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2009年6月

このまま死なせて

ある日の朝、ママンが訪問看護を申し込んだことをグランマに伝えた。すると、グランマは怒り始め、すぐに拗ねて一言もしゃべらなくなってしまった。それでもめげずにママンがリハビリの必要性やこれからの生き方について言い聞かせていると、「どうしてこのまま死なせてくれないの?」と漏らした。とにかく、リハビリなんて物は面倒で疲れるから、グランマはやりたがらない。このまま何もしないでダラダラすごして、どんどん老化して、次々に身体が動かなくなって、寝たきりになって死ぬ。その間、ずっと家族に世話をしてもらうことを当たり前と思うようになってしまった。

さすがのママンも呆れて、そんな考えなら施設に入ってもらうという話になって来た。もう、グランマは一言も話さない。サービス担当者会議を目前にして、本人がサービス拒否という非常事態に突入してしまった。

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反貧困ネット北海道 設立講演・シンポジウム

フェアトレードフェスタ会場の大通公園から、歩いて北大学術交流会館へ向った。反貧困ネット北海道 設立講演・シンポジウムの会場へ着いたのは、開演の5分前。絶妙なスケジューリング。会場にはまだまだ空いている席が多かった。

北大の山口二郎さんの話を聞いていて、今までと感じが変わったように思った。以前は民主党よりの発言や、二大政党制を支持するような発言がよくあったと思う。講演会なんかでも、上から目線の発言に、違和感を覚えることが少なくなかった。ところが、今回は様子がちがった。以前は自信にあふれていた声が、弱々しく聞こえてしまう。後悔なのか反省なのか、社会が抱えている問題の深刻さに、政治学から具体的な対策を提示していくことが難しいことの現れなのか。深読みしすぎかもしれないけど、何となくそんな気がした。

講演は、竹信三恵子さんの「賃下げ依存症ニッポンと貧困〜働く現場から観る新自由主義がもたらしたもの」だった。聞き取れないほどではないけれど、竹信さんは早口だった。資料が配られているので要旨は分かるけれど、議論についていくのはなかなか大変。高齢の人にはかなり辛かったんじゃないだろうか。

読んだことはないけれど、おそらく竹信さんの著書に働く現場の実態は紹介されていると思うので、対策について結論をまとめると、今の日本人のほとんどが、実は貧困の当事者であるということ。今までは非正規が賃下げ、首切りの対象になっていたけれど、今度は正規が対象にされるようになった。かつての中流が分断されずに、「反貧困」で結束しなければいけない。

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休憩時間には、偶然会場で出会った知り合いから声をかけられた。9条関係といい、考えるものがあるなぁ。休憩後は、各団体からのアピールだった。反貧困ネット北海道とも関連して、非正規切りにともなう道内のホームレス増加の深刻さが伝わってきた。

シンポジウムでは、まず北海学園大学の川村さんが北海道の状況について報告した。タクシー、季節労働者、介護と、どの分野も結果を全く考慮しない規制緩和や制度変更によって、労働環境の悪化や収入の減少でまともな生活が送れないことが分かった。男性介護職の寿退職の記事を読むと、友だちの顔が浮かんだ。結婚式での話を思い出す。一方、北星学園大学の木下さんの報告は、すっかり寝てしまった。

続くシンポジウムは、コーディネーターの中島さんが語りまくって、シンポジウムらしいディスカッションがほとんどなくて残念だった。それぞれの話は面白いのに、これでは5人も集まっているメリットがないように感じた。メモをとった議論を大雑把に振り返ると、「高度経済成長までは再分配のパイが大きかったけれど今はちがう」(竹信)。「3人に1人が非正規という今の雇用はイス取りゲーム。しかも、残ったイスもぼろ。関東のホームレスは北海道出身が一番多い」(中島)。「ナショナルミニマムという言葉が最後のセーフィティネットと言い換えられるようになり、これがかつては生活保護だったが、今は刑務所だ。囚人の高齢化により刑務所で介護が必要になっている」(木下)。「もともと男性優位社会だったデンマークで女性が社会に進出するとき、女性を議員にしてそれまで女性が担っていた福祉を社会化した。今の社会では再分配でさらに格差が広がる」(竹信)。「多数派を占める社会的弱者を支援するとバラマキと批判するが、バラマキで何が悪い」(山口)など、確か、大体こんな感じ。

