三番瀬
前日までの陸から打って変わって、この日は海。稲毛から電車とバスを乗り継いで、三番瀬(さんばんぜ)までやって来た。大きな工場や倉庫の間を通ってバスがたどり着いたところは広い駐車場で、まだ干潟の気配がない。少し歩いて海が見えてくると、ようやく干潟だと分かった。潮干狩りに来た親子もいる。
三番瀬環境市民センターの方からアカエイへの注意を聞いてから、履き替えた長靴で干潟を一緒に歩く。足下の小さな砂の固まりと穴は、コメツキガニの仕業だそうだ。畑のミミズのように、干潟を耕す役目をする。
シャベルでコメツキガニを掘り出して、同じ穴に詰め込んでいる人がいたけれど、20匹くらい入れたら穴がいっぱいになってつっかえてしまって、中に入れなかった。穴の深さはそれくらいだそうだ。
干潟にはカニの他にもいろいろな生き物がいる。
けれども、最近は青潮の被害を度々受けるようになってしまった。この日も数日前の青潮のために、たくさんの生き物が死んでしまった。
死んだマテ貝の殻が干潟に立っている光景は、マテ貝の墓標がどこまでも続いているようだった。
最近は、もともとはいないはずの牡蠣が増えて困っているそうだ。牡蠣の殻は大きくて、死んでもなかなか元に戻らない。
干潟にはサギがたくさん食事にやって来ていた。
潮干狩りの客のためにハマグリを播いているそうだけど、三番瀬ではもうハマグリは生きて行けないそうだ。今は埋め立てられてしまった防波堤の奥まで昔は草地が続いていたそうだ。この草地がなければ、ハマグリの稚貝は育つことができない。
干潟を干潟の部分だけで切り取ろうとする乱暴な考え方は、自然の仕組みを全く理解していない役人らしい考え方だ。
三番瀬は周辺も含めて広く比較的自然が豊かだけれど、次に向かったのは、こことは対照的な谷津干潟だった。
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