08/8/9 芦別岳
8/9は長崎の日だけど、先週雨で行きそびれた芦別岳へえすきくんと。今回は日和って札幌を4時に出発。土曜日だからなのか、岩見沢から富良野までの道路は空いていた。ところが、予報では晴れだったのに、三笠付近は曇っていて路面も濡れている。三笠を通るときはいつも不安をかき立てられる。
富良野には6時前に着いたので、いつも寄る北の峰のセイコーマートはまだ営業してなかった。市内のセブンイレブンに寄ってから、国道を離れて夕張山地の麓を走る。芦別岳の鋭いピークがもう見えてもいいはずなのに、山頂あたりは雲を冠っていて見ることができない。旧道から登る予定だったので、山部自然公園の脇を通って、林道入口のポストにある入山届に記入した。先行グループは2つ。林道をそのまま登山口まで進んだ。狭い駐車スペースには車はない。ここにもポストがあって、一応入山届に再度記入した。ここにも先行グループが2つ。みんな旧道から新道へ回るルートだった。
テーピングに手間取って、登山口を出発したのは6:40。えすきくんには悪かったけど、ハードな山道だったので、ここでちゃんとテーピングをしておいてよかったと思った。登山口からすぐに変化に富んだ山道が続いていた。ユーフレ川の川原を歩いたかと思えば、高巻きの急なアップダウンが迫って来る。斜面に張り付くような登山道の左側は、ユーフレ川に落ちている。すると次の瞬間、先を歩いていたえすきくんが足を滑らして、木に両手でぶら下がってしまった。幸い木にしっかりつかまっていたので、落ちずに済んだ。リポビタンDのCMを思い浮かべた。
登山口付近からずっと、トリカブトに形が似ているけど色の淡い花が咲いていた。
足下に目を凝らすと、小さな花が咲いていた。エゾタツナミソウ。
高巻きのようなアップダウンが当たり前だったので、えすきくんの後を着いて登って行ったけれど、かなり道が急で、あまり人が歩いた形跡がない。上からずり落ちて来たような土砂が道を作っている。どうも怪しいので、足下を注意しながら戻ると、案の定、川原の方へ薮に隠れた道が続いていた。さすが旧道。うっかりしていると登山道を見失って迷ってしまう。ここで結構体力を消費した。
それからしばらく歩いて行くと、夫婦沢の渡渉ポイントにたどり着いた。丸木橋があるけれど、水量が大してないので、素直に歩いて渡った。リポDえすきはためらうことなく丸木橋へ。
ここらへんは、本谷からの本流が轟音を成らして、すごい勢いで流れ落ちている。流れは左右に向きを変えながら、何段も落ちていた。実際の向きこそ逆だけれど、白い龍が天に昇って行くように見える。白竜ノ滝とはよく言ったものだ。
さらに少し進むと、ユーフレ小屋分岐にたどり着いた。8:10。予定コースタイムを10分ほどオーバー。まだ1時間半しか歩いていないけれど、すでにかなり疲れていた。ここで休憩をとったけれど、白竜ノ滝の轟音でまわりの音が聞こえないので、熊が出て来たらと思うとちょっと恐かった。
ここまで白竜ノ滝が続いているのだろうか、同じような流れが続く。
登山口を過ぎてから時折のぞく青空が段々広くなって来た。天気がよくなるとテンションも上がるけど、標高がまだあまり高くないので蒸し暑くなって来た。陽射しも強くて暑い。疲労が増す感じだ。
疲れていたのでこまめに休憩をとりながら登っていた。休憩で空を見上げると、夫婦岩と思われる大きな岩が木の陰に見えるようになって来ていた。そろそろ夫婦岩分岐が近いようだ。
もう一息がんばって登ると、壊れた標識を見つけた。「夫中旧」?下に落ちた部分と繋ぎ合わせると、右が「旧道コース、中央ルンゼ」で、左が「夫婦岩」らしかった。ここで9:20。出発から2:40。コースタイム通りに戻った。もうしばらく登ると尾根に出るはずだ。
夫婦沢の左岸を登ってから、草の生い茂って水が流れる道を登って行く。その後、大きな迫力で迫る夫婦岩を左手に眺めながら、少しずつ標高を上げて行くと、尾根の方の部分に出た。振り返ると正面に夫婦岩が座っている。その夫婦岩を眺めながら休憩をとった。もうバテバテ。山頂まではまだ3時間以上も歩かなきゃいけない。全行程の1/4しか来ていないなんて、今までのお手軽登山では考えられない。しかも、これから北尾根のキレットなどの核心部分が控えている。山頂までは全然気を抜けないので、精神的にも疲れる。それでも、青空が広がり日が照っている割合が増えて来たので、元気は出る。
稜線に出るまでは、緩くなった登りをしばらく進む。登山道沿いにはいくつかの種類の花が咲いていた。
そして、ようやく稜線に出ると、今まで見ることができなかった西側の展望が広がる。正面には白い崖がむき出しになって並んでいる崕山の独特な山肌が見えて、とても印象的だった。
芦別岳の山頂まではいくつかピークを越えて行かなければいけない。最初の大きなピークまでは、予想外に笹の薮漕ぎが待っていた。やっぱり旧道は登山客も少ないためか、整備が行き届いていない。そこがいいのかもしれないけれど。
最初のピークに到達したときは目の前に芦別岳の鋭いピークが見えたけれど、休んでいるうちに写真を撮る前に雲に隠れてしまった。疲れて写真どころじゃなかったけど、これに懲りて次から休憩する前にまずは撮るようにした。そして再び歩き出すと青空が広がって来て、鋭いピークは一段と際立つ。
エゾノホソバトリカブトは場所によって色の濃さにばらつきがあったけれど、ここでは真っ白だった。エゾノホソバトリカブトじゃない?
次のピークまではまた花漕ぎがある。今度はヤナギタンポポやチシマアザミ、シナノキンバイも咲いていた。
ピークにようやく登り着いても、芦別岳の山頂は険しい稜線を挟んだ遠くにある。ここを下るとキレットだ。
キレットを越えて後ろを振り返ると、せっかく稼いだ標高がキャンセルされてるのに愕然とする。これは疲れるわけだ。しばらくは道の両脇がほとんど崖になっているところを進む。足を滑らすと生きて帰って来れなさそう。
ここだけにエゾカワラナデシコが咲いていた。側が踏み荒らされていて痛々しかった。
険しかった北尾根を越えると、山頂の手前に小さなお花畑が広がっている。綿毛になったチングルマもあったので、きっと花の季節はきれいなのだろう。今は、夏から秋にかけての花が咲いているけれど、数は多くない。
山頂直前の登りにはエゾルリソウが咲いていた。富良野岳よりは小振り。
山頂直前はちょっとした岩登りだった。登るのはまだいいけれど、下りたくはないコースだ。傾斜はそれほどではないので、足場をちゃんと確認して登れば問題ない。
山頂に着いたのは13:10。登り始めから6時間半。本当に長く険しい道のりだった。
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