FT Bumble Beeの使用感
今シーズン、ブーツをLANGE BANSHEE 105MFからFT Bumble Beeに乗り換えて、滑走日数6日、うちBCが2日でシール登行も行ったので、第一回目としてここまでの使用感をまとめてみる。ただし、まだキッカーをちゃんと飛んでないので、飛びジブ性能はまだ何とも言えないし、ばんけいナイターがオープンしていないので、シビアなコンディションに対する性能もまだ分からない。
まず、購入時に履いた印象は、とても柔らかくてフニャフニャ。きっと温度が高いからだろうと思ったけれど、こんなんでちゃんと整地を滑れるのか不安だった。一方、柔らかすぎは心配だったけれど、LANGEのブーツのようにピチピチではないので、足のどこも当たる感覚がなくて、熱成形だけで足にぴったりと合わせることができた。
初滑りでLANGEのインソールを流用したのにFTを熱成形し直さなかったせいで、足の甲が締め付けられて痛かったことは問題外として、試着のフニャフニャ感はスキー場でも健在だった。特に驚いたのは、前方向のフレックス。LANGEでは前傾したときに、ある程度傾いたらそれ以上前傾できなくなった。ところが、FTだとその角度からさらにもう一段前傾して前に倒れる。この特徴に慣れる前に、いままでの脛でブーツを押すイメージで滑って、そのまま身体がつんのめってグラトリ軸ズレ360をお見舞いしてスキーが両足とも開放してしまった。
このいう前方向のフレックスのちがいも、慣れてしまえばそれほど気にならなくなった。ルーズさがかえって自分のスタイルに合っているような気もする。もともと素早い切り返しはしない、というかできないので、ファットスキーで適当に滑る場合にFTは相性がいいように思う。
前方向のフレックスの意外なメリットは滑走とは関係なく、スキーを脱いだときの歩きやすさだった。なんと、階段を下りるのがとても楽になった。下の段に足を踏み出したとき、もう一方の足のブーツがかなり前傾するので、踏み出した足が下の段に届くくらいまで後ろ足のソールが床に着いていて安定している。きっと飛びジブでもこの柔らかさは有効なんじゃないだろうか。
FTのもうひとつの特徴は、軽さだと思う。持っても軽かったけれど、履いてみるとやっぱり軽い。普段の荷物も軽くなるし、シール登行のときにも軽く感じた。LANGEの前はGarmontの兼用靴で登っていたので、LANGEで登るようになってブーツが重く感じるようになっていた。ところが、FTに替えてみると、ブーツの重さが全く気にならなくなった。
登るときはバックル全解放なので、フレックスは特に影響はなかったけれど、LANGEは下から二つのバックルはちゃんと締めないと、ブーツの中で足が動いて靴擦れしていたけれど、FTではバックルを締めなくても足が動かなくて、全く靴擦れしなかった。足を締め付けていないので、少し温かい気がする。少しというのは、実は温かさも期待していたからだけど、寒いときはFTでも足が少し冷たかった。LANGEよりマシというだけで、ばんけいナイターではやっぱり冷たくなるかもしれない。
長所の方が目立ったけれど、構造が他のブーツとちがい、バックルもちがうことによる短所もある。何度かバックルに氷が付いて、調整できなくなった。この調整機構は、外からの衝撃で簡単にずれてしまうので、バックルを締め直す度に調整しなくてはいけなくなるよりは、一度バックルを締めたら最後まで外さないのがいいようだ。けれど、凍り付いていなくても普通のバックルよりも調整しづらい。山で滑る準備をするのに手間取ったのは痛かった。手が冷たくなるし、周りにも申し訳ない。慣れかな?
というわけで、評判通りFTは柔らかい、軽い、温かいブーツだった。第二回では、飛びジブ性能と対ばんけいナイター性能を確かめてみる。
関係ないけど、明日滑りに行きた〜い。でも、午後から行くのもな……。ビデオでも取り込もうか。
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コメント
ほうほう、興味深いレビューだ。
やっぱりそんな柔らかいんだ。カービングには向かないが、こぶ、飛びジブ、それから山スキーには最適なんだろね。サロモンのSPKとダルベロブーツも気になる。
投稿: soto | 2008年12月20日 (土) 00時27分
>soto
Proならここまで柔らかくないかもしれないけれど、FTのフレックスは他のブーツとは別物だった。SPKの中身はアルペンブーツとほとんど同じじゃない?アルペンブーツの構造で前方向のフレックスを出すには、他に犠牲にするものが大きいような気がする。ダルベロはFTと構造的に似ていて、オレも注目していた。レビュー期待してるよ。
投稿: H本 | 2008年12月20日 (土) 15時42分