09/2/22 旭岳
宿があった深川から旭岳までは、札幌から比べてずっと近いとはいえ、1時間半もかかるので結構遠い。エンサヤさんからのメールの中身は家に帰るまで知らなかったのだけど、車の前を黒猫が横切るのは、あまりにもタイミングが良すぎたと思った。確かに不吉。
風はそれほど強くなかったけれど、天気が下り坂なのは知っていたので、ロープウェイが動いているかどうか心配しながら駐車場に着いた。昨日は午前中は動かなかったという話だったけれど、今朝は駐車場にはもう20台くらいの車が停まっていた。いつもの冬山日帰り装備で4時間券を買いに行ってはじめて、チケットホルダーを忘れたのに気付いた。仕方ない。
ロープウェイ始発に乗って姿見駅まで行くと、みんな一斉にAコースの方へハイクして行った。旭岳の吹雪に備えて、今回初めて目出し帽とヘルメットで来てみたら、板も慣れてないので仕度に時間がかかってしまった。二人の後をついて滑り始めたものの、上部はウインドクラストでガリガリ。視界が悪くて斜面が見えないし、Pontoonでは辛かった。それでも、始発に乗った甲斐があり、一本目からいい斜面を滑ることができた。とはいえ、弱層テストなしで滑るのは危険だと思った。競争率が低く、落ち着いて状況判断できる山の方が好きだ。スキー場の方が楽だとは思うけど。
2本目のロープウェイを待っているときに、ビーコンを付け忘れてたのに気付いた。良くないとは思いつつも、もう1本滑り終えてから、車にビーコンを取りに戻った。そんな自分を棚に上げて言うのもなんだけど、ロープウェイの中ではやたらと「ナチュラルハーフパイプ」という言葉が耳についた。ハーフパイプ並みに頭の中がスカスカそうなボーダーのねーちゃんだった。もちろん装備なんて何もなし。旭岳を舐め切っていて、そこら辺のスキー場と勘違いしているようだ。
そういえば、今回は客の二極化が顕著だったように思う。大きさはともかく、ザックを背負っている人がちゃんといる反面、さっきのねーちゃんボーダーのように、何の装備もなしにコース外へ飛び込んで行く人も多かった。困ったことに、スキー場へ滑りに来ていると思われる、明らかにレジャースキーヤーのおじさんおばさんたちまで、そういう人たちにつられてコース外へ行ってしまっていた。事故が起こっても何も不思議ではない状況だと思った。
ほぼ40分に1本のペースで滑り、何本か目のロープウェイを待っていると、「Pontoonの乗り心地はどうですか?」っと声をかけられた。さかいっくすさんだった。てっきりピンクのウェアだとばかり思っていたので、今日はヘルメットもかぶっていて、それまで全然気付かなかった。
今度も同じ場所を滑る予定だったけど、のんびり準備しているうちにえすきくんたちに置いて行かれてしまった。場所は分かっているので、姿見駅から移動していると、視界が悪くて足下が分からないので、吹き溜まりに落ち込んでトップからハマってしまい、両足ビンディングが開放して前に吹っ飛ばされた。富良野スキー場のときと同じようにヘッドスライディングしてしまった。大きな怪我はなかったけれど、さすがにアキレス腱の辺りを少し痛めたようだ。そんなとき、後から「大丈夫ですか?」という声が聞こえる。さかいっくすさんだった。不味いところを見られた。
その後すぐに二人に合流したけれど、すぐそばでさかいっくすさんたちも滑るようだ。みんなちゃんとした装備は持っていなかったけれど、弱層テストを簡単にしていたのは関心。装備がなければ余計大事だ。
1本目から順に北側へずれていたけれど、どうやらこっちははずれだったようだ。雪があまり積もっていなくて、Pontoonでも底付きした。その下の斜面も、いい加減荒れてしまっていた。その後からは、別のルートを滑った。こっちはいかにも怪しげな斜面。スラフが流れて行く。埋まるのが恐いので、オープンな斜面を避けて滑り降りた。その下の樹林内はたっぷり深雪が積もっていて、すごい浮力が楽しめた。
ここを何本か滑ってから、残り2本になった頃、視界が晴れて姿見駅からなんと下界が見下ろせるようになった。これは奇跡が起こった?テンションが上がり、ともかく13時のロープウェイに間に合うように、撮影をしないで急いで滑り降りた。
そして、ロープウェイに乗るために階段を登っていると、頭上の2階から「ロープウェイ止まっちゃいましたよ」っというさかいっくすさんの残念な声が聞こえて来た。こんなことなら、ゆっくり撮影しておけばよかった。外は青空が広がって来て陽射しも出て来たのに、逆に風が強くなってしまい、ロープウェイが止まったようだ。風速20 m。
H多さんはさっさと車に戻ってしまったけれど、まだ未練があって13時までは待ちたい気持ちだった。とはいえ、温泉が混むのも嫌だったので、あきらめて車に戻って後片付けをする。
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