竹信さんの話を通して分かったことは、かつての日本は「おとーちゃんの稼ぎ」という日本独特のセーフィティネットで守られていたが、バブル崩壊以後はそれが壊され、外国では当たり前にあるようなセーフィティネットが整っていないので、失業と同時に住居も失うという外国人には考えられないような事態が生じること。また、産業構造が変化するときに、縮小する産業からの失業者を受け入れる体制を全く整えないことが大きな問題だということ。でも、山口さんが言っていた通り、小泉・竹中内閣が望んだのが、今のような社会だということを忘れてはいけないだろう。もちろん、アメリカ金融資本と一体となったものだけど。

最後に道労連のKさんから、ホームレス保護のシェルター設置を求める意見があった。帰りに話を聞くと、非正規切りの横行が始まってから、道労連は連日電話が鳴り止まず、資金がない中保護するためにアパートまで用意せざるをえなかったとか。シェルター設置は切実な問題だったようだ。

【追記 7/5】
主催者のブログに報告が掲載された。

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世界のフェアトレード市場の展開と日本

先日に続き、フェアトレードフェスタの会場でも長坂先生が講演するようなので聴いてみた。土、日2日に分けて行われる講演「日本のフェアトレード市場の現状とこれから〜日本のフェアトレード市場調査2008から見えてきたもの」の1回目。

ヨーロッパでは80%以上とフェアトレードの認知度も高く、市場規模も年々拡大して大きな市場になっている。一方、日本の市場規模は世界の2%にもならない。日本のフェアトレードは厳しい状態におかれているけれども、学生を中心に若者ががんばっているそうだ。「最近の学生は…」とよく言われるけれど、フェアトレードをやるとみんながんばるとか。お互いに責任をなすり付け合う大人たちを批判していた。

ただ「フェアトレード」では分かりづらいので、「国際産直フェアトレード」という言葉を使うのがいいのではということもあった。生産者の顔が消費者に見える繋がり。確かに、過酷な児童労働で生産された商品だと知っていて、気にせず使える人はそれほど多くないだろう。「産直」という点で、フェアトレードによる発展途上国の農業促進と日本の農業促進とは共存できるそうだ。

実は、札幌をフェアトレードタウンにするという構想があるらしい。すでに実現しているイギリスでは、認証条件が定められているが、たとえば、市役所など市の建物でフェアトレード商品を販売するなどがある。行政が動くことが大事だし、行政を動かすことが大事だと思った。市内のスーパーでフェアトレード商品を取り扱うと一気に広がるので、そうした取り組みも必要なようだ。昔とちがって、今ではスーパーで有機野菜のコーナーもちゃんと作られるようになった。「国際産直」と考えれば、確かに産地が遠いだけのように感じる。

買い物をすることで、選挙で投票するのと同じように力を行使できるそうだ。フェアトレードの商品とそうでないものがあれば、フェアトレード商品を選ぶことで、買うことによって直接参加することができる。それはそうだとは思うけど、そもそもフェアトレード商品がない場合は困った。たとえば、「女工哀歌」でとりあげられたジーンズには、フェアトレード商品はないそうだ。

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それに、交流会のときに聞いたように、たとえば、チョコレートは日本で加工されていない。日本で大量に消費されるチョコレートは、スイスでカカオからチョコレートに加工されて、それを日本へ輸入して作られているそうだ。気候が涼しい北海道へカカオを直接フェアトレードで輸入、加工すれば、北海道の産業として成長させる可能性もあるようだ。食糧の生産地でもある北海道だからこそ、そうした産業が合っているようにも感じる。石屋製菓が……とか。とはいえ、議論で出てきたように、一番いいのはカカオの生産地に加工工場があって、チョコレートを生産するのが理想なのだろうけ。

