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2次元 VS 3次元

2011年北海道山岳雪崩安全セミナ-の講座3はかなり衝撃的な内容だった。

講師の鈴木さんは会場に集まったたくさんの参加者に向かって、「あなたたちは3次元で探してない!」と(いうようなことを)言い放った。今のは2次元理論だと。従来の考え方をガラッと変えようとするものだった。

ただ、残念ながら2次オタにはあまりに難しすぎて、よく理解できなかった。ホントは4時間で話す内容を90分に縮めてあったので、理解が追いつかなかったということにしよう。とりあえず、従来の考え方に囚われないことが大事だということだけは理解できた。

鈴木さんが提唱するのは、磁力線探索法というものだった。これは救出までの時間短縮を狙ったものなのだけど、死因として高い割合の呼吸停止は約10分で起こるので、従来の15分以内では遅いと考えているからだった。4分以内で救出することを目指すために、ビーコンでのピンポイントからのスパイラルプロービングも否定する。JANの30cm間隔でも約15分、マムートパルスバリボックス推奨の25cm間隔では約18分と、プロービングに手間取っている間に手遅れになる計算のようだ。

この原因が、従来の探索法では深さ方向を探せないことだと鈴木さんは指摘する。電波誘導法(鈴木さん曰く、磁力線探索法)を事実上放棄しているからだそうだ。深さ方向を探せない従来の探索法に対して、磁力線探索法を活用したのが、3次元探索法だった。別名、サブマリンサーチ、あるいは、ハイブリッドサーチと呼ぶらしい。自分で名付けたらしいけど。

ちなみに、鈴木さんたちはとにかくビーコンのテストをたくさんやっていて、バラしたりもして研究しているようで、講習会ではビーコンの個体差まで確認しているようだった。ビーコンのバーアンテナのコイルは落下の衝撃で簡単に影響を受けてしまうようだ。機種毎に最短表示の範囲のバラツキなども調べている。

で、肝心の3次元探索法、磁力線探索法というのは、そもそも磁力線は3次元的に広がっているので、磁力線を平面的に追いかけないで、空間的に追いかけろということだった。磁力線に乗れということらしい。従来はビーコンを水平にして探索するけれど、ビーコンを傾けて磁力線に傾きを合わせながら、雪の中もシャベルで掘りながらプロービングなしで突き進むというものだと理解した。ただ、具体的な方法がイマイチ分からなかったけど、この磁力線探索法はどこにも紹介されてないので、勉強するなら蔵王へ行かなきゃいけないようだ。

この磁力線探索法は3次元探索法なので、そもそもビーコンがトリプルアンテナでは対応できない。というのはビーコンの傾きをエラーとして捉えたり、アルゴリズムが自動的に3次元探索法をしてしまうかららしい。そんなわけで、今のところこの磁力線探索法に対応できるのはデュアルアンテナのトラッカーDTSがいいらしい。分けも分からず高価いトリプルアンテナに任せるのではなく、ビーコンの原理を理解してマニュアルで探索するのもある意味確実で早い方法のようだ。オルトボックスS1はスパイクでストップサインを出すそうだけど、むしろゴーサインなのだそうだ。止まっている間に生存確率はどんどん下がって行く。

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でも、実はこの磁力線探索法というのは鈴木さんが始めたものではなく、トラッカーDTS(第3世代)のマニュアルに説明書きがあるそうで、Tiltingと紹介されているそうだ。紹介しなくなったのにはそれなりに理由があるような気もするけど、自分の道具と方法で少しでも早く救出できることが何よりだろう。

他にも驚いたのは、X1がクソミソに言われてたことだ。スパイクを上手く見つけられないどころか、距離表示がとても不安定な機種らしい。それでも、距離を音で表現する機能は抜群にいいらしいけど。最近のビーコンは探されづらくなっているから、オルトボックスのスマートアンテナは良さそうだ。

結局、ビーコンの買い替えもどうしようか迷ってしまった。X1の特徴をもっと理解することも大事そうだし、低温では液晶は良くないらしいし。とはいえ、何も考えないで使えば、S1も便利そうなんだけど。

とにかく、今回のセミナーではビーコンの仕組みについてじっくり考えてみたいと思ういいきっかけになった。実際のセルフレスキューですぐに役立つことは少なかったけど、メーカーの宣伝を鵜呑みにするのは危険だと分かった。

懇親会は結局参加せずに、立ち漕ぎトレをして帰った。

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コメント

体調不良により参加できず・・・

で、結局ビーコンどれ買えばいいの?

今年も借物のアナログでいいの!?

投稿: ムラマサ | 2011年11月 2日 (水) 00時43分

>ムラマサさん

体調治りましたか?
会場でTさんと会いましたよ。
中級クラスを受講するそうです。
ぼくは受けずに普段一緒に滑る仲間で
組織的レスキューの練習をしたいと思ってます。

理由をはっきり覚えていませんが
最近のデジタルビーコンは
アナログビーコンで探しづらくなって来ているそうです。
鈴木さんはトラッカーDTSとF1フォーカス2つ持っているそうです。
デジタルでダメならアナログだったっけな?
アナログは感度を手動で切り替えられるけどデジタルは自動なので
受信距離が長い機種はノイズに弱いそうです。
アナログは使いこなせば最強みたいですね。
ただ、おばちゃん系のノイズには感度切替で対応できないので
イヤフォンが必要だと思いますが。

で、結局どれを買えばいいかですが
ぼくもよく分かりませんでした。
でも、やっぱりどのビーコンでも特徴をよく知って
使いこなしてなんぼだと思いました。

実は、ビーコン買いました!
マムートパルスバリボックス。
三段山クラブの大西さんも使っているヤツです。
秀岳荘セールで5万円でした。
自分のバカな頭のアルゴリズムよりはずっと賢そうです。
というわけで
ぼくは2次元の道を歩き続けます。

投稿: H本 | 2011年11月 2日 (水) 07時03分

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