08/12/14 富良野岳
もともとはえすきくんと二人っきりで富良野岳へ行くつもりだったけれど、えすきくんがH多さんに声をかけると、思いがけず参加希望の返事があった。そんなわけでルスツへ行く前日に急遽3人で富良野岳へ行くことになった。もちろん、決まったときはH多さんはえすきくんの板を借りる予定だったけれど、新兵器を手に入れてテンションも上がったようだ。自分も富良野岳は富良野岳から3年ぶり3回目なので楽しみだった。
朝里岳の失敗がトラウマになっているわけじゃないけど、道具を慎重に用意して出発が10分遅れた割には、途中で時計を忘れたことに気付いて引き返した。さらに遅れてえすき邸に到着し、2人でH多邸へ向かって、そこで車チェンジ。高速道路を使ったとはいえ、そこはさすがにH多さん。30分の遅れをどんどん取り返して行く。札幌で降っていなかった雪も、岩見沢、三笠、桂沢湖と、富良野へ近づくごとに増えて行った。期待が膨らんだけれど、富良野は雪が降っていなかった。十勝岳温泉への道を登って行くと、そんな不安は吹き飛んだ。富良野岳は山頂まで姿が見えたし、新雪も積もっているようだった。
H多さんのおかげで、8時前にはバーデンの前に到着。朝里岳ではシール忘れたので、シールで登るのは今シーズン初めて。何か忘れていないかと思ったら、やっぱりコンパスを忘れていた。のんびり準備して、8時すぎに出発。砂防ダムのところへ下ると、もう水量は減っていて問題なく渡れそうだ。
いきなりの急登でH多さんは苦戦。体力消耗。その後も、トレースを使わずに進んだせいで、雪不足によるヤブ攻撃に3人とも結構やられてしまった。先行者のトレースに復帰すると、次々と後続が登って来た。先に抜いて行ってもらう。H多さんはいつもからは考えられないほどに疲労しているので、3人は犬(Mix)にも煽られながら登った。犬には敵わないので、ちょうど下界が気の間から見下ろせる少し開けたところで道を譲って休憩していると、気配を察したのか、Mixが戻って来た。行動食を取り出したえすきくんに近寄って行く。飼い主の田中パパさん?もやって来た。遅れて田中ママ?もやって来て、二人+一匹で登って行った。さらに遅れて、H多さんが到着。大体1,200 m地点。
休憩を終えてまた登り始めるとすぐに、左側に三段山など向かいの山並みが見えて来た。これから晴れて来ると思うと、テンションも上がって疲れて重くなっていた足取りも軽くなる。
この辺りからは、もうヤブで悩まされることもなく、広いジャイアント尾根をひたすら登って行く。後ろを振り返ると、白銀荘やバーデン、凌雲閣も見えた。
この景色の中を滑れるのを楽しみに登っていたけれど、だんだんと雲行きが怪しくなって来た。標高が上がったからというよりは、天気が変わって風が出て来て寒くなったような気がした。雪もちらついて来た。振り返ると、もう下界は雲に遮られて見えなくなった。徐々に着込んで寒さをしのぐ。
もうダメかと思っていたけれど、少し経つと晴れ間が戻って来た。もしかしたらと期待したけれど、やっぱりもう青空は帰って来なかった。1,500 mくらいまで来ると、雪も飛ばされていてシールが利きづらい。初めてのH多さんは滑り落ちながらで辛そうだ。えすきくんが先へ行ってしまったので、遅れてなんとか待っているところまで登って行った。もう少し登ろうかと思ったけれど、H多さんが辛そうなので、1,650 m付近まで登ったところで滑る準備を始めた。
H多さんの手袋が濡れてビショビショらしかったので交換した。準備はみんなゆっくりで、12時に滑り始め。まだヤブが多いので、開けているところまでトラバースして、それぞれカメラも準備して滑った。H多さんにはビデオカメラの撮影を頼んだ。やっぱり雪が少ないようで、雪が飛ばされていないところはいいけれど、そうでないところは堅い。視界も悪いので、標高を下げるまでは楽しくない滑りだった。
下りて行くにしたがい、重いけれど全体的に均一に積もっている雪になり、滑りやすくなった。
しばらく沢地形をヤブの間を200 mほど滑り下りて、尾根に向けてトラバースしていったら、ノートラックの開けた斜面を見つけてしまった。けれども、さすがに登り返すのは諦めて、渋々帰ることにした。尾根上はヤブが濃いので、まさにナチュラルパーク。滑走面を大分擦ってしまった。登りのトレースに合流してからは、狭いヤブの間を滑り降りて行くのが怖い。一度道を間違って、ポールごと枝に腕を取られて転んでしまった。幸い手袋から手が抜けたから良かったものの、外れなかったら関節を痛めていたところだ。やっぱり輪っかには手を通さない方がいい。
渡渉ポイントへ戻ったときには、もうヘロヘロだった。慎重に渡って、車まで歩く。H多さんは本当に辛そうだった。14:20に車に到着。H多さんの初めての冬山で、相当しごいてしまった。
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