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11/6/12 旭岳

せっかく残雪が多い今シーズン、まだまだ滑る。

とはいえ、ニセコもあらかた雪がなくなり、残っているのは豪雪地帯の雪渓か2,000m級の高山くらい。先週ひよって滑りに行った黒岳では、土で汚れた黒い斜面にうんざりしたので、今回は白い雪を求めて北海道最高峰へ。というのも、去年、安足間岳から眺めた北斜面がきれいだったから。隣の雪は白く見えるのかもしれないが。

ただし、旭岳はWGでスキー営業は終わり、ロープウェイへのスキーの持ち込みはすでに禁止されている。つまり、滑りたいなら自分で登って滑ろということだ。まあ、自分で登って雨の中を滑っても楽しめるどこぞの山岳会に比べたら大人しいもので、登りではちゃっかりゲレンデコース跡を利用させてもらうことになったけど。

この日、予報は曇。昼すぎからところにより雨という予報で、朝、どんよりとした空の下、3to4邸を出発したときは、旭岳がダメなら黒岳へ行こうか、それとももういっそのこと3to4くんと1日デートにしてしまおうかと、一部の読者へ配慮したプランをあれこれと考えていた。

二人きりだった。先週一緒に滑ったesukiくんはすでにシーズンオフ。快晴限定というナゾの日和発言をしてたので、結局連絡は来なかった。藻ーリスさんもあと5ヵ月だという台詞を残して来シーズンへトリップしてしまったようだ。そこで今回は、まだ春スキーをよく知らない3to4くんを獲物に選んだというわけだ。

4時に札幌を出発した後、今回はケチって下道を走ったけれど、5時前に岩見沢ICで高速道路へ入ることになっても空はさっぱり明るくなった気がしない。敗退ムードが漂う中、滝川ICを過ぎた辺りで、長靴を忘れたことに気付いた。前日に持って来ると宣言しておきながら、すっかり頭から抜けていた。去年の芦別岳でもやった失敗。そのときはグチョグチョになって気持ち悪いのを我慢して普段靴で登ったけど、今度はまだ買ったばかりなので気が重かった。気分はすでに完全に日和。

ところが、3to4くんが登る気満々。ガスっていても筋トレだと思って登るそうだ。若い。30歳過ぎのおっさん共とは気合いがちがう。6月に入って世間はヨサコイやら何やらですっかり夏山シーズンの中、まだ滑れると言って連れ出した手前、長靴がないから登るの止めるとは言えなかった。

いつものように鷹栖ICで高速道路を降り、旭川市内を迂回して旭岳温泉へ向けて東川町の直線道路を走っていると、思っていたより山の方が明るい。さらに近づいていくと、オプタテシケ山から十勝連峰の山並みが辛うじて見えていた。これは期待してしまう。さらに走って道路脇の林の切れ間から旭岳の姿が見えたときはテンションが上がって思わず歓声を上げてしまった。これだけ曇っていたのに、山が雲に包まれていなかったなんて。

ガラガラの駐車場に車を停めて登る準備を済ませて、7:20には出発した。夏道の木道はところどころ雪に埋もれていて、現れている部分も壊れて朽ちかかっている。ブーツでこんなところをずっと歩いていくのが恐かったので、結局普段靴で登ることにした。雪の上を歩いたり、グチョグチョの夏道を歩いたりを少し繰り返すと、もうすぐにほとんど一面雪に覆われるようになった。さすが旭岳。登山口が1,000mを超えているだけあって、芦別岳や暑寒別岳のように夏道をスキーとブーツを担いで登る必要はなかった。ゲレンデコースはしっかりと雪が残っているのでほとんど埋まらないけど、雪が汚いのでシールは使わずにブーツにも履き替えず普段靴でそのまま登った。

結果的にはこれが正解。モジトは自分の登山靴のように水がしみて濡れることもなく、軽くて歩きやすくて快適に登れた。ザックは重かったけれど、KODEは腰ベルトがしっかりしているので、以前のように肩が痛くなることもない。1時間ちょっとで第二天女ヶ原までたどり着くことができた。思ったより天気も良くて、歩いていると眩しい。日焼け止めを塗らなかったし、車にサングラスを忘れて来たのは失敗だった。

休憩の後、盤ノ沢の急登を終えて姿見駅の近くまで登ると、目の前にはどーんと大きな旭岳が現れた。朝より雲が低くなって来たのが心配だったけれど、札幌を出発したときの絶望感はもうない。出発してからまだ2時間しか経ってない。ザックからスキーを外してシールを貼り、北斜面を目指して登る仕度をする。3to4くんはそのままツボで登るらしいが、おっさんは体力的に厳しいので、少しでも楽をする。

