皇帝
「小田実 遺す言葉」を見ると、ベートーヴェンの曲が流れていた。ここ数年は執筆する時にピアノ協奏曲「皇帝」をかけていたそうだ。
番組の冒頭、小田実の棺を見送る人たちが行進しながら歌う「We shall overcome」を聞いて、一緒に見ていた団塊の世代の母親はその歌を口ずさんでいた。そういう時代だったのだろう。
実は、小田実が去年亡くなるまで彼のことをほとんど知らなかった。しかも、この番組を見て作家だったことを初めて知った。憲法9条は好きでも、9条の会をよく知らなかったというわけだ。享年75歳ということで、60年安保の人なのかと思ったら、アメリカに留学していて日本にはいなかったようだ。それもあって、ベトナムに平和を!市民連合(べ平連)に参加したという話があった気がする。やはり、著作を読んでみよう。病床で窶れ確実に死に近づいて行くにもかかわらず、最後まで語り続ける姿には心撃たれた。
そんな彼が聞いていたベートーヴェンは、10年近く前に友人からバックハウスのピアノソナタ全集を借りて聴いたことがあった。けれども、別の友人の影響で、それからはもっぱらフランソワのショパンばかりで、ベートーヴェンを聴くことはなくなっていた。それが、去年は「のだめカンタービレ」やJasminの影響もあって、バックハウスのCDを買っていたので、小田実を偲ぶつもりで「皇帝」を聴いた。なのに第一楽章を聴いて思い出したのは、「彼氏彼女の事情」だった。第二楽章を聴いて思い出すのもどっちかというと「Dead Poets Society」だ。どうも、この曲は自分にとって小田実と相性が良くないようだ。
ベートーヴェン : ピアノ・ソナタ全集
アーティスト:バックハウス(ウィルヘルム) |
ベートーヴェン:P協奏曲第4番・第5番
アーティスト:バックハウス(ヴィルヘルム) |
彼氏彼女の事情 VOL.1
販売元:キング |
いまを生きる
販売元:ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント |
番組の後半で小田実の棺を乗せた車を拍手で見送る姿が不思議だった。「よくやった」ということなんだろうか。「皇帝」は今後自分にとってどんな曲になるだろう。って何が言いたいんだか。
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