強制しなければ学級崩壊が起こる
今朝のNHK 日曜討論は、「深刻な学力低下」という司会の言葉で始まった。このように、メディアが「学力低下」の危機を煽ることで、世論に「教育基本法改正」の必要性が植え込まれる。メディアは、どの程度「深刻」かを示すべきだろう。
この番組に、自民党からは元文部科学大臣 町村信孝 衆議院議員が出席していた。いつもながらの過激な発言に驚かされつつも、本音が出てくるだけ他の与党議員に比べて質がいい。
正確には覚えていないが、「教育には強制が必要だ。強制しなければ学級崩壊が起こる」といったような発言をしていた。強制すれば学級崩壊がどうしてなくなるか分からないが、とにかく教育現場で強制したいことは伝わって来る。
「教育基本法改正」の最も大きな問題は、この「強制」、つまり教育の国家統制を法制化することだ。たとえ、愛国心が教育基本法に明文化されても、教育現場での強制を合法化しなければ、原則としては愛国心を押しつけることができないはずだ。
しかし、現実には東京都のように、国旗・国歌の強制が行われている。つまり、法律に明記されたら最後、強制の立派な口実にされてしまうことになる。
フィンランドの教育で大きな成果を上げていることの一つに、子どもが何かをやりたいと思うまで待ち、強制はしないという、子どもの自主性を尊重する姿勢があげられるようだ。「フィンランド教育原理主義」に陥ってはいけないが、これまで教育に強制を導入し、それを強化することで失敗してきた日本の教育行政は、しっかりと見直されるべきだろう。
変えるべきは、教育基本法ではなく、教育に不当な支配を続けた教育行政だ。
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コメント
はじめまして。いろいろ検索していたら「ただ乗り」のブログに辿り着きました。政治に関する記事など、なかなか面白く読ませて頂きました。管理人さんは大学生でしょうか?私は、政治・国際社会に興味を持つ20代後半の若僧です。講演会の情報交換や政治に関する話などしたいと思うので、直接メールして頂けると幸いです。よろしくお願いします!
投稿: 仁 | 2006年5月21日 (日) 22時34分
仁さん、コメントありがとうございます。
私は20代末期の大学院生です。
メールで直接ということですが、私がブログを始めた動機は、これまで友人とメールや直に会って議論していたことをオープンにして、少しでも議論を広めていろいろな人の意見を聞いてみたいということでした。ですから、仁さんにコメントをいただけて大変うれしく思いますが、仁さんとのお話もオープンにしたいと思います。私の拙い文章に、厳しい指摘や批判をいただけると幸いです。もちろんプライバシーに関わる場合は、メールを直接お送りします。どうでしょうか?
投稿: H本 | 2006年5月21日 (日) 23時48分
こんにちは。仁です。
どうやら私よりも年上だったようですね。でも、同じ20代で嬉しいです。三十路は何月からですか?(笑)
すいません。
了解しました!基本的にはコメントに書き込む形にしたいと思います。
ただ、多少プライベートに近いお話しもしたいと思うので、迷惑でなければ一度メールを送って頂けませんか?私自身の自己紹介も少ししておきたいと思うので。
投稿: 仁 | 2006年5月22日 (月) 22時39分