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09/2/28 後方羊蹄山

悠らりさんが引っ越しで今回も不参加。せっかくなので、3人じゃなきゃ行けない場所と思って、後方羊蹄山を登れるところまで登るつもりだった。えすきくんはまだ行ったことのないところへ行ってみたいそうだったので、以前、宍倉くんがテラスがよかったと言っていたのを思い出した。そこで、今回は上まで登って行けそうだったらテラスの沢へ行くことに決めた。といっても、テラスの沢はかなり危険な場所らしいので、コンディションが悪かったらあきらめて引き返すつもりでいたけれど。

行動時間が長くなりそうだったので、S木くんには5:30に迎えに来てもらった。まだ日の出前で辺りは暗い。定山渓を過ぎて中山峠へさしかかる頃、空が明るくなって来て、東の空の雲が赤く染まっていた。そして、峠を越えて見えて来た羊蹄山は、残念ながら頭を雲の中に隠していた。

喜茂別のセイコーマートで地図をコピーしてから、羊蹄山自然公園へ向った。いつもの墓地の沢コースではなく、真狩コースから登るからだ。実は、厳冬期に真狩コースを登るのは今回が初めて。残雪期でも、一度しか登ったことがなかったし、その時も登ったのは真狩コースでも、車を回して墓地へ下山したので、真狩コースの滑走ルートは今回が全くの初めてだ。

喜茂別の町を通り過ぎて目の前にそびえる羊蹄山は、上の方こそ雲で隠れているけれど、麓からかなり高いところまでは日が射していて真っ白に輝いていた。期待が膨らむ。真狩を抜ける頃には、窓越しにテラスが見えるようになった。その上には、でっかい沢が3本走っている。斜度もかなりある。道を折れて自然公園へ登って行くと、テラスが迫って来た。テンションが上がるよりも、ビビってしまう。

駐車場には一番乗りだった。各自登る準備をするのだけど、今回の板はGotama。Pontoonと悩んだけど、病み上がりの体力不足が心配で、どこまで登るか分からないこともあり、軽くてクラストでも滑走性能もそこそこ信頼があるGotamaを選んだ。ちなみに、今回はデジイチをH多さんに任せて、自分はHD撮影。

新雪はほとんどないので、ラッセルもなく、前日までのトレースをたどって楽々登山。標高もいつもより100 m高いところからスタートだから、予想以上にあっさりと1,000 m付近まで登れた。だんだんと青空も広がって来てテンションが上がって来る。下界が見下ろせるようになると、辺りの木々も樹氷でとてもきれいだった。樹氷に見とれていると、その奥にテラスの沢が見えるのに気付いた。とにかく長い。見上げてみても、沢の口が分からない。沢の下部に1,000 mテラスが広がっているのが分かるだけだ。

途中、またやってしまったことに気付いた。今回は左右比対称ポール。左右で違う長さのポールを持って来てしまった。柄が似ているので紛らわしい。色ちがいを買えばよかったのだけど、安売りで段ボールに入っていたのは赤しかなかった。とりあえず、5 cmくらいの左右差は問題なかった。

テラスの沢の迫力はもちろんだけど、真狩コースの斜面も結構面白そうだった。登りはその斜面を右手に見ながら、尾根の疎林の間を進んで行く。その疎林も、しばらくしてなくなり、埋もれかけた灌木がところどころ顔を出す斜面に変わる。ここからは、場所を選ばないとサンクラストで滑りやすくなって来た。それでも、1,300 mくらいまではシールで登っただろうか。さすがにシールでは登りづらくなったところで、板をザックに取り付けて、つぼで登ることにした。その前に、H多さんと一緒にパージして軽量化。今度真狩コースへ来たときには、ピットチェックの場所に注意しよう。

ステップを切って最初に登ったけれど、続くえすきくんは問題なく着いて来ていたけれど、H多さんは苦戦していた。明らかに重量オーバーで、数歩進む度に、足が埋まって大変そうだった。一休みしようと振り返ると、後続が登って来ているが見えた。さすがに、みんなこのチャンスを逃すはずはない。結構バテて来て、もう登らなくてもいいかと思った頃、後続もつぼで着いて来ているのが見えた。

えすきくんは元気そうで、まだまだ登る気満々だったので、先頭を代わってもらって後を着いて登った。もう、この頃は足がふらついて来ていた。1,700 mくらいまで登ったところで二人が立ち止まっている。ようやく登りが終了のようだ。スキーを履いてテラスの沢までトラバースしていくけれども、下はガリガリ。視界も悪くなって来て、地形もよく見えなくなって来た。沢と尾根をいくつか行ったり来たりしながら、狙いのテラスの沢を探した。えすきくんが地図にチェックしていた場所と同じであることを確認して、一番手前の沢を滑ることになった。

