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17/4/2 無意根山

山スキー部の無意根ツアー参加から18年。ついに無意根山の本峰を滑降。

前日の朝夕、豊羽鉱山の方へずいぶん車が向かっていくなぁ、と思いながら眺めていた。豊羽鉱山の方には、千尺高地、長尾山、足を伸ばせば無意根山といった、山スキーの名所がある。そう、バックカントリースキーではなく山スキーだ。アプローチは長いけど、ちゃんと滑れる標高差はあまりなく、登ったトレースをただ引き返してくるようなルート。そんなイメージだった。

この山域には実は縁がある。子供の頃から札幌に住んでいるので、小学6年生の冬、林間学校へ参加したときには、豊羽小学校を会場だった。もちろん、この会場の目玉は山スキー。山スキーの道具を貸してもらい、シールを付けて雪山を登って滑り降りるという、案外、本格的な山スキーだった。ママンの友達が山スキーをしていたのでウェアを借りて行ったのを覚えている。

それから約10年後、大学1年のとき、Oに誘われて山スキー部の無意根ツアーへ参加した。生まれてから二度目の山スキー。自分がどこにいるかもよく分からない山奥で、不安定なプラブーツで思うように滑れずに転んで雪まみれになり、もう二度と山スキーはするまいと思った。無意根尻小屋に泊まって近くの斜面を滑ったけれど、そのときは無意根山のピークへは行っていない。

その4年後、Oの強い勧めで、結局、山スキーを始めた。ビバノン有志によりプライベートな無意根ツアーも行われたけれど、都合がつかずに参加できなかった。それからも、遠くて大変だというイメージが強くてなかなか無意根山へ行こうとはしなかった。

初めての山域へ行くのは冒険的要素があって面白い。豊羽の辺りを小学生の頃に滑ったとはいえ、ほとんど記憶にない。無意根山まで行けなくても、手前の千尺高地や長尾山への偵察でもいいかと思った。前日も滑っているし。msrnと2人だし、ある程度の人数が入っていて、トレースが付いている方が楽だ。そんなわけで、豊羽からのアプローチになる。

自宅を6時に出発して、いつものように藤野のセブンで食料を調達。この日もカツサンド。前日の駐車スペースを通り過ぎてどんどん進んで行く。こんなに奥だとは思っていなかった。プントで帰れなくなるのを心配していたけど、どん詰まりには広い駐車スペースがあって、先行者が車で準備をしていた。その後ろに車を止めて自分たちも準備を始めたのだけど、msrnに言われた地形図を見ると、どうにもおかしい。奥へ来すぎているようだ。10年以上前に千尺高地へ来たことがあるmsrnの言うことを信じ、少し前に通り過ぎた駐車スペースに戻ってみた。ここにはすでに4台くらい停まっていたけど、もう1台増えて入山の準備をしているところだった。

ここから登った方がアプローチが楽そうなので、プントがはまらないように出口付近に寄せて車を停めて準備を始めた。すると、続々と車が到着。その車にはなんとチャキちゃんたちが乗っていた。もう1台にはミキちゃんたちも乗っていて、総勢6人。無意根山へ行くみたいなので、とりあえず、混ざって一緒に行くことにした。

8時に出発。msrnによると、実は、ここはスキー場跡らしい。確かに、林間学校で来た時はリフトがまだあったかも。ちょっと登った平らなところまで車で登れるようになっていて、スキー場の建物があったそうだ。コース跡にはすでに藪が茂っていて、言われなければコース跡だとは気づかない。

先行者のトレースがあるので、それをひたすら辿って進む。地形が複雑なので、いかにも山スキーなルートでアップダウンが多いけど、下手にショートカットするより確実なようだ。天気予報がはずれたのか、朝から快晴が続いている。日差しはもう春なので、動いていると暑い。前日から学習しておらず、またもや暑くて途中でタイツを1枚脱いだ。

2時間くらいでやっと千尺高地まで来た。登りながら振り返ると余市岳や定山渓天狗山が見えていたけど、千尺高地の稜線まで来ると、反対側の無意根山や羊蹄山、奥にはニセコ連峰が続くのが見える。札幌からそう遠くない距離でこの大パノラマはなかなかのものだ。晴れていてよかった。

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正直なところ、もしmsrnと2人だけだったら、ここで滑って何本か登り返して帰ってただろう。前日の疲れもあるし、どうも足首の調子が良くない。でも、無意根山をまっすぐ目指す6人を追いかけて、遠くに見える無意根山へ向けてテクテク進んでいった。

稜線上は風があるときは寒いけど、風がなくなると暑い。できるだけシェルを着ないで調整していたけど、いつもより水の減りが早い。1L持ってきて正解だった。それにしても、先行者の単独スノーボーダーがシューで歩いていて驚いた。トレースを見ても1歩1歩沈んでいる。余程の体力なのだろう。自分には絶対無理だ。アルペンより軽いテレだからこそまだ歩き続けていられるくらい。

無意根山へ近ずくと北面の様子が見えてきた。なかなかの斜度で滑りごたえはありそうだけど、果たして雪はどうなのだろう。風で叩かれているか、それともラストパウダーなのか。アプローチが長いだけに下手に期待しない方が良さそうだ。

