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08/9/4 赤岳-小泉岳

天気予報は晴れ。せっかく休みなので、一人でがんばって銀泉台から小泉岳まで登って来た。

その3日後には同じく銀泉台から赤岳まで紅葉狩りに行く予定だったので、下見のつもりで行ってみた。銀泉台には、4年前の夏に黒岳まで縦走したときに一度行ったきりだ。とりあえず、地図を見ただけでかなり遠いということは分かるので、2時過ぎに自宅を出発した。一人で高速道路は使いたくなかったので、下道を走って行くと思いのほか時間がかかる。旭川まで3時間もかかった。旭川からもかなり長い。国道を走って、銀泉台までの林道に入ると、ちょうど道路整備をしていた。ほどなく対向車とすれ違ったときに先へ行かせてくれたので、そこからは快調に走ったけれど、銀泉台に着いたのは6時過ぎだった。

もうすっかり明るくなっていて、登山としてはそれほど早い時間じゃない。平日とはいえ駐車場にも10台ほど車が停まっていた。急いで準備をして、入山届に記入し、なんとか6:30に銀泉台を出発した。

出発したときは、銀泉台のあたりは霧の中だった。ところが、銀泉台から登山口へ向かう車道を歩いていると、少しずつ明るくなって来て、霧の中に色づいた木々の葉がだんだんと浮かび上がって来た。期待で足取りも軽くなる。

ジグを切った車道を少し歩いてから登山口が現れる。銀泉台のところに登山口がないのが不思議だったけれど、夏山ガイドを後で読んだら、登山口まで歩いて来た車道は、「大雪貫通自動車道」の工事跡らしい。赤岳、白雲岳、北海岳、北鎮岳を経由して旭岳温泉へ抜ける観光自動車道として考えられていたそうだ。気違いも甚だしい。自然保護団体などの猛反対で中止されたそうだが、驚くべきことに、この計画はまだ生きているそうだ。かつて公共事業の見直しとして「時のアセス」が評価された道政は、高橋はるみで間違いなく後退している。

登山口からは、さすがに登山道らしい道になる。それでもしっかり整備されていてとても歩きやすい。中高年が多いのもうなずける。ちょっと歩いて後を振り返ると、向かいの屏風岳などの山々が雲海の上に浮かんでいるのが見えるようになった。さらに歩くと、第一花園の紅葉が広がる斜面が雲海の中へ吸い込まれているのが見えた。ここは紅葉の撮影ポイントなのか、中高年カメラマニアのおばちゃんとおじちゃんたちが、三脚をどっしりと構えて占拠していた。キモイのであっさり通り過ぎた。

第一花園
第一花園の紅葉。

雲海越しに見る屏風岳
雲海越しに屏風岳のきれいな山容が見えた。

もうそろそろ朝陽が雲から現れそうだったので少し待っていると、期待通りに朝陽が明るく紅葉の斜面を照らし始めた。やはり陽射しの中の紅葉は輝きが違う。

朝陽をうける第一花園

朝陽が雲を照らすと、空気が暖まって上昇気流ができるのか、雲が一気に山肌を駆け上がって来て、あたりが真っ白になってしまった。立ち止まってあたりの様子をうかがっていると、だんだんと朝陽が再び顔を出して来た。

雲が駆け上がって来る

第一花園をトラバースして行く登山道からは、東大雪の山並みが雲海の上に見渡せた。

紅葉と雲海と

雲に刺さる針葉樹林
銀泉台がようやく雲から出て来た。

平山と屏風岳
左の平らな平山と右の尖った屏風岩はとても対照的だ。

雲海に浮かぶ石狩連峰
南の方を向くと、雲海の上に石狩連峰が浮かんでいるのが見えた。

第二花園を通り過ぎてから後を振り返ると、平山から連なる山並みに北にニセイカウシュッペ山が見えているのが分かった。よく見ると、向こうでも紅葉が進んでいるようだ。

ニセイカウシュッペ山
ニセイカウシュッペ山。

紅葉したナナカマドの灌木帯を抜けると、正面に奥の平の紅葉が見えて来る。

奥の平

奥の平に広がるチングルマの綿毛が朝陽を浴びて輝いていた。

チングルマの綿毛が輝く

チングルマと空の綿毛


雲の形が印象的だった。


奥の平から見下ろす。

奥の平の坂を上り切ると、コマクサ平の広い平地に出る。ハイマツの間に草紅葉が広がっている。よく見るとコマクサの花も辛うじて残っていたけれど、葉は紅葉しているのか枯れているのか、黄色っぽくなっていた。

コマクサ平から振り返る

コマクサ平の道を歩いて行くと、突然現れる神ノ田圃と呼ばれる小さな湿地を通り抜ける。その後は広いコマクサ平を突き抜ける道を、少し尖った東岳を左手に見ながら歩く。右手にも烏帽子岳の先っぽが遠くに見える。

神ノ田圃

東岳
東岳。


青空を流れる雲と烏帽子岳。


東岳はせり上がって来た雲海に度々飲み込まれる。

思えばずっと休憩も取らずにここまで歩いて来て、突然空腹を覚えた。東岳を眺めながら一旦休憩をとることにした。

休憩直後、少し歩くと東岳の横に見えていた第三雪渓の見事な紅葉が目の前に広がる。

第三雪渓

紅葉に見とれながら登っていると、道の脇から突然シマリスが飛び出して来た。じっとカメラを構えて撮っていると、さすがに人懐っこく、全然逃げようとしない。せっかくだからとレンズを交換しているときに離れて行った。

ニセイカウシュッペ山

足下を黒い影が勢いよく通り過ぎて行ったので、青空を見上げてみると、ホシガラスが飛び去って行くところだった。

ホシガラス
ホシガラス。


何の花なのか、紅葉しているようにも見える。

第三雪渓を見下ろす

第三雪渓を登り切ると、東平の緩い登りが続く。

東平から青空を見上げる

東平を見下ろす

東平から第四雪渓の最後の登りを越えると、視界が一気に開けて道の続く先に赤岳の山頂が見えて来る。その奥には北鎮岳と凌雲岳が迫る。赤岳の山頂は実際には標識よりも少し離れているらしいけど。

赤岳山頂奥に北鎮岳と凌雲岳

みんな白雲岳や黒岳へ向けて行ってしまったのか、赤岳山頂は空いていた。岩に登って御鉢平の方の展望を楽しむ。左はすぐ側に白雲岳が見え、そこから少しずつ視線を右に移すと、遠くに後旭岳と旭岳、カルデラの外輪山を経て、北鎮岳、凌雲岳が見える。

御鉢平を囲む山々

白雲岳

白雲岳の裾野
白雲岳の裾野もきれいに紅葉していた。

赤岳山頂でのんびりおにぎりを食べて休憩した。天気が良くて風も気持ちよく、朝早かったものだから昼寝したい気分だった。といっても、まだ10時。わざわざこんなに遠くまで来て、ちょっとだけ歩いて帰るのはもったいないように感じた。そこで、週末に行く白雲岳とは逆に、緑岳の方へ足を伸ばしてみることに決めた。緑岳まで登れば、高原沼を見下ろして、紅葉の様子を確認できるかもしれない。3時間もあれば往復できるだろう。そんなわけで、赤岳山頂を出発して、緑岳へ向けて歩き出した。

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