上部はクラストしていてカリカリ。斜度が変わる手前まで慎重に滑り降りてカメラを構えた。雲が薄くなって明るくなった隙を狙って、二人に合図を送る。滑り降りた二人のところへ自分も降りて行くと、そこは吹き溜まりの雪が始まる辺りだった。雪は締まっているけれど、かなり怪しい雰囲気。雪崩は嫌なので、各自でピットチェック。ハンドテストのH多さんと自分は、3、40 cmくらいのところに肘の弱層を見つけた。シャベルコンプレッションテストのえすきくんは、意外に安定した結果だったようだ。念のためもう一度ハンドテストをしてみたけれど、今度は手首でスパッと切れた。もう疑いなく危険なことは分かったので、この沢から隣の沢の方へ移動。

こっちの沢には、後続の3人パーティーが上から入っていた。どうやら、自分たちもテラスの沢からはもう抜け出せないようだった。3人が滑り終わったのを見計らって、滑り降りた沢へと合流する細い沢を、その合流地点まで降りた。カリカリで斜度もきついのでかなりビビる。3人が滑っていた沢は、最初に滑った沢よりも斜度は緩かった。慎重に降りて再び弱層テストをしてみると、気休めかもしれないけれど、比較的安定している。そうと分かれば、こんな危ないところからは早く立ち去ってしまうが勝ちだ。

とはいえ、でっかい沢がずっと続いている。途中で止まるのも危ないので、とにかく一気に滑り降りるしかない。hconのためにも、人柱として先に滑り降りた。弱層への刺激を小さくするには、何となく大回りで緩いターンをした方が良さそうなので、ビビって泣きそうになりながらもでっかい高速ターンを繰り返した。もう途中で太股がプルプルして来た。崩れ落ちた雪庇の破片がゴロゴロしているので、コース取りも油断できない。1分以上滑ってようやく1,000 mテラスへたどり着いた。左側には、先に滑り降りた3人が休んでいるのが見えた。H多さんとえすきくんの滑りを撮ろうにも、光学10倍ズームでは点にしか見えない。三脚もないのでブレブレ。滑り終わった二人もお腹いっぱいの様子だった。

テラスの沢

そこからは、登りトレースへ向ってトラバース気味に滑り降りた。ツリーランが楽しそうな斜面でもう一度撮影。その下では小さいマッシュをキッカー代わりに飛んでみたけど、予想外に反発が強くて思いっきり跳ね上げられた。でも、その割に回転不足で得意の270を決めてしまった。

ここから少し滑り降りると、雪質がガラッと変わってモナカになっていた。やはりこの時期の南斜面は陽射しに弱い。疲れた足にモナカはきつい。登山口へ戻る頃には、両足がガタガタだった。車に戻って振り返ると、テラスの沢にちょうど日が射して、自分たちの滑ったシュプールが浮き上がっていた。大きな達成感。余韻に浸ってのんびり片付けをしていると、駐車場に車がやって来た。先にテラスの沢を滑った3人のようだった。どうやら墓地へ車を回して向こうへ滑り降りたようだった。

こんなに疲れた山は久しぶりだったので、すぐに温泉へ行った。一番近い真狩温泉。浴室に入ると、目の前にはさっき滑ったばかりのテラスの沢が見えた。自分が滑った斜面を見ながらの温泉は格別だ。露天風呂でえすきくんとこの日の滑りについて話していると、ふいに声をかけられた。さっき一緒にテラスの沢を滑った人たちだった。話を聞くと、テラスの沢というのはテラスの上の3本の沢を指していて、人によっては右から1番、2番、3番と呼んでいるらしい。つまり、自分たちは1番を途中まで滑って、3番を途中から滑ったことになる。こういう話を聞くと、残りの2番を滑ってみたくなるので危険だ。

温泉の後は、エビが食べたいと言うH多さんに応えて、味の三喜でエビチリ定食。麻婆定食の方がいいかな。二人には悪いけど、後部座席で眠らせてもらった。本当に疲れた。

【2011/5/7 追記】
HD版を追加。

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コメント

動画ありがとうございます。
また何処かでお会い出来そうですね。
雪が融けて無くなるまで、お互いジタバタ頑張りましょう~

投稿: Asa | 2009年3月20日 (金) 01時33分

>Asaさん

Asalogも復活したようでよかったです。
何シーズンか前からROMってましたよ。

悲しい季節がやって来ましたね。
春の羊蹄山には先シーズン行けなかったので
今シーズンこそは滑りたいと思います。

投稿: H本 | 2009年3月20日 (金) 16時24分

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