今月のクイズ
「リンゴの街」の復刊第54号に載っていた「今月のクイズ」をやってみた。たまたま答えが合っていて気分もいいし問題も面白いから、転載しておくので読んだ人は挑戦してみよう。
<今月のクイズ>
今冬の灯油の高騰には、北海道に住むものにはほんとうにこたえます。高いからといって使わないわけにはいきません。重ね着をしたり、夜早く寝たりなど、いろいろ工夫していますが、家計にどっしりとのしかかっています。
一方、インド洋で米軍などの艦船に、税金を湯水のように使って、ただで給油した燃料は49万キロリットル、225億円にも上ります。
これを庶民の生活にまわしたら、石油高騰に苦しむこともなかったでしょうに。
ところで、この49万キロリットルの石油を、道内全世帯に配布したら、1世帯あたりどれくらいの量が配布出来るでしょうか。次の中から選んでください。
A 500ミリリットル、ペットボトル1本
B 2リットル、ペットボトル1本
C 18リットル、石油缶1缶
D 200リットル、ドラム缶1本
選択肢はオーダーを訊いているので、物理屋好み。答えを求めるには北海道の世帯数を知らなくてはいけないことは、大体みんな分かるだろう。けど、「北海道の世帯数なんて分からないよ!」っという人は、学習指導要領から脱却出来てないでしょう。で、答えは最後にして、まず自分の解答をさらしてみよう。
まず、北海道の人口を予測して、そこから世帯数を求めることにする。札幌の人口は、だいたい200万人。札幌の次に大きな街は確か旭川で、人口は50万人くらいだったろうか。他は多くてもせいぜい数十万人で、それ以外はいいとこ数千人だと思うので、北海道の人口はきっと400万人くらいだろう。
次に、北海道の世帯で、1世帯あたりの人数は2、3人だろう。ただ、高齢者や若者には一人暮らしが多く、5人の世帯は2人の世帯に比べると圧倒的に少なそうなので、おそらく1世帯あたり2人が妥当なはず。
というわけで、北海道の世帯数は、400万÷2人/世帯=200万世帯くらいだと予想がつく。じゃ、石油の量を、世帯数で割るのだけど、49万は面倒なので50万にして計算すると、50万キロリットル÷200万世帯=0.25キロリットル/世帯=250リットル/世帯と求まる。選択肢で一番近いのはDの200リットル。ドラム缶は身近じゃないけど、200リットルは、だいたい北海道の家では外に置いてある灯油タンクの量だ。合ってたかな?
答えはD 200リットル、ドラム缶1本です。
米軍の艦船などに、ただで給油した燃料、49万キロリットルを道内の全世帯に配布したら、1世帯あたり200リットルドラム缶1本が配れます。何たることでしょうか。
あなたの家庭では200リットルあったら、どれくらい使える灯油の量になりますか。私の家の場合は、風呂、給湯、暖房に使い、月平均30リットル強として半年は使えます。
しかし、新テロ特措法のごり押しで、国民への灯油の配布という夢はついえ去りました。税金の使い方を正せば、石油高騰などで庶民が苦しまなくていい世の中になるのです。
正確な量が分からないので、北海道の統計の値で求めてみる。統計によると、北海道の世帯数は254万5,184世帯で、予想はいい線をいっていた。ちなみに、人口は563万2,133人で、予想よりも案外多かった。そこまで札幌一極集中と過疎化は進んでいないということだろうか。
計算すると、49万キロリットル÷250万世帯=196リットル/世帯となり、確かにDの一世帯あたり200リットルになっていることが分かる。
北海道の地理と生活、日本の外交が一度に学べるいいクイズだ。文科省が総合的な学習の時間を減らしたい理由が分かる。違うか?
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