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21世紀の世界と日本の座標軸

品川正治さんの講演会「21世紀の世界と日本の座標軸」を聴きに行って来た。グリーン九条の会という札幌の経営者による組織の主催だった。経済同友会副代表幹事などの要職を歴任して来た財界人でありながら、日本の大企業優遇の経済政策を批判し続けている品川さんには、ずいぶん前から興味を抱いていたので、札幌で講演会が開かれるのはとてもうれしかった。

会場のグランドホテルへ行ったのは、友だちの結婚披露宴以来なので2年ぶりくらいだろうか。何も考えずにモンベルの黄色いカッパで行ったので、会場でかなり目立ってた気がする。受付で知り合いに声をかけられたのも、いつもの目立つ格好だったからだろうか。ドレスコード間違えてるっぽかったので、会場に入るなり急いでカッパだけは脱いだ。

主催者発表によると、150人以上の参加者がいたようだけど、残念ながら会場には空席も多く、若い人がほとんどいなかった。大学生は半額の500円。高校生以下は無料だけど、さすがにみんな学祭やよさこいに浮かれているので、こんなところへ来ないのも無理はない。自分だって天気が悪くなかったら、実際のところ来たかどうか……。

主催者からの品川さんの紹介を聞いて、奥さんが高校の先輩にあたることを知ってちょっと驚いた。戦争前後で正確にはちがう学校だし、だから何だって話ではあるけど。会場にはサミットでお世話になった人を見かけたりもして、懐かしいやら申し訳ないやらでちょっと複雑な心境だった。

講演に思い切って聴きにやって来たはいいけど、2時間弱しか寝てないので寝不足で辛かった。途中で何度か意識が飛んでしまったときもあったけど、話が面白いし必死でメモをとったので、何とか最後まで聴くことができた。気付けばノートに10ページもメモをとっていた。

詳しい内容は改めて書くとして、品川さんはすごかった。今度の7月で85歳になるという高齢にも関わらず、坦々とした語り口で最初から最後までピンと筋が一本通っていてぶれることがない。時おりユーモアに溢れる厳しい皮肉を加えて話すので、会場には笑いが巻き起こる。とても、グランマと同い年とは思えない。こんなすごい人を後期高齢者と呼んで差別する人間どもの気が知れない。

とりあえず、結論だけまとめておく。今は、世界史を変える機会だということ。そして、国民一人一人が主権者として主権を発動することによって変えるのだということ。なぜなら、日本がアメリカとは異なる価値観を持っていると示せば、アメリカは世界戦略を変えざるを得ない。つまり、アメリカが世界戦略を変えるということは、世界史が変わるということを意味しているからだ。そのためには、国民の誰もが平等に持っている選挙権を行使することが大事だということ。

相変わらずマスコミは二大政党制を既成事実のように宣伝して、自民党と民主党が財界と世論の顔色をうかがいながら、醜い争いを演じている。両党の視線の先が財界である以上、どちらに票を入れたところで、アメリカとの価値観のちがいを示すことはできないだろう。そこで今日、品川さんが用いていた「人間の目で見た経済」がキーワードになって来るのだけど、それについては別の記事で改めて書こう。とにかく、今日はとてもいい勉強になって、寝不足を我慢してでも行った甲斐があったと思った。

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久しぶりに聴いた「パリは燃えているか」は、品川さんの話を思い出しながら聴くとよかった。

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