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この日の大通公園は、週末は久しぶりの青空で、真夏のような陽射しが照りつけていて、講演を聴いていると暑くて辛かった。でも、長坂先生は陽射しに負けないほど熱く語っていた。日曜日に日本におけるフェアトレードの市場調査結果について詳しく報告があるそうだけど、残念ながら予定があって聴きに行けない。仕方ないので、もらった資料をよく読んで勉強しよう。

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フェアトレードフェスタ in さっぽろ

フェアトレードフェスタ in さっぽろへコーヒー目当てで行って来た。

はじめに、ほっかいどうピーストレードで、東ティモールマウベシ珈琲を買った。ワインも試飲させてもらったけど買わなかった。ワイン自体はフェアトレードというよりは、売り上げを東ティモールの支援に回すらしい。

続いて、夢横町で、入浴剤として使えるヒマラヤ岩塩を購入。ピンク色できれいだ。料理にも使えるらしい。基本的には個人輸入で、自分で買い付けに行っているそうだ。

次に、ギャラリーあおぞらにて、アトリエ トムテのユニバーサルデザインマグカップを買った。障害者も使いやすいという、カップの飲み口の方が少し高くなったデザイン。これなら背中が曲がって首を立てられないグランマに良さそうだ。

雑貨はいまいち興味なし。機能性重視なので、フェアトレード商品には惹かれない。壊れて替えが必要だったら、買ったかもしれないけど。らる ホロ食堂の前にいると、クイズに挑戦するように言われたので、試しにやってみた。5問中3問正解すると有機栽培にんじんがもらえるそうだったので。1問目は有機農業の定義について。化学肥料は使わないはずだと思って答えたけど、なぜか答えが間違っていた。クイズに挑戦したのが1人目だったらしい。その後も密かにクイズの意図を読みつつ解答すると、見事に全問正解。だてに水研に参加してるわけじゃないな。にんじんをもらうだけでは悪いので、持ち帰るためにも野菜バッグとズッキーニを買った。

すべてのブースを回って、買い物はだいたいいいところなので、今度は食べ物を調達。まずは皿と箸をレンタルして、たぶん、オーガニックカフェ 知恵の木できびコロッケを食べた。青い空流れる雲で春巻きと玄米ビーフンを食べた。みんたるで食べたトム・ヤム・クンは結構辛かった。

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おいしいコーヒーの真実

北星フェアトレードフェスタへ行く前に、ざっと観てみた。コーヒーはフェアトレードの代名詞のようなもの。去年の札幌フェアトレードフェスタでもいくつかのショップでそれぞれフェアトレードコーヒーを販売していたし、前に北大の学祭でも買ったことがある。

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映画で登場するのは、エチオピアのコーヒー。1989年に、それまでコーヒー豆の価格の安定を支えていた国際コーヒー協定がWTOによって解体され、ニューヨークの先物取引で価格が決まるようになった。その後、コーヒー豆の価格は暴落。エチオピアをはじめ、アフリカのコーヒー農家は大打撃を受けた。今の10倍の価格でコーヒー豆が売れなければ、子どもを学校へ通わせてやることもできない状態だ。

そんなエチオピアのコーヒー農家を救おうというのがコーヒー農民協同組合連合会だった。日本で農協研修を受けたというタデッセという人が設立した組織で、エチオピアのコーヒー豆を外国へ直接売ることで、商社に買い叩かれるのを防ぎ、中間マージンを取り除いて、コーヒー農家へ公正な対価を支払うことを目指している。まさに、交流会で長坂先生が言っていた「国際産直」だった。

ひどいことに、現地ではコーヒー栽培では食っていけないので、麻薬を栽培している。作りたくなくても作らざるを得ない状況らしい。

できることならフェアトレードコーヒーを選びたいけれど、コーヒーは焙煎で味が全然ちがってしまうので、どれでもいいとはならない。深入りのコーヒーが好みだけど、残念ながら、近場にそうした好みのフェアトレードコーヒーを売っている店を知らない。まずは探してみようか。

