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09/2/1 後方羊蹄山

今シーズン3回目の後方羊蹄山は、2年ぶりの京極コース。一週間前から京極コースに決めていたけれど、毎日気象情報をチェックしていると、日曜日に近づくにつれて怪しい天気になって来た。前日の天気図には、北海道の南東にでっかい低気圧があって、その北西の等圧線が混んでいる辺りがちょうど羊蹄山の上に来るようだった。ポイント予報でも、珍しく羊蹄山の周辺全域で風速5 m以上と風が強い。低気圧が移動するにしたがい、東の風は徐々に北風に変わり、寒気が入り込んで気温も低下するだろう。明らかに下り坂だった。

前日のばんけいナイターを早く切り上げて、朝は4時までグッスリ眠れたとはいえ、やっぱり眠い。それでも、えすきくんがみんなを車で連れて来てくれるので楽だ。今回は、自分の冷え性問題を少しでも何とかしようと思って、「しょうが湯」を一杯飲んで待っていると、みんなは予定通り5:20にやって来て、急いで荷物を積み替えた。スキーキャリアがH多カーより少し広いので、今度は5本でも少し余裕があった。

5:30に出発して、まず近くのセイコーマートのホットシェフで朝食を買おうとしたけれど、なんと商品が一つも置いていない。みんなテンションが一気に下がった。早朝でもホットシェフをやってるところをチェックしておかねば。

定山渓から中山峠を越えるまではしばらく吹雪いていたけれど、喜茂別では雪も止んで、悲しいことに降雪はほとんどないようだった。喜茂別のセイコーマートで行動食を買ったりしてから羊蹄山へ向かい、いつもとは逆に右折して京極コースの登山口を探しながら車を走らせた。途中、喜茂別コースの登山口には2台の車がもう停まっていた。羊蹄山麓はこの時点で吹雪だったけれど、自分たち以外にも物好きはいるようだ。個人的には風上の京極コースよりは、喜茂別コースや墓地の沢の方がいいと思っていたけれど、雰囲気的に変更はなさそうなので、「しょうが湯」の効果を確かめるためにも耐寒訓練だと思ってあきらめた。

道端にある京極コースの登山口標識からしばらく車で登ると、道路は雪が積もって真っ白になった畑にぶつかって左に折れている。その角に車を停めて準備を始めた。昨日、ばんけいでえすきくんとブーツをチェンジして予めビンディング調節していたので、Vector Glide Shift + Marker Dukeをスムーズに履けた。準備をしている間にも雪は降り積もる。先行トレースのないまっさらな雪原の中を、H多さんを先頭に進んでいった。出発は8時。

樹林に入るまでの吹きっさらしが辛かった。防風林までたどり着くと、そのありがたさが身にしみた。樹林内は風が弱まっているので、夏道に沿って登って行くと身体が汗ばむ。夏道通りに歩いたっぽい前日のトレースがかすかに残っているけれど、夏道は雪が吹き溜まっているので、夏道を右手に見ながら登った。1時間くらい歩いて、550 mくらいで一度休憩。

再び出発すると、右から強い風が吹き付けて来て、目の前には樹林の切れ間が迫る。風を避けながら自然と左へ逸れて登って行くと、いつのまにかずいぶん夏道から離れてしまった。それからは気持ち右寄りに進んで夏道に復帰するルートを選んで、2回ほど浅い沢を越えて登る。

途中からDukeのクライミングサポートを使ったけれど、斜度が緩い分には問題ないけれど、傾斜がきつくなって来ると、Diamirの4段目があるかないかが結構ちがうと感じた。800 m近くまで登ると、疎林の間を吹き抜ける風が強くなって来る。斜面の雪も吹き飛ばされていて、ルートを選べば全くラッセルがないので楽な反面、顔が冷たいので、ネックウォーマーとゴーグルを装着した。

