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イラク占領とアメリカの犯罪 報告1

5/22(月)に行われた平田さんの講演の内容を自分なりにまとめた。

イラク戦争は終わったと思うか?
2003.5.1にブッシュは終結を宣言したが、当時の米兵の数は15万人。現在も15万人でほとんど減っていない。米兵の死者数も、2003年に485人、2004年には倍の846人。2005年も約800人の死者が出ており、事実上戦争は続いている。

イラク戦争終結宣言後、アメリカはテロ撲滅戦争、あるいは、テロ掃討作戦を開始した。目標となったのはスンニテロトライアングルと呼ばれる地域だった。代表的な場所には、ファルージャがある。ファルージャは、米軍が小学校を占拠した時にデモが起き、米軍がデモに対して発砲して死者が出たため、米軍への抵抗が起こったところだ。そのため、テロの根拠地とみなされている。ここは今、シーア派とスンニ派の内戦状態にあるが、この内線を仕組んだのはアメリカだった。

イラクの街には酒屋も立ち並ぶほど、他の湾岸諸国に比べてかなり宗教的にフリーなところだ。また、シーア派とスンニ派の男女で結婚するほど、お互いに仲が良かった。ところが、アメリカの占領支配下で宗派間の対立が生まれ、互いに脅迫してイラクから追い出そうとするようになってしまった。

平田さんがインタビューしたバグダットに住んでいた学生は、ヨルダンへ逃げた。イラクから避難する場合、イラクとの間に山があるトルコにはまず逃げない。また、シーア派でなければイランにも逃げない。そこで、バグダットから約1,000km離れたヨルダンへと逃げるイラク人が多い。ヨルダンは約800万人の人口のうち70%がパレスチナ人で、そこへイラクから100万人の避難民が押し寄せて、ヨルダン人は非常に神経質になり、避難民への締め付けが厳しくなっている。避難民が4人集まると、警察がやって来る。

バグダットは夜間外出禁止令が出ており、その時間帯に家の外に出ているとテロリストとして射殺されてしまう。その学生は、夜間外出禁止令が出ていない日中に大学へ向かうが、バスは攻撃の対象になるので、自家用車に学生が相乗りする。そこで、朝はまず大学への往復に足りるガソリンがあるかどうかを確認する。なぜなら、パイプラインが破壊されて、ガソリンがほとんど手に入らなくなっているからだ。戦前はガソリンは水より安く、1円/lもしなかった。たくさんの若者が自動車に相乗りして米軍の検問所に来ると、アメリカ軍兵士はテロリストだと思って誤って発砲することがある。彼らには、先に撃たなければ撃たれるという感覚があるからだ。

もう一人インタビューしたのは、ホーラテレビに勤めるキャスターだ。彼は以前イラクのテレビ局に勤めていたが、当時の給料は10ドル程度。一方、アメリカによるアラブ放送を行うホーラテレビの給料は1000ドルもする。彼には売国奴になっている自分への良心の呵責がある。


このあとに映像と解説、質疑応答が行われるが、その内容は改めて報告する。

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