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11/8/18-20 大雪縦走 2

2日目はロングトレイルで白雲岳避難小屋からヒサゴ沼避難小屋までの17 kmを歩く。

朝食にはお湯で作るパスタと、サヤちゃんから2年くらい前にもらったコーンポタージュ。ついでにソイジョイも食べておいた。昨晩は和食だったので、今度は洋食のつもり。パスタはお湯を入れるだけなので簡単だった。

出発前にトイレへ向かうも、この日も残念ながらうんこが出ない。便槽でウジ虫が蠢いているのを見たからじゃないけど、どうにもガスしか出て来ない。本体の軽量化をしたいところなのに。

小屋に朝日が差して来る前に、はるか遠くに見えるトムラウシ山を目指して出発。しばらくはほとんど下りなので、いいペースで進んで行った。登山道には自分たち以外に人影もなく、頭上を流れて行く秋の雲を見上げたり、朝日に輝く雲と東大雪の山並みを眺めたりしながら、どこが登山道か分からないような平坦な道をひたすら歩く。

これからの道のり

クモイリンドウ
白雲岳避難小屋の裏にはクモイリンドウがたくさん咲いていた。

空と雲と月
すっかり秋の空。

朝日に輝くチングルマ

氷の川
雪渓が朝日を反射して、流れる川のようだった。

空に打ち寄せる波
青空には打ち寄せる波のように白い雲が通りすぎて行く。

トムラウシ山を目指して
遠い……。

いつもは大雪高原から見上げている高根ヶ原から、点在する沼を見下ろすのは新鮮だ。つい熊の姿も探してしまう。

避難小屋を振り返る
高根ヶ原まで来ると、もう避難小屋は小さく見える。

コマクサが見下ろす大雪高原沼

コマクサ
高根ヶ原では辺りにコマクサがしぶとく咲いていた。女王の意地というか、アンチエイジングに勤しむおばちゃんと重なる。

快晴の旭岳
前日は雲の中だった旭岳もようやく姿を現した。

高根ヶ原の万年雪
残念ながら、熊の姿を見つけることはできなかった。

平ヶ岳を越えた辺りでようやく先行パーティーを追い越した。3人パーティーで、その後、追い越し追い越されを繰り返し、忠別岳の山頂の休憩では一緒だった。どこから来たかは聞かなかったけれど、ナキウサギの鳴き声を知らなかったようなので、おそらく道外から来ているのだろう。

忠別沼
長い道のりを歩いた後で現れる忠別沼はオアシスのようだ。

ワタスゲが残る畔

表大雪を振り返る

忠別岳のナキウサギ
「ナッキーを探せ!」ってわけじゃないけど、気持ちトリミングしても小さすぎてどこにいるか分からない。

タカネシオガマ
上から撮りたいと思っていたタカネシオガマ。

忠別岳から望むトムラウシ山
五色岳や化雲岳の山並みが、トムラウシ山への行く手を遮る壁のように立ちはだかる。

せっかく忠別岳へ登ったのに、ここから一気に下ることになる。下り始めてすぐに忠別岳避難小屋が見えてきた。でも、近いようで遠い。この下りで結構疲れたし、五色岳までの登りがまた大変そうなので、避難小屋はスルーしてそのまま分岐から進んで行った。

忠別岳避難小屋を見下ろす

忠別岳を見上げる
標高がもったいない。

ここからの登りが暑かった。登山道の両脇を頭を越すハイマツの林が覆っていて風が吹いて来ない。かといって、トンネルのように頭上を覆っているわけではないので、上からは正午に近づいた夏の陽射しが照りつける。初日の登りはガスの中で涼しかっただけに、今回の山行で初めて暑い登りが続くことになって身体にこたえた。

ハイマツの林から這い出て稜線へ出ると、涼しい風が吹いて来てホッとした。3人とも岩に腰を下ろして休憩する。五色岳の頂上からはほんの少しずれた場所だったけれど、ここからは五色ヶ原や沼ノ原が見下ろすことができ、その向こうに石狩岳や音更山、ニペソツ山といった東大雪の山並みが望める。そして、歩いて来た方向を振り返ると、もう表大雪ははるか遠く。よくこんなに歩いて来たもんだと思った。平地ですらこんなに歩いたことはない。というより、歩きたくない。

五色ヶ原と沼ノ原

五色岳までたどり着いたけれど、この日泊まるヒサゴ沼まではまだ距離が残っている。まずは、化雲岳の山頂を目指してまた進んだ。正面にトムラウシ山のゴツゴツとした山頂を見ながら木道を歩く。遅くまで雪渓が残っていたようで、まだ初夏の花も咲いている。湿原らしく、いくつか沼も点在していた。

エゾウサギギク

鳴き声が響くお花畑
ナキウサギに気を取られると遅くなるので、もうこの頃にはほとんど無視。

化雲岳

湿原越しにトムラウシ山

化雲岳をトラバースする分岐で、右の山頂への道を選ぶ。左手にはチングルマの綿毛がものすごい密度で広がっていて、その向こうにトムラウシ山が見える。花の季節はすばらしい景色だったことだろう。

