スキーシーズンが終わったので、「軽く山へ行きませんか?」というS木くんからのメールで夏山シーズンがスタートすることになった。「軽く」だったはずが、決まった計画を聞くと、いつのまにか浜益の黄金山に登った後に釣りをすることになっていた。釣りは自分から積極的には行かないものの、小さい頃から父親に連れて行かれていたので、エサの準備をして投げて釣り上げるまでは一通りできるはず。ただし、釣り竿だけでリールを持っていなかったので、前日に父を訪ねてリールのお下がりをもらって来た。
朝、ばか親さんを拾ってから7時にOS木邸を出発。ばか親さんから、最初は山に登って山菜を採ってバーベキューをするという計画を軽くした結果、登山と釣りになったと聞く。どちらにしても、「寿司と焼肉を一緒に食べるようなものだ」というたとえ話を聞いて納得。黄金山へ行く途中、石狩街道沿いのフィッシュランドで釣り糸とエサを調達した。980円でリールが売っていたのには驚く。せっかくなので、折りたたみの椅子を買った。どうせ釣れないので、これでのんびりできるだろう。
道路はそれなりに混んでいて、浜益へは9時過ぎに到着。右手には標高の割に不自然なほど山っぽい形をした浜益富士こと黄金山が見えて来た。内陸に入ってから、浜益温泉を過ぎて橋を渡ると左手に登山道へ通じる林道の標識が現れる。登山口へは4 kmだった。結構ボコボコした林道をひたすら走ってようやく駐車場に着くと、すでにほぼ満車だった。駐車スペースは3台分残るのみ。混んでいるのにも驚いたが、それ以上に、先客の人たちの周りに飛び交う虫の量に驚いた。車から降りるのが躊躇われる。みんな急いで準備をして、虫除けスプレーをかける。O以外は肌を出さないように気をつけた。立派なトイレで用を足した後、入山届けに記帳した。ちょうど降りて来たおばさんは、蚊帳?を被っている。聞くと、やっぱり登山道はずっと虫がひどいらしい。
いよいよ出発。
意を決して9:30に登山口を出発。小鳥のさえずりや虫か何かの鳴き声を聞きながら進むと、すぐに小川が現れて、それを渡る。しばらくすると、新道と旧道との分岐に着く。リーダーのOに従い、旧道を着いて登って行く。
ちょうど777 m。
旧道は人も少なく、道に沿ってずっとスミレが咲いていた。けれど、ここら辺から虫の数が増えて攻撃が激しくなる。じっとしているとどんどん集まってくるので、花を見るのも程々に、時にはダッシュも交えて早足で登る。
しばらく歩くと、林の切れ間から黄金山の山頂が見えた。山頂は岩だった。
虫に追い立てられながら登っていると、いつの間にかスミレに混じって白い花が見えるようになった。
ヒメイチゲ。
タチツボスミレ。
高い露出度で虫を呼ぶ。
ニリンソウ。
頭上から鳥の鳴き声が聞こえたので、耳を澄ませて見上げていると、気にとまっているのが見えた。
キビタキ?よく分からん。
登って行くと、いろいろ花の種類も増えて行く。
エゾエンゴサク?
エンレイソウ。
ザゼンソウ。
手ブレ&ピンぼけだけどフギレオオバキスミレ。
ニリンソウ。
頭上の視界を遮っていた林が切れた頃、目の前には山頂までの急な道が見えて来る。ロープも取り付けられている。
オオカメノキ。
シラネアオイ。
ムラサキヤシオ。
オオサクラソウ。
登りは急なので、なかなか進む速さをかせげない。そうすると、虫がどんどん周りに集まって来る。しかも、ほとんど崖のような場所もあるので、足下に注意して必死で登る。振り返れば暑寒の山々が見渡せるようになっているのに、ゆっくり展望を楽しむこともできない。
壁に張り付いていたらセンボンヤリを見つけた。
崖を登り切ると、新道との合流地点にたどり着く。ここまで何パーティーかとすれ違ったけれど、旧道を下るのは恐ろしい。Oの選択が正解だった。ただ、合流してからも、旧道のような道が続く。
岩場にミヤマアズマギクが。
ヒメギフチョウ?
切り立った前ピークを登り切ると360度の視界が開ける。でも、岩の上でかなり怖い。
ピークに着いたS木くんがガッツポーズ。
さすがに、もう滑れるほど雪は残っていない。
ミヤマアズマギク。
腹が減ったので、ピークでおにぎりを食べた。混んでいたので、OとS木くんは前ピークに戻っていた。
今度はOが変なポーズ。
自分のすぐ横でガサガサ物音がするのでマムシかと思って警戒していたら、トカゲだった。
八剣山にもトカゲがいたっけ。
山頂付近は虫が少なかったので、ホッと息を付けた。もううんざりだった。
キジムシロ。
12時過ぎに山頂を出発して下山開始。虫に食われないように足早に降りた。
クロバナハンショウヅル。
登山道の真ん中に咲いていたフデリンドウ。
何だっけ?
ヒトリシズカ。
笹が茂る緩い下り坂を、虫を振り切るために走ってから後ろを振り返ると山頂が見えた。
しばらく歩くと分岐を通り過ぎて、13時前には登山口に到着した。虫がひどいので、荷物を車に載せて急いで浜益温泉へ向かった。慌てていたせいか、ギアをバックに入れたままだったのを忘れてクラッチを繋いでしまったので、急バックで危うく後ろの柵にぶつかるところだった。危ない、危ない。
浜益富士の駐車場で準備をしていると、ばか親さんが危ない運転で駐車場へ入って来た車を発見。午後から合流予定のH多さんだった。1時間後に温泉でまた落ち合うことにして、登山組は温泉に入った。
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