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グッドナイト&グッドラック

昨夜から札幌は雨なので、今日は映画へ。

ジョージ・クルーニー監督の「グッドナイト&グッドラック」は、第78回アカデミー賞主要6部門にノミネートされながら、ことごとく受賞を逃した。共謀罪創設のための「組織的犯罪処罰法改正案」が強行採決されようとしている今だからこそ、ぜひ見ておきたい映画だ。

映画の舞台となる1950年代のアメリカは、ジョセフ・マッカーシー上院議員の“赤狩り”の恐怖が広まっていたという。日本でも戦前・戦中には治安維持法によって、多くの人が共産主義者のレッテルを貼られて逮捕・拷問されて亡くなったことは誰もが知るところだ。治安維持法は、当初共産党員を取り締まるためのものだったが、その後政府のいいように拡大解釈されて、社会主義者や自由主義者まで思想に関わらず、政府に反対する意見を述べる人間は手当り次第に投獄された。有名な例としては、今年2月に横浜事件の再審が免訴となったことは記憶に新しいだろう。証拠をでっち上げて拷問で自白を強要され、有罪判決を受けたままにされている。

共謀罪が成立すれば、一緒に飲んだ友達が反戦集会に参加していたことを理由に警察へ逮捕されることになるかもしれない。「座り込みの打ち合わせをしていたんじゃないのか?」と言われて。

おそらく公安の定義では、私は共産党シンパ扱いされそうなので、共謀罪成立後は私と面識のある人たちは注意した方がいいかもしれない。もちろん共謀罪成立阻止を目指すのが一番だが。

映画に戻ると、全編に流れるジャズが非常にいい。ダイアン・リーヴスが歌うオリジナル・サウンドトラックは、第48回グラミー賞ジャズ・ヴォーカル部門を受賞しているそうだ。エンドクレジットが終了するまでトイレを我慢して聴いていた。今度久しぶりにSlow Boatへ行ってこよう。



Music

「グッドナイト&グッドラック」オリジナル・サウンドトラック


アーティスト:サントラ,ダイアン・リーヴス

販売元:ビクターエンタテインメント

発売日:2006/04/19

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コメント

>共謀罪が成立すれば、一緒に飲んだ友達が反戦集会に参加していたことを理由に警察へ逮捕されることになるかもしれない。「座り込みの打ち合わせをしていたんじゃないのか?」と言われて。

→十分あり得ると思うよ、これ。共謀罪は現代の治安維持法に相当するもので、すべての国民を政府の見解に従わせようとする乱暴な法案だ。その点で、国旗国歌法と似ている。学校で君が代を歌わないだけで、逮捕されたり、生徒が歌わないのは親、教師の責任だということで、その子の親や家族、あるいは学校の先生が逮捕されることも、解釈によっては可能なのだ。ある子どもが「小泉バカやろう」と落書きしただけで、その子の学校の先生が”子どもに反体制の思想を教えた疑い”によって、逮捕されることもある。信じられないかもしれないが、共謀罪の適用下では、このように拡大解釈に歯止めがかかっておらず、疑いだけで逮捕されることが起きるのだ。今、政府は、こうした具体例を国民の前に示して議論することなく、テロの脅威ばかりを宣伝して、共謀罪成立を推し進めている。国民の目を欺けてでも成立したい法案、それが共謀罪法案である。治安維持法下では、逮捕だけでなく、拷問も行われ多くの罪のない人々が当時の政府によって殺された。このような歴史の同じ過ちを繰り返さないためにも、共謀罪の成立をなんとか阻止したい。

映画についての批評をここに見つけた↓
http://www.global-g.jp/ronkou/yamaguchi20060609.html

投稿: JO | 2006年6月20日 (火) 17時28分

JOくん、コメントどうも。

共謀罪は廃案ではなく継続審議だから、少しも気を抜けない。秋の通常国会までに、できる限りたくさんの人に共謀罪の危険性を知ってもらうことが大切だと思う。

批評については別エントリーをこっちに作ったよ。
https://freeride.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/post_32dd.html

投稿: H本 | 2006年6月20日 (火) 22時13分

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 映画の本質とは関係ないが、1950年代のテレビキャスターはタバコをふかしながら、カメラに向かってしゃべっていたんだ、とやけに気になった「グッドナイト&グッドラック」(ジョージ・クルーニー監督)。今では考えられないほど、放送局は紫煙いっぱいの世界だったの....... [続きを読む]

受信: 2006年5月29日 (月) 15時35分

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