1050 mくらいまで登って、尾根の左にある沢よりの木陰で休んでみんなを待っていると、すぐにH多さんがやって来た。しばらくして、女性客二人を連れてえすきくんが到着した。H多さんと話して、「天気が悪いからもう下りてもいいんじゃないか?」と話していたことをえすきくんに伝えると、いつもより軽いVolkl Gotama + Diamir Exploreのせいか余力がたっぷりあるえすきくんは、まだ登りたそうだ。沢を滑るならもう少し登ろうということで、みんなで弱層テストをすることにした。表面の雪は吹き飛ばされていて、その下のウインドクラストらしい層が硬く絞まっていたので、円柱を掘るのが難しかった。一度目は掘るときに間違ってスコップで円柱を倒してしまった。掘り直して挑戦した二回目は、70 cmくらいで肩の弱層。

自分でテストしたので、他の人に目をやると、悠らりさんは穴堀で苦戦していた。1辺40 cmくらいの直方体を作ろうとしていたけど、途中で折れてしまった。こっちは寒いし待っているのが嫌だったので、作り方を改めて説明しながら一緒に掘った。慣れもあるけど、本当にセンスの問題なのか、悠らりさんは真っすぐ掘らないので円柱のウエストがくびれて行く。細くするのは自分のだけでいい。とりあえず、適当に形を整えて、悠らりさんにハンドテストをしてもらった。結果は自分と同じ。吹き溜まりはともかく、この層までは安定しているようだ。えすきくんのシャベルテストでもほぼ同じ結果。ハンドテストの間に穴堀プロH多さんは、みんなが入れるような大きな風よけを木の根もと付近にこしらえた後、さらにハンドテストの穴を深く掘って休んでいた。

冬眠から目覚めたカエル

みんなで休憩していると、いつのまにか後から別のパーティーが登って来た。ボードやテレマーク、山ビンディングといった男女4人の混成パーティーだった。彼らに少し遅れて、今度は悠らりさんの後を付いて登った。すると、悠らりさんはまだキックターンが上手くできなくて、なかなかみんなのトレース通りに登れない。エンサヤさんがNaxoに慣れてどんどん登って行くのを見ると、やっぱりスキーの基本的な扱いの問題だろうか。それとも、山ビンディングとトレッカーのちがいだろうか。どっちにしても、練習量が足りないのは明らかなので、山で練習できないなら、シーズン初めの札幌国際の彼らみたいに、スキー場とかでコソ練してもらう必要があるかもしれない。こういう様子を見ると、素直に慎重程度の短めの板に山ビンディングを取り付けて練習するのが上達には一番だと思うんだけど。Mynxがもったいない。

意外と賑やか

悠らりさんがさっぱり登れなくて苦労している横では、さっきのパーティーが弱層テストをしていた。雪の状態を聞いてみると、上のスラブが崩れやすいとのこと。きっと、自分が崩したのと同じ層だろう。その4人は、悠らりさんと自分が見下ろす斜面を滑り降りて行った。それからちょっと登ったところで待っていたえすきくんたちは、もう下山の準備を始めていた。なんとか1100 mくらいまでは登った。

どうせみんな準備は遅いので、さっさと自分の仕度を終えて、もう一度弱層テストをした。今度は40 cmくらい。吹き溜まりの様子は分からなかったけれど、とりあえず、2年前に滑ったラインを降りることにした。先に滑ってカメラを構えるH多さんの前を滑り降りると、視界が悪くて雪面が見えなくてビビりまくり。吹き溜まりで波打っていて、うっかりすると雪に突っ込んで前のめりに転びそうになる。案の定、悠らりさんとエンサヤさんは足を取られたりして転んでいた。悠らりさんはお尻を付く転び方が危ない。山では初級者から初心者へ完全に戻ってる。それでも、土曜日にテイネでインスピレーションを受けて編み出した新技「女子大回転」を披露してくれた。エンサヤさんは外足に全然乗っていないので、安定感がなくてハラハラさせられる。もっと泥臭い滑りをしないと。とはいえ、自分も含めて、山では悪い癖がはっきりと出るようだ。ハラハラさせるのはちがった意味でお互い様のようだし。