化雲岳のお花畑

化雲岳登頂

山頂に大きな岩がある化雲岳まで来て再び振り返ると、もう忠別岳も遠くに見える。この頃にはもう足の裏がとても痛かった。早くテン場へ着いてゆっくりしたいところだった。

化雲岳からクワウンナイを見下ろす

ヒサゴ沼を目指して下り始めてすぐ、トムラウシ山から歩いて来た単独の登山者とすれ違った。トムラウシ温泉から登って来た人だろうか。今思えば様子を聞いておけば良かった。

近づいて来たトムラウシ山

風にそよぐ綿毛を見ながら

再び分岐が現れて、今度はヒサゴ沼への道へ折れる。もう、後は下るだけ。ただ、最後だし、膝も心配なのでゆっくり下りた。登山道は思ったより階段などで整備されていて、何より意外なほど花がたくさん咲いていた。ヒサゴ沼からの雪渓が続いているからだろう。この日一番のお花畑だったかもしれない。ここまであまり花の写真を撮れなかったので、つい何度もカメラを向けてしまい、いつのまにか2人は先に行って見えなくなってしまっていた。

雪渓に守られたお花畑

ヒサゴ沼へ下る

ミヤマキンバイ

チングルマ

ミヤマキンバイのお花畑
絞りの設定まちがった。

チングルマ越しにトムラウシ山を

ヨツバシオガマ

花咲く小径

遅れて訪れる夏

ようやくヒサゴ沼の畔までたどり着くと、沼が思いのほか大きいので驚いた。しかも、対岸のガレ場からは引っ切りなしにナキウサギの鳴き声が響いてくる。待ち伏せされて取り囲まれているようだった。

雪解け水を湛えるヒサゴ沼

左へ進んで行くと避難小屋とテン場が見えてきた。すでに、いくつかテントが張ってある。先に着いていたH多さんによると小屋は空いているので、この日も小屋に泊まることにした。後からテン場を見てみると、地面の泥は雨で濡れたままで、できればテントを張りたくない状態だった。

小屋に荷物を入れて場所を確保したら、まずは水を汲みに行った。雪渓から流れて来る水はとても冷たくて美味しい。ついでに裸足になって沼に足を入れ、火照った足を冷やした。でも、水は冷たすぎて、本の数秒入れただけでビリビリしたけど。

沼畔の岩をテーブルにして酒を飲み、2日目の疲れを癒した。天気もよくて、無事にヒサゴ沼までたどり着いてもうすっかり気が緩んでしまい、ついついウィスキーを飲み過ぎてしまった。酔ってはいたけれど、さんまの味噌煮風魚肉ソーセージは美味いとは思わなかった。個人的にはチョコチップの方が合っていた。今回の山行ではこの瞬間が一番幸せだった気がする。

さんまの味噌煮風魚肉ソーセージ

そのまま日が沈むまで飲んでいるつもりだったけれど、湧いて来た雲に陽射しが遮られた途端に寒くなり、小屋に戻って夕食にする。他のパーティーは小屋の前で夕食をとっていたけれど、ちょっとこの寒さは疲れた身体に凍みる。

避難小屋に迫る夏の雲

ヒサゴ沼に落ちる夕陽

2日目の夕食は、自分で買った梅茶漬けとエビピラフ。「ご飯にご飯?」と言われたけど、量が中途半端なので仕方ない。エビピラフはまあまあ。梅茶漬けは相変わらず早くて食べやすい。esukiくんがサヤちゃんからもらったきな粉餅を食べさせてもらったけど、今回は水を少なめで餅が柔らかすぎず、きな粉餅なら冷たくても違和感がなく、いそべ餅よりはるかにマシだった。

夕食が終わってもそのまま飲み続けた。ただ、外ですでにずいぶん飲んでいたのでもう眠くなり、また一人先にさっさと寝てしまった。長距離を歩いて疲れたせいもあるだろう。翌朝も4時に起きて、朝食が済み次第出発する予定だった。

光と酒の饗宴

ところが、この日の晩も夜中に目が覚める。今度は風雨ではなく、人が動く物音で目が覚めた。2階への梯子から落ちそうになって声を上げたようだ。学生たちがゴソゴソと動いていた。まだ真っ暗なので、時計で時間も確認せずにそのときはまた寝た。

すると、しばらくしてまた物音で目を覚ます。今度も他のパーティーがゴソゴソと動いていたけれど、まだ真っ暗。早く出発するつもりなのか知らないが、こっちは明るくなって来てから起きるつもりだったので、シュラフに潜り込んだ。後で聞くと、2時すぎに起きてコンロで朝食の準備をしていたそうだ。

しばらく寝ていたら、またしても目が覚めた。まだ暗かったけれど、今度はヘッドライトの光を当てられて目を覚ました。向かいの学生だった。他のパーティーにこんなに不快な起され方をするとは思わなかった。こっちは何度も起されて熟睡できず、まだ寝ているつもりだったのに。その後もゴソゴソ準備をしている物音が気になって寝るに寝られないまま、4時をすぎてしまった。仕方なく起きて準備をする。マナーが悪い他の登山者たちのおかげで小屋の快適さが台無しだ。

トイレへ行こうと小屋の外へ出ると、空は澄み渡って月が浮かんでいた。寝る時は曇っていて見えなかった星空も、もしかしたら夜中には見えていたのかもしれない。星空を観に行くのは結構だけど、静かにして欲しい。

朝のヒサゴ沼から見たニペソツ山

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