだ。

利尻の暁
海が見える場所にテントを張ったので、明るくなり始めた水平線が見える。

そして、後ろを振り返ると、利尻山のシルエットは快晴の空にピークがちょこんと飛び出ている。ついこの前まであきらめかけていただけに、この晴れ渡った空を見て心から喜んだ。静かなキャンプ場でひとりテンションが上がって、スキップでトイレへ行った。

快晴の空にシルエット

登る準備でゴソゴソやっているうちに、みんなも起き始めた。キャンプ場にまた泊まるので、簡単に荷物を整理して、前日に買ったパンと牛乳で朝食をとり、4時半頃キャンプ場を出発して登山口へ向かう。入山届の記入に手間取っている間に、どこかのペンションの送迎車から登山客が降りて来た。さすがに、みんな気合いが入っているようだ。

5時に登山口を出発してから、しばらく整備された遊歩道が続く。甘露泉という水が湧くところまでの単調な登りだ。頭の中には、朝晴れていると昼には曇って展望がなくなるという経験則があるので、無意識に足取りが早くなり、気付くとみんなの姿が見えなくなっている。ポン山-姫沼のハイキングコースとの分岐を少し過ぎて、いよいよ山道に変わって来るところで?悠らりさんに先頭を代わってもらって、ゆっくり登ることにした。

4合目を過ぎる辺りまでは、ひたすら薄暗い林の中を進んで行く。足元には春の花がつけている実が目を引くけど、花ならまだしも実だと全然何の花だか分からない。後からリアルタイム花情報で調べた。

ツバメオモトの実


これって何でしょう?

マイヅルソウの赤い実
マイヅルソウはよく見かけるので、葉っぱで分かった。


潰れたミサイルのような実。


さらに熟すと開いて中から実が出てくる、クロツリバナという花らしい。

前日夕方の雨のせいか、少し濡れている登山道を滑って転ばないように足元に注意しながら登っていると、周りの木々の背がだんだんと低くなって来て、枝の隙間から景色が見えそうで見えない状態が続く。そして、出発から1時間半も経ってようやく木々の間から下界が見渡せた。海も空も青く澄み渡り、礼文島もはっきりと見えた。

初めて開けた展望

これからだんだん景色が良くなるのかと期待したのに、また林の中を黙々と登り続ける羽目になった。灌木の間を縫って歩くので、見上げると青い空が広がっているのだけど、行く手が見えないとなかなか気分が乗らない。仕方がないので、また足元の草花に注意をやる。


これも何でしょうか?

ヤマハハコ
ヤマハハコ。


何だったっけな?

アキノキリンソウ
アキノキリンソウはすぐ分かったんだけど、暗くてピントと手ブレが……

突然、登山道の先に大きな岩が現れたのでその上に登ると、登山道がのびる先が少し見えた。でも、まだまだ山頂は見えない。

まだ山頂は現れない

六合目まで来てようやく展望が開けた。日差しが強いけれど、まだ空気は冷たくて風も少しあって涼しい。少し長めの休憩をとった。ふと悠らりさんに目をやると、身体から湧き上がる湯気が朝日に照らされてオーラのように輝いていた。休憩を終えて、ハイマツのトンネルの中へ再び飛び込んだ。

六合目で一息つく

下界は晴れ渡っている
下界は晴れ渡り、絶好の山日和。

ポン山裏のハゲ
キャンプ場のそばにあるポン山の頭には、なぜだかハゲが広がっていた。

フェリーが鴛泊へやって来る
遠くからフェリーが港へやって来た。


esukiくんの実家の裏山にもあるというこの花はいったい?