尾根に復帰するときに小さな雪庇を崩していると、吹き溜まった雪がスキーで崩れて小さく雪崩れた。規模が全然小さくてすぐに止まったけれど、今シーズン初の面発生表層雪崩の誘発。えすきくんたちの指示に従って尾根に戻ってよかった。気持ちよく滑れなくて滑る気満々だったけど、こういうときは止めておくのが無難だ。

尾根に戻ると雪は吹き飛ばされていて、小さなくぼみに一部雪が吹き溜まっている程度。むしろ、樹林が濃く視界が悪いので、撮影しないで悠らりさんにはえすきくんに付いて行ってもらった。他のみんなも常にお互いが視界に入る範囲で行動する。すると、前を滑っていたえすきくんが突然雪に突っ込んで転んだ。どうやら、細くて浅い沢に気付かないで突っ込んで落ちたらしい。みんなで笑っていたけど、実は結構痛かったそうだ。申し訳ない。

傷心のえすきくんとそこから先頭を代わって、悠らりさんを置き去り気味で、下山ルートを確認しながら滑り降りた。夏道に沿って下山するつもりだったけど、小さな沢が次々に大きな沢に合流していて、うっかりしていると沢に迷い込んでしまいそうだった。沢が浅いうちに渡ってしまい、そろそろ大丈夫だろうという標高まで降りると、少し斜度のあるラインが残っていた。ちょうど陽射しも出た。カメラの準備をしているうちに日はすぐにかげってしまったけれど、ここで撮影会を行った。


えすきくんはGotamaでスプレーを上げる練習。


えすきくんと同じラインで攻める悠らりさん。

決めポーズ
2ターン目でやっぱり破綻。


いつもより低重心。


構図失敗。

その後もう一度、短いけれどいい斜面があった。これが最後で、あとは樹林内の夏道に沿って下山して、途中で登りトレースと合流。登山口を目指した。何度か陽射しが出たときは、真っ白な雪面に木々の影が長く落ちてきれいだった。でも、気分に撮る余裕はなし。最後、畑に出るときだけ、ちょこっと撮影。家が見えて人の気配が感じられるとホッとした。

車に戻ると、まわりに雪が吹き溜まっていた。登山口までの道路も、ところどころ吹き溜まりがあって、視界が悪くてつっこむとフロントウインドウに雪がかかってさらに視界が悪くなる。道路も細いし、対向車が来たらアウトだ。早く温泉に入りたかったので、近くの京極温泉へ行った。お湯は相変わらず塩素臭くてプールのようだ。とはいえ、吹雪で身体の芯まで冷えきっていたので、温かいお湯にゆっくり浸かると、眠くなってそのまま溺れそうだった。

温泉の後は、すぐに喜茂別一番の味処「味の三喜」へ。前回から酢豚定食と決めていたエンサヤさんにつられて注文したけど、味が濃すぎた。エンサヤさんは次ももう決めたようだった。今度は麻婆定食食べたいな。

今回、えすきくんの板で滑ってみたけれど、思ったほど乗り味はちがわなかった。安定感が高かったように感じるけれど、もっと厳しいコンディションで滑らないと、ちがいははっきりとしないようだ。今日くらいなら、軽くて扱いが楽な自分の板の方が良さそう。登りも楽だし。

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コメント

天気わるー。
えすきくんとえっちぼんの区別がつかないよ。もっとわかりやすいウェアにしたら?ピンクとか?

投稿: soto | 2009年2月 4日 (水) 01時08分

>soto

あまりに悪天続きで、インドア引きこもりがうらましくなって来たよ。

オレンジを真似したのはえすきくん。ピンクいいね!

投稿: H本 | 2009年2月 4日 (水) 18時57分

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