広島の日
今日は8月6日、広島の日だ。今年も朝のNHKニュースが中断されて、広島平和記念公園からの中継が入った。テレビからはセミの鳴き声が絶え間なく聞こえて来る。広島のとても暑そうな夏の朝の様子を毎年テレビで見ている。時間が止まっているように感じてしまう。
平和記念公園へは、5年前に一度だけ行ったことがある。岡山での学会へ参加した後、広島に住む友人を訪ねたときに連れて行ってもらった。そのときに広島平和記念資料館を見て回った。それから原爆の子の像の前を通り、原爆ドームをこの目で見た。ちょうどこの前の月に折り鶴放火事件が起こったためか、像のまわりで作業が行われていた。暑い夏の夕方、薄暗い中に原爆ドームは佇んでいた。初めて訪れた平和記念公園一体からは、何かまわりとは別の空気が感じられたのを覚えている。
広島の日の今夜、NHKスペシャル「見過ごされた被爆」で原爆症についての番組が放送された。国に都合のいい認定基準を作って、原爆症患者の数を少なく抑える手口は、水俣病や他の公害病、薬害などと同じだと思った。番組では、原爆投下から63年後にようやく変わった認定基準について語られた。何のことはない、結局は被爆者の全面救済にはほど遠く、原爆症に苦しむ人たちをまだたくさん置き去りにしたままだった。
差し当たっては、今度イランかイスラエル辺りで核実験があったら、厚労省の官僚には2週間以内に現地に飛んで残留放射線に被曝してもらうのがいいだろう。元気に天下りできたら、認定基準も間違っていないかもしれない。もちろん、被爆者の人たちには一刻の猶予も許されないのだけど。
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