山頂目指して登っていると、もう下山してくる人たちがいた。きっと、利尻でご来光を拝んだのだろう。うらやましい。この日の朝日はとてもきれいだったことだろう。

七合目の手前で尾根上に岩場が広がっていて、ちょうど休憩によさそうだった。風も通り過ぎる岩の上には、イワギキョウの紫色の花が可愛らしく咲いている。ここで休んでいると、下からだんだんと雲が湧き上がって来るのが嫌らしく感じた。登頂するまで晴れ間はもつだろうか。休憩していたほんの30分の間に山頂がホワイトアウトになってしまった美瑛岳の悪夢が蘇る。

イワギキョウの展望台

岩場でまた一息

尾根道を登っていると、肩にあたる八合目の長官山から先が見えないのだけど、ここまで登ると一気に山頂まで見渡せる。山の姿が美しいけれど、山頂までまだこんなにあるの?さすがに山頂が見えても、そう簡単には喜べなかった。何だか雲も出てきたし。

長官山から山頂を見上げる
利尻山は格好良すぎ。

増えて来た雲が心配だったけれど、気合いを入れ直すためにも少し休憩をとる。といっても、写真もバシバシ撮っていてあまり休まなかったけど。再び登り始めると、進行方向にはいつも山頂が見えるので、これまでよりは気分がいい。

ゴゼンタチバナの実
葉っぱの形で何となくゴゼンタチバナだとは分かった。

利尻山とキリンソウ

青々とした利尻山
とにかくきれいな山だ。


西側は滑れるのだろうか。

リシリブシの群生があった。名前にリシリが付く花が見つかると嬉しい。逆に、分からない花には全部リシリを付けたくなってしまう。

リシリブシ
レンズフードを忘れてゴーストが写ってしまい、レタッチで何とかしようと苦戦した末に挫折。

ちょっと後ろを振り返ると、さっきいた長官山のあたりまで雲に包まれ始めていた。こうなると山頂まで雲との競争だ。九合目までようやくたどり着くと、「ここからが正念場」という標識に小さくうめき声を上げる。

雲が追いかけてくる

なぜかヘリが登山道の上を何度も旋回して飛び去って行った。遊覧飛行だろうか。

ヘリが飛び去る


崖から吹き上がる雲の中を、ヘリが飛び去って行った。

エゾイブキトラノオ
エゾイブキトラノオ。


何て花でしょう?

ノコギリソウ
ノコギリソウってだけあって、葉っぱがノコギリのようだ。

九合目からは道が急で険しい。火山灰がコロコロと滑りやすく、下山が大変そうだ。

雲が迫って来た
雲がすぐ後まで迫ってくる。


花のような草のような。疲れのせいか、ピントが変なところに……

シコタンハコベ
シコタンハコベ。

リシリトウウチソウ?
これもリシリ何とか?

登山道のすぐ脇が崩れていて、恐いなぁと思いながら覗き込むと、崩れた崖に貼り付くように花壇が。上から滑り落ちたのだろうか。生命力の強さに関心。

取り残された花壇
崖の下は雲で見えない。

季節外れのお花畑
山頂までもう少しというところ、左手には下までずっと続くお花畑があるのだけど、ちょっと時期が遅かった。

地面に強く貼り付いて

フタマタタンポポ
ピントが茎に合ってしまったけど、二股なのは分かるかな?

ウメバチソウ?
ウメバチソウでいいんだろうか?

地獄への滑り台
覗き込むのが恐い。


何だろう?

ローソク岩
山頂目前!ローソク岩。


タンポポっぽいけど、何かな?


山頂付近はお花畑が広がる。


険しい。

ローソク岩とお花畑
お花畑越しにローソク岩を眺める。

10:40にようやく登頂。出発から5:40もかかってしまった。


山頂の奥へと続く険しい稜線の脇には、お花畑が広がっている。


ピンクのはシオガマギクだろうか?

山頂付近のお花畑


それなりにきれい。


黄色の正体はハイオトギリだった。

山頂で休んでいると、幸か不幸か雲が出て来て陽射しが遮られる。おかげで少し涼しくなったかと思うと、雲が晴れた途端に強い陽射しが身体を照りつける。風があまりないので、このときばかりは天気がいいのもいいことばかりじゃないと思った。

お昼ご飯を食べているときに、イワツバメが山頂の周りをブンブン飛び回っていた。ときどき頭上をかすめて飛んで行く。となると、動くものが気になって仕方がない猫のように写真部の活動開始。悠らりさんをのぞく3人はデジイチ構えてツバメを撃ち落とすかのようにカメラで追いまくる。きっと他の登山客の目にはかなりキモく写ったに違いない。

