一度で七度おいしい映画
天気も悪いし、映画「それでも生きる子供たちへ」の上映が最後だったので、シアターキノへ行って来た。
一度で七度おいしいと貧乏人根性が出たけれど、立て続けに7本の短編を見るのはしんどい。それぞれの映画にメッセージがあるのに、間を置かずに次の物語が始まってしまう。余韻に浸っている時間もなかった。それでも、7人の監督がそれぞれ違った表現をしているので、ひたすら悲しみに突き落とされるということはなかった。
ビリーとジョアンがよかった。幼い兄妹が強かに生きる姿が頼もしく映る。彼らが帰って行くスラム街の向こうにそびえる高層ビル群を映しながら映画が終わる。ブラジルの光景が日本のものにもなるのか。
他の映画にも共通していることは、大きな経済的不平等(格差ではない)だと思う。日本では「格差(実際には不平等)はあっても仕方がない」という考えがメディアを中心に形成されていた。けれど、自公政権による消えた年金問題や詐欺まがいの増税で、多くの日本人も経済的不平等への危機感を少しは自覚したのかもしれない。メディアが今回の参院選をお祭り騒ぎに仕立てたという見方もあるけれど、騒ぎの中から学んだ人間が少なくないことに期待したい。
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