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雪崩の世界から

読書の秋ということで、アリュート・ヘブンに続いて、今度はmsrnからまた借りして読んでみた。

自分が知る限りmsrnが3年以上経っても読み終わらないほど退屈な本とはどんなものだろうかと、逆に興味が湧いていた。

先日、バフンの後、難民のように我が家へたどり着いた三段山クラブの6名。朝起きると5人に減っていたけど、彼らが見つけて盛り上がったのがこの本。新田隆三著「雪崩の世界から」。早速、数名がAmazonで購入していたようだけど、実は新田さんの教え子だという発言もあって、一同はさらに驚く。三段山クラブ恐るべしw

まあ、そんなわけで読み始めた。はじめに著者のプロフィールを見てみたら、北大スキー部OBだった。つまりは山スキー部OBということなのだろう。なんとなく親近感がわきつつも、歴史を感じる。この本が出版されたのすら1981年だ。

読み進めて気になったのは、内容よりもまずいくつかの異なる雑誌に掲載されたものの寄せ集めで、章ごとに文体も変わっていて読みづらい。アリュート・ヘブンは脈絡がない展開もあったけれど文体までは変わらなかったので、まだ違和感が少なかった。

そんなわけなので、内容も章によって重複していたり、本全体を通しての流れがないので、短編集というか、寄稿集として読む方がストレスを感じない。そう割り切って読むと、それなりに楽しめた。

「アルプスの暮らし」の章では、著者がスイスの国立雪・雪崩研究所へ留学していた頃の暮らしについて書かれていたが、雪崩とまったく関係ない内容が多いのだけど、以前、共同研究の名目で1週間ほどスイスに滞在したときのことを懐かしく思い出しながらも、自分の知らないスイスの一面が、30年前とはいえ興味深い。スイスの郊外の景色こそ北海道に似ているように感じたけれど、先日の講演会でカナダから来た藤村さんが話していたような文化や気質の共通点は、どうやらスイスにはないように思えた。もちろん、四方を他国に囲まれたスイスと島国の日本の辺境とが同じはずはないのだけど。

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面白かったのは50ページほどとこの本の1/4を占める第4章の「雪崩と森林のダイナミズム」だった。最近、ササ刈りやツタウルシの駆除、潅木の伐採やらと、林の中での作業をする機会が多くて植物のことが身近に感じていたからだろうか。教職で言い訳程度に生物学は修めたものの知識が浅いせいか、雪崩と植生との関係が新鮮で興味深く感じる。新田さんは北大の助手の後は林業試験場に移っているので、実はこれが専門なのかもしれない。雪崩とササとの関係は、ここ2年ほどササと戦っているだけにとても面白かった。今シーズンはどんなコンディションになるだろうか。ササが寝ないでくれるといいのだけど。

雪崩犬の記述も面白かった。当時、スイスには公認の雪崩犬というのがいて、実際に救助で活躍しているらしい。新田さんが本の中で日本でも警察犬を有効に使うことを提案していたが、今は亡きMIXが雪崩を誘発したという話こそ聞いたことはあれど、埋没者を探し当てたと聞いたことはない。ただ、雪崩犬のように雪に埋もれた自分を見つけ出してレスキューに協力してくれる愛犬がいたら心強いだろう。自分が犬を飼うことはないだろうけど、もしそんなことがあれば、訓練してみたい気がした。

新谷さんの本を借りることになったので、少し急ぎ足でなんとか読み終わった。学問書ではなくエッセイのような読みやすい内容なので気楽だし。対照的に、雪崩大全は今は手に取る気持ちにすらならない。もらっておいて申し訳ないけどw

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