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余市岳のようにどこが山頂だか良く分からないほど長い無意根山。黙々と歩いてだいたい11時半くらいに東面の上に到着したので、ドロップポイントを探す。ところが、当たり前のように雪庇がずっと張り出している。適当な位置から下を覗き込むと、崩れた雪庇でデブリがボトムまで続いているのが見えた。とてもドロップできるような高さでもない。

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仕方なく雪庇の様子を伺いながら進んだ。ようやく東面に入れそうなところまで来たと思ったら、山頂標識らしきものが見える。せっかくなので記念撮影をしたけど、どうやら山頂ではなく三角点だったようだ。

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東面は見るからにカリカリ。前日の様子から予想しても、ジニアステレで滑れるような斜面ではない。エスキックスを除いて滑りたそうな人はいないので、メローな西面を眺めながら北面へ引き返した。

北面も上はカリカリ。その下が柔らかくなっている保証もない。北風でパックされている可能性もある。とりあえず、滑る準備を済ませて、各自、ドロップポイントへ移動。自分はついでに撮影しようと少し標高を下げて、ちょっと斜面から張り出したところへ乗ってカメラを構えた。ファーストのエスキックスは初めこそ何度かガリッと音を立てていたけど、4ターン目くらいからは気持ち良さそうに滑っていた。地形が邪魔をして撮影に失敗したけど、案外、雪は良さそうだ。

でも、一番急な奥を滑ったズミさんのところはスラフが流れたようで、斜度があるだけにラインを選ぶ必要がありそうだ。自分のすぐそばからmsrnが先に滑ったけれど、こっちは雪が良さそうだ。音が聞こえない。撮影を終えていよいよ自分の番。滑り始めて最初のターン、何か変。内足の踵が上がりづらくてポジションが安定しない。

この日の朝、前日に川に浸かったブーツが全然乾かないので、諦めて慌ててジニアスのビンディングをテレマークに換えてきた。取り付けたO1は、最近、村長から安く譲ってもらったもので、カートリッジはMid Stiffが取り付けてあった。Free Flexに交換するつもりだったけど、朝は出発前に時間がなかったので、ミッドスティフのまま持ってきたのだった。

そして、案の定、滑ってみるといつもと勝手がちがってターンで苦戦。2ターンくらいで少しポジションの調整ができたものの、後半、地形変化に対応した後、ターンの調整まで意識が追いつかずに危うく転倒するところだった。

せっかくの滑りやすい斜面だったのに、道具の整備を怠ったために不満の残る滑りに終わってしまった。これまでジニアスで滑り込んで体に馴染んだ感覚が、カートリッジ一つちがうだけでここまでずれてしまうとは。テレマークの道具は適当だけど、滑りはとても繊細で、上手く自分で身体の動きを道具に合わせる必要がある。

とはいえ、みんな予想以上のいい雪と斜面に満足した模様。8人でギタギタになった。登り返したい気分だったけど。

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自分たちが滑っているときにはたくさんのギャラリーがいた。モービラーだ。けたたましいエンジン音を響かせて突然現れたと思ったら、次々と集まってきて、10台くらいいただろうか。こちらが滑り終えて休憩していると、カレーを鍋で温めて食べていたのか、いい匂いが漂ってきた。

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カレーが食べたくなってしまうけれど、この日は長崎ちゃんぽんを食べて帰ることに途中で決まっていたので撤収開始。大沼まで滑り降りて、そこからシールで登り返し。だらだら登ってからトラバースして登りトレースに復帰。稜線からの北面を滑る誘惑にかられつつも、下山の苦労を避けて無難にお帰りコースを滑り降りた。

登りトレースはよく滑るので帰るのが楽だ。多少のアップダウンもストックで漕げば難なく進める。ただ、スピードが出るのでボードだと怖そうだ。スキーだから平気だけど、ボードで来ていたらまた木にぶつかっていたかも。

車には15時半に無事に到着。この日も長い山行だった。距離も16 km。滑ったのが北面とはいえ、たっぷりと山スキーをした気分だ。

Rが空腹で機嫌が悪いので、温泉はスキップしてじゅんまで直行。ところが、なんと長崎ちゃんぽんは売り切れで皿うどんしかないらしい。仕方なく、みんなでびっくりドンキーへ行くことになった。肉が食いたい気分なのでオーケー。ちょっと欲張ってチーズバーグカレーで2日連続カレーにしたのは、きっとモービラーのカレーの匂いを嗅いだからだろう。たまたまディッシュサラダが半額で50円得してmsrnが喜んでいた。

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ちなみに、無意根山は支笏洞爺国立公園の乗り入れ規制地域に指定されているので、スノーモービルの乗り入れは原則禁止だ。つまり、無意根山でカレーを食っていたモービラーたちは罰則の対象となる。自分たちが下山している頃、同じ北面でハイマークをして遊んでいた。北海道には無意根山の他にもスノーモービルが入れない地域があるので、見かけたら今度から通報するようにしよう。

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