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雪崩事故を吹き飛ばせ

道新の夕刊の記事。

雪崩事故を吹き飛ばせ 深雪コースの開放狙う
 後志管内ニセコ町のニセコ東山スキー場が国内唯一というダイナマイトを用いた雪崩コントロールの実験に取り組んでいる。滑走禁止区域の沢で意図的に小規模な雪崩を発生させ、予期しない大規模な雪崩を抑止。パウダースノーを求めコース外に出るスキーヤーなどによる雪崩事故を防ぎ、ニーズの高い深雪コースとして開放する道を探る試みだ。(2008年1月29日 道新夕刊)

滑走禁止区域「水野の沢」でのアバランチコントロールは、今期は12/16から始まり、営業開始の午前8時半まで毎日行われているそうだ。以降も同記事の引用。

 「水野の沢」は、1990年と92年に滑走が原因とみられる雪崩で、計3人が死亡。犠牲者は出なかったが、99年にも大規模な雪崩が発生している。同スキー場の上原子次郎支配人は「立ち入り禁止にしても勝手に入る客を止めるには限界がある」と言い、2004年度から雪崩コントロールの実験を始めた。

東山スキー場のゴンドラ下の沢の名前が「水野の沢」というらしい。ニセコローカルルールでも「完全立ち入り禁止区域」に設定されている。けれど、この完全立ち入り禁止区域を滑走しても、リフト券を没収されるだけのようだ。確かに、これなら、オージー、日本人に限らず、パウダースノー並みに頭の軽い客が勝手に完全立ち入り禁止区域に入るのを止めるには限界がありそうだ。イラク並みに、ロープをくぐったら後ろから狙撃するくらいじゃないと。

 地元で毎日雪崩れ情報を発信しているニセコ雪崩調査所の新谷暁生代表は「水野の沢は危険個所が特定され、十分雪崩を抑止できる。道は観光振興という割に、事故時の責任論ばかりで話が進まない」と指摘する。
 上原子支配人は「従来のやり方ではスキー客のニーズについていけない。解放すれば危険なコース外に行く人も減る」と訴え、来期の開放を目指して道と折衝する考えだ。

今、道はサミットのことしか頭にないだろうし、責任を果たすよりも責任を回避するのが仕事の役人たち相手では、道有林である水野の沢をコースとして解放するのはきっと大変なことだろう。ただでさえ、高橋はるみの失政で北海道の景気は冷え込んだまま。給与カットまで延長された道職員は、これ以上何かで給与を減らされたくないだろう。まあ、あくどい民間よりもせこいだけの役人の方がまだ質がいいけど。

Niseko TVPodcast版)でインタビューを受けたCaptain Nomuraが「今事故が起きますと、すべてが水の泡になりますので、皆様には絶対入られないようお願いいたしたいと思います」と話していた。水野の沢を滑りたいと思っていても自殺願望のないパウダージャンキーは、彼らの努力を見守って来シーズンを待て。自殺したくても山は止めて練炭にしとけ。

水野の沢を含めたアンヌプリの完全立ち入り禁止区域については、野遊び帳に写真入りで解説してある。

ニセコ東山スキー場が水野の沢にこだわるのは、ここに生き残りをかけているからだと思う。ヒラフやアンヌプリに比べて狭いコース。大きな沢で両スキー場に挟まれていて、滑走可能なスキー場エリア外に出ることができない。多くの客がニセコにパウダースノーを求めてくる以上、そのニーズに応えるには、完全立ち入り禁止区域を開放するよりいい方法が見つからなかったのではないだろうか。

とはいえ、「水野の沢コース」になるのか、あくまでエリア外としてゲートが設けられるのか。アバランチコントロールによって滑走可能になったとして、悪天時に封鎖されたゲートやロープをくぐる客を止めることができないのだから、ルールを守らない客にどう対応するのかという根本的な問題は解決できないように思う。結局は、雪崩の危険性を理解させ、ルールを遵守するようにしなければダメだ。

ところで、最初、新谷代表が「アリュート・ヘブン」の著者だと気付かなかった。むしろ、船木さんとモンブランに行った新谷さんかと思ったくらいだ。この機会に本棚に眠っていたアリュート・ヘブンを取り出した。

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