ツバメを追い切れず
がんばった割にこれが限界。

11時に下山開始。足元が崩れやすく滑りやすいので、慎重に歩く。場所によっては滑落したらそのまま崖の下に落ちてしまいそうなので無理はしない。でも、大丈夫なところは、外足にちゃんと乗れば滑って下りられる。スキーができれば滑りやすい登山道も恐がらずに下りられる。

ガスっていた山頂から下りると、目の前の海へ目がけて降りて行くので気持ちいい。暑いから、そのまま海へ飛び込みたい気分だ。遠いけど……

礼文島を見下ろす

雲から出ると、北海道の本島の方まで尾根越しに見渡せるようになっていた。この日は北海道からも利尻島が見えているのだろう。

微かに本島が

九合目で登山道の補修・整備をしているおじちゃんに聞いたら、避難小屋にヘリで食料などを補給しているのだとか。下山しているときに何度もヘリがやって来て荷物を降ろしては飛び去りをくり返していた。

食料輸送

チシマリンドウ
うっかり見逃しそうだった。

山頂の方を振り返ると、さっきより雲が晴れている。下山すると晴れるという嫌なパターンか?ちょっと前に歩いて降りて来た登山道の脇が、あんなに大きく崩れているのを見るとぞっとする。

崩壊が進む

途中、崖のそばで、下りるのを恐がって泣いている中学生の男の子とその親子を見かけた。こんなところまで連れて来るなと思いつつ通り過ぎた。けれども、驚いたことに、後からみんなに聞いたら、この親子を見たのは自分だけで、幻だったらしい。本当か?

沓形港を見下ろす
いじりすぎてキモイ写真になった。

利尻山を振り返る
ヘロヘロになりながらたどり着いた長官山から振り返ると、やっぱり利尻山はカッコいい。

ここからは疲れた身体に鞭打って無心に下山した。登りは晴れているうちに山頂へたどり着きたかったのでそれほどキツくは感じなかったけれど、急で何度も何度も曲がりくねっていつ終わるとも分からない道を下り続けるのは、肉体的にも精神的にもしんどかった。そんなわけで、自分でも驚いたけど、下山では長官山から下では一切写真を撮っていなかった。

一旦休むと動けなくなるとかで、とにかく七合目までは一度も休憩しなかった。もう膝が痛くなって来たので辛い。休めば一時的に膝の痛みは和らぐけれど、そこから六合目までも歩き続けるのでまた痛くなる。六合目では風が涼しくなって来たので、しばらく休んでいた。さすがに、この頃になると、もう登って来る人もいなかった。

六合目なので、まだ半分以上残っている。悠らりさんが先頭でテンポよく下山して行くのを、一番後から必死になって着いて行った。途中、足の力が抜けたところで濡れた岩で足を滑らせて転びそうになったところを、茂みに手をついて何とかしのいだ。他のみんなもさすがにこたえているようで、たまに足を滑らす音や、慌てた声が聞こえてくる。後ろを歩いていたH多さんの方からゴォーッという小さな音が聞こえて来て何かと思ったら、お腹の調子が悪いらしい。膝の痛みより大変だ。

ただの登山なのに、もう満身創痍。四合目からの緩い山道も膝にこたえる。距離を考えると辛いので、できるだけ何も考えないで足元を見て歩いていると、ようやくポン山分岐へたどり着いた。すぐそばでは、下山して来た登山客が甘露泉水にたくさん群がっていた。もちろん自分も加わって空になったペットボトルにすくい上げ、ほどよく冷たい水を一気に飲み干した。

ここからは整備された遊歩道。とにかく、早くおしっこしたかったので、登山口のトイレ目指して急いだ。ようやくトイレの中へ入って便器の前に立つと、チャックを下げる前におしっこが出そうになって危なかった。

予定時刻を30分ほどすぎてようやく無事下山。ともかく、みんな怪我もなく、天気にも概ね恵まれて、利尻バカンスの課題をひとつ消化することができた。

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