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アルペンでGeniusを

Geniusを単にフルラップの板板にしたかったからインサートビス化したわけではない。

Geniusをアルペンで滑ってみたいという明確な理由があったため、Maker Baron 13 EPFを購入し、既存のO1との併用のため、両方のインビス化を行った。

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以前のGeniusのレビュー で書いたように、テレマークではセンター130mmのファットスキーを確実にコントロールするのが難しい。外足はまだしも、爪先立ちになる内足で角付けするのは至難の技だ。必然的に、Geniusで滑れるコンディションが柔らかい雪質に限られてしまう。これはすごくもったいないことだ。

そういうテレマークの不便さも受け入れた上で楽しむ分には問題ないが、Geniusのポテンシャルを引き出そうと思うと、テレマークの道具としての限界が足かせとなる。踵は自由でも、自由自在にスキーの能力を引き出すことはできない。先日はカッコをつけて「テレマークは板の性能をスポイルする」なんて言ったけど、要は、スキー自体に余力があるのに、道具や技術の不足で性能を持て余すのは歯がゆいということだ。

なら、いっそアルペンで滑ってしまえばいいのだ。

雪崩リスク軽減のために始めたテレマーク。緩斜面でも楽しく滑るために導入したのであって、滑る難易度を高めて達成感を得ようとしたわけではない。アルペンに対抗しようと思ったわけでもなく、むしろ難しい斜面からは逃げてのんびり安全に楽しむことが目的だった。

それゆえ、アルペンへの回帰は、自分にとっては封印を解くようで、それなりの覚悟を要する。自然とスピードや斜度が上がるのはまちがいない。そのリスクをコントロールしきれるのか。テレマークを始めた頃からもう5歳も年をとった。体力も筋力も衰えたことを自覚しているのに、なぜ今さらアルペンに戻るのか。

それはやはり、Geniusというスキーに乗っているからだ。これまでBCで乗っていたスキーは、ビンディングとの相性もあるとはいえ、滑っていると性能の限界を感じた。「こういう滑りをするための板ではないのだろう」と思った。ところが、Geniusでは「テレマークでなければもっと鋭い滑りができるはずだ」と、いかにもテレマークに挫折した者の捨て台詞のような思いが振り払えない。こうなるともう実際にアルペンで滑ってみるしかない。

こんな考えに至ったのは、昨シーズン、スノボのGeniusを乗ったことが強く影響している。Geniusのオリジナル。スキーのGeniusがナイト・オブ・ゴールドなら、スノボのGeniusはさしずめウォーター・ドラゴンといったところか。そんな古い設定しか知らないのだけど、ともかく、スノボの角付けは凄まじかった。太さがスキーの倍ほどもあるにもかかわらず、2本の足で爪先から踵まで、板の幅のほとんどすべてを覆っているため、エッジの近くで力が作用し、ファットスキーとは比べ物にならない強力な角付け、そこから得られるカービング、体験したこともない傾き。スキーとスノボのGeniusは別物だと秋庭さんには言われたけれども、テレマークではなくアルペンで乗らなければ真価には気づけないと感じた。

それに、秋庭さんや浅川さんがGeniusで滑るのを間近で見るたびに、Geniusのポテンシャルの高さを強く感じていた。そして、アルペン復活を決定付けたのが、浅川さんが春の暑寒別岳をGeniusで滑る映像だった。

まさに、アルペンならGeniusでもこんな滑りができるという映像だった。もちろん、浅川さんなら、という非常に重要な条件があるのだけども。

とはいえ、浅川さんの映像でアルペン復帰を決意したことに運命を感じなくもない。4年前、かなり酔っ払った浅川さんから「H本さんのアルペンが見たい」と言われたけれど、そのシーズンに参加したASAcampにもテレで参加し、これまでVUCもテレかスノボでしか参加して来なかった。アルペンのベクターの板がないという決定的な問題があったのだけど、インビス化したことによって、ついにGeniusで、アルペンの滑りを披露することができる。これだけ勿体つけておいてかなりショボいというオチが見え見えだけどw

今シーズンの初滑りは迷わずGeniusだ。スノボも滑りたくなりそうだけど。

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