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08/6/8 春香山

YOSAKOIの喧噪を避け、ばか親さんに春ちゃんが生まれた記念に春香山に登って来た。ルートや地図はばか親さんとS木くんに任せ、桂岡コースを登ることになったので、7時にいつものようにばか親邸、S木邸の順に回って登山口を目指した。

実は1週間ほど車が生ゴミ臭かった。ばか親さんに訊いてみると、珍味のような臭いがするという。札幌はまだ暑くはないので窓を開けて走ったのだけど、臭いはいつまで経ってもなくならない。それでも人間の身体はよくできたもので、春香山の登山口に付く頃には異臭にも慣れて気にならなくなった。

桂岡コースの登山口前には、車3台ほどのスペースがあるだけだったので、その側の林道沿いに車を停めた。自分たちの車を含めてもまだ5、6台しか停まっていなかった。雨は降っていないけれど、空は曇っている。黄金山ほどではないけれど、仕度をしていると今度は蚊が寄って来るので、各自虫除け対策をしてから、空が晴れることに期待して8:10に登山口を出発した。

林道歩きをしばらく続けると、林道が続く左が銭天で右が春香山の分岐に着く。林道は前日の雨で濡れていてグチョグチョしていた。

雨上がり

タニウツギ
タニウツギは濃いピンクの蕾の方が目立った。

道端の小さな花を眺めながら単調な登山道を登って行くと、針葉樹が立ち並ぶ区間があった。ここら辺は涼しい。

針葉樹の林を抜ける

春
ハナウドゾウムシで合っているだろうか?

薄暗い針葉樹の林を抜けると少し明るくなり、オオバナノエンレイソウの実がいっぱい並んでいた。もう少し早い時期にくれば、白い花がきれいだったにちがいない。

オオバナノエンレイソウの果実

エゾスジグロシロチョウ
エゾスジグロシロチョウだと思うのだけれど、はっきり分からない。

林の中はジメジメしていて、カメラを構えてじっとしていると蚊が寄って来ていっぱい食われた。


ホウチャクソウ、ヒメイズイ、ワニグチソウ、ミヤマナルコユリ、オオアマドコロ、オオナルコユリなど、似ている花が多すぎてどれか分からない。

これといったイベントが全くない単調な登りにはすぐに飽きた。

単調な登りに飽きた

ハクサンチドリ
思っていた以上にハクサンチドリはいろんな山で見かけるようだ。

ヒトリシズカ

山道を登っていると、黄金山のときよりもセミの鳴き声がうるさかった。結構気温が高くて林の中は蒸しているけれど、蚊がいるので肌を出す気にもならない。かなり不快な登りだ。

道端のエゾハルゼミ
足下でゴソッと動いたのはセミだった。

定山渓との分岐の銭函峠を過ぎてからほとんど平坦な道を進んで行くと、突然視界が開ける。山見の丘と呼ぶらしい。丘というほど見晴らしがよくないけれど、春香山の山頂が登山口を出発してから初めて見ることができた。それでもテンションが上がらない山だったのには驚いた。

山見の丘で小休止

春香山と雲間の青空

山見の丘から少し歩くと、すぐに銀嶺荘の建物が見えて来た。「600円のコーヒーでも出てくるんじゃないか?」と話していたら、本当にコーヒーが400円で飲めるらしい。それもそのはず、銀嶺荘の脇には軽自動車が停まっていた。車でも登れる山だと知って、ばか親さんは一気にテンションが下がったようだった。

銀嶺荘

いくらテンションが下がっても、ここまで登ってピークまで行かなかったらバカバカしいので、気を取り直して残り30分の登りにかかった。

シラネアオイの道


何かのハチ?

ジグを切ってる山道を登っているとき、ばか親さんがリスがいるのに気付いた。人に慣れているのか、近づいて行ってようやく逃げた。

エゾシマリス

たまに笹薮が切れて下界を見下ろせるようになる。

銭天
これが銭天?

一瞬の岩登り
唯一の難所?

歩き続けていると、少し開けた場所に着いて、何人か座って休んでいた。どうやらここが山頂のようだった。拍子抜けしてしまった。銭函側の半面しか眺めることはできない。その銭函側も、雲のせいで遠くまで見渡せない。石狩の海岸線の曲線が途中まで見えるけれど、増毛の方は真っ白に霞んでいた。春ちゃんのために登ったんだと自分を納得させる。登りは2時間半かかった。

山頂からの半分展望

写真を撮ろうにも、油断するとブヨがバッチリ入ってしまう。

ブヨ天国の春香山山頂

登頂記念写真

登頂記念写真2

30分ほど山頂で休んでから11時過ぎに下山を開始した。山頂へ来る途中に一カ所だけ反対側が眺められた場所からは、雪が少しだけ残る余市岳?が見えた。

残雪がほんの少しの余市岳

視線を少し左へ移すと、今度は手稲山も見える。

手稲山を望む

下山し初めてすぐに、ガイドが先導する中高年の団体さんとすれ違った。山頂でおじいちゃんたちが「今日はもうこれで終わりかな?」とかと話していたのは全然はずれだった。その団体さんの次も小学生くらいの子供を連れた親子や、「こども会?」のような女子供の団体も登って来た。中高年ばかりか女子供も登る山だと知って、ますますテンションが下がるばか親さんだった。

一方で、トレイルランニングの気合の入ったおじさんともすれ違った。唯一の岩登り個所ですれ違ったのに、気付いたら銀嶺荘に着く随分前で追い抜かれてしまった。

スミレロード

たまに青空から陽射しが

銀嶺荘を過ぎると、とにかく退屈な下山が続いた。途中に滑りやすい場所もあったけれど、ずっと林の中で景色がないので、全然楽しくない。黙々と降りた。

銭函峠までのダルい道

短い休憩1回を除いて、休みなしに降り続けると、1時間半で登山口に戻った。そして、車のドアを開けると、やっぱりあの生ゴミというか珍味というか変な臭いがする。とりあえず汚れた靴を履き替えて荷物を車に積んでから、犬のように車の中を嗅いで回ってみた。後部座席の足下にもそれらしい臭いはない。そこで、ラゲッジスペースを見ると、登山の道具以外で気になるのは発泡スチロールの箱だけだった。

恐る恐る蓋を開けてみると、濃密な異臭とともに、中には怪しげなビニール袋の包みが見えた。そうだ。これは、2週間前に浜益で釣りをしたときに残ったエサのイソメだった。間違いなく腐ったイソメが臭いの発生源だと分かったので、「どうしてこんなものが残っているのか?」なんてことも考えずに急いで蓋を閉めて、窓全開で車を走らせて温泉に向かった。そんなわけで、ばか親さんによってレガシィは「熟成イソメ号」と命名されてしまった。

ちなみに、今回も身体のあちこちを虫に食われた。左手の中指に掌、腕、右手の小指と中指に手首に腕。左のこめかみも食われたし、山頂では右の足首辺りを三カ所ブヨに食われた。身体に染み付いたイソメ臭が虫を寄せ付けたのだろうか。熟成イソメを釣りで使ったら、意外によく釣れるのかもしれない。

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