ロープウェイはもう営業を始めているので、噴気後の方へ向けて散策する旅行者に不審がられながら、登山道を横切って進む。硫黄の匂いを嗅ぎながら標高を上げていると、どんどん雲は低くなって、いつの間にか辺りはガスに包まれていた。時おりガスが晴れた瞬間に確認できる地表の隙間の雪を縫うようにして登って行く。しばらく北へ向けて巻きながら登って行ったが、1,850 mくらいからは北西の沢状をそのまま登ることにした。ガスが濃くて山頂が見えないものの、かなり上まで雪が残っているのが分かったので。

雪渓の下を水が流れる音を聞きながら、雪が途切れるところまで登って行った。そこで再びスキーをザックに取付けて、今度はブーツで登ることになる。3to4くんはここから滑り降りるつもりだったようだけど、せっかくガスって真っ白なので、ピークハントしてみたかった。あと200mくらいだし。でも、甘かった。

少し登ると2,130mくらいから行く手を大きな岩で遮られる。北へ巻いて行こうにも、ガレ場に足を取られて、3to4くんは慎重に撤退を勧める。一方、変なスイッチが入ってしまったこっちとしては今さら戻る気もしないので、ガスの中ガレ場を突進。幸い、すぐにガレ場の向こうに雪が積もっていて、そこからしばらくはまた雪の上を進んだ。

ここから山頂へは意外と遠かった。地形図でも直線距離で500mはあるので、比較的平らでも最後の登りは身体にこたえた。登頂を言い出したのを後悔しながらも、まるで疲れを知らないかのように元気に進んで行く3to4くんに遅れないようにガスの中を必死で付いて行く。山頂標識が見えると言う声にホッとした。何とかピークハントを果たせたようだ。

こんなガスガスの山頂に来る人間はそういないだろうと思っていたら、すでに4人もやって来てくつろいでいた。おつかれさまのねぎらいの声が、今日ほど身にしみたことはない。本当に疲れた。あまりに疲れてて、ザックに腰掛けてからしばらくは動けなかった。

先客の人たちと話すと、取材で来ていたようだ。取材でもなきゃ、普通こんな日に登らないだろうと思って納得。冬には浅川誠さんとも取材で来たらしいけど、1月くらいに飛行機でどこかへ出かける予定がないので、残念ながら記事が読めない。というか、そんな時期に北海道を離れる気にならない。

さっさと滑る準備を済ませている3to4くんには悪いけど、まだ滑る元気が戻って来ないので、行動食を食べてもう少し休憩。男女2人のパーティーも登って来た。取材陣は晴れ待ちしてるので、一緒になってもうしばらくは一緒に晴れ待ち。でも、たまに雲間から青空がのぞいたり、部分的にガスが薄くなって稜線が見えたりすることはあっても、ぱぁっと視界が開けることはない。身体が寒くなって来たので、あきらめて滑り降りることにした。

すると、展望がない代わりになのか、滑るところを撮らせるようにカメラマンに頼まれた。もしかしたらガクジン?ソトコト?ランドネ?に載るかもしれないとか。別に減るもんじゃないので了解したけど、思い出したのは2年前の旭岳。ギャラリーの前で激しく転倒した場面。また転けたら恥ずかしいと思いながら滑り出すと、若干ストップ雪。でも、足を取られるほどじゃなかったので、スピードに乗ると案外気持ちいい。視界は悪いけどカメラマンのことも忘れて結構一気に滑り降りてしまった。

後ろを振り返ると、一緒にスタートしたはずの3to4くんが上の方で止まっている。どうやら転んだようだ。いいところを持って行かれた!自分の役割をしっかりと理解しているようだ。でも、残念ながらガスでもうカメラマンには見えてなさそうだったらしい。3to4くんが外れた板を取りに登っていると、視界が開けて熊ヶ岳の方から山頂まで見渡せるようになった。ずっと下までスロープが続いている。でも、ここを滑り降りずにトラバースして行ったら、その間にガスガスになって視界がなくなりがっかりしてしまった。貴重なチャンスを不意にした。

その後も気持ちよくガスが晴れることは一瞬で、タイミングが合わずに撮影もイマイチのままボトムまで滑り降りた。ここからどうやって帰るか話し合っていると、青空が雲に浮かぶように流れて来て、山頂からのスロープを見ることができた。雪はフラットなまずまずのざらめで気持ちよく滑れたけど、ガスとの駆け引きでは負けてしまった気がする。

標高差500mを滑り降りた。苦労して登った分だけ気持ちよく滑れるいい斜面だ。とはいえ、あまり調子に乗って滑り降りすぎると下山が大変になるので、素直に登りトレースへ向けてトラバースする。途中、何度かのハイクアップを除いて、基本的にはスキーを履いたまま姿見の辺りまで戻った。登りが疲れたけど、下山が楽だ。駐車場までもゲレンデコース跡を滑って降りればいい。さすがに雪は汚れて来ていて板は走らないけれど、夏道をスキーを担いで降りるのに比べればはるかにマシだ。

コースの雪は駐車場のほんの100mくらい手前で途切れていたけど、これだけ楽できればもう十分。15時には下山も完了。相変わらずガラガラの駐車場に戻って腰を下ろし、大きく息を吐き出す。疲れた。

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