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女工哀歌

北星フェアトレードフェスタへ行って来た。開演10分前くらいにファクトリーに着いたけど、会場が分からずさまよって、とりあえず、アトリウムへ行ってみたら会場を見つけてホッとする。でも、ほとんど空席。映画を観に来ただけだと思えばいいだろう。

上映会の前に、拓大教授の長坂さんの講演を聴いた。「女工哀歌」の解説から、フェアトレードの考え方まで簡単な話を聞く。映画を観る前だったので、ネタバレ満載だったけれど、ドキュメンタリーならまあいいか。ミカ・X・ペレド監督が撮影意図を隠して、工場の社長をおだてたりして、上手く撮影許可を得ているのには感心した。結局は、中国当局にバレて妨害を受けることになってしまったそうだけど。

CSRという言葉を初めて聞いた。企業の社会的責任 (Corporate Social Responsibility)のことなので、実は、日本共産党の国会質疑ではよく出てくる言葉だった。対トヨタ、対キヤノンなんかで。横文字にされると急に分からなくなる。収益だけでなく、環境と社会の3つを同時的により良くする経営をCSR経営と呼ぶそうだ。すべての企業が社会的責任を果たしていたら、こんな世の中にはなってるはずないな。

いままで、フェアトレードは公正な取引だと思っていたので、生産者の生存権を守るものだと考えてた。これは、見方を変えれば、消費者が生産者のことを知り、お互いに繋がることのようだ。それが、映画の中で主人公が最後にする行為に象徴されているらしい。

講演が終わっていよいよ始まった映画だけど、働く環境などが程度の差はあっても今の日本とそれほど変わらないと思った。農業では食って行けないので、大学へ行くお金がないので、街へ出て工場で働く。日本の農業と教育のおかれた状況とあまり変わらない。もちろん、中国の工場の労働環境はひどかった。14歳でも年齢を偽って働かされる。長いときには19時間労働を少女がまぶたに洗濯バサミを付けて行う。眠ると給料から引かれるから。パンフレットにも書いてあるけど、まさに「蟹工船」状態だ。給料不払いに対して14歳でもストで対抗しているのはすごかった。労働基準法を学校で学んだからだそうだ。

ジーンズの工場だったけれど、こんなのを観てしまうと、ジーンズを買うのをためらってしまう。もちろんみんなジーンズを買わなければ、工場は仕事がなくなって少女たちは職を失ってしまうけれど。だから、どうせ買うなら、フェアトレードのジーンズを買いたい。感想交流会で訊いてみたけど、そんなものはないらしい。ジーンズは安売り競争で、ますます彼女たちにしわ寄せが行っている。綿の大量生産で、農薬も大量に消費されている。安い製品を買うということは、流通コストをさっ引いたとしても、必ず低価格の犠牲になっている部分があるのを忘れちゃいけないんだろう。ダイソーとかね。

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調子に乗って交流会に参加してみたら、学生はほとんど帰ってしまったので残念。でも、ちゃっかりご馳走になって帰れたのはありがたかった。アルコールに頼って他の人たちといろいろ話した。北海道にも外国人研修生の問題があるらしく、これから調査するらしい。ジーンズ工場の少女たちのように、缶詰にされて働かされているそうな。みんな考えることは一緒だ。競争に勝つために安い製品を低いコストで作る。そのためには安い労働力。大量生産と大量消費、大量廃棄で成り立つ経済を改めれば、労働の問題も環境の問題も、いろいろな問題が解決できるはずなのに、競争原理、資本主義は恐ろしい。世の中金だ。

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志位和夫チャンネル

ニコニコ動画にそんなものができてるとは知らなかった。YouTubeでも共産党のそんなのを見たことがあった気はするけど。

今日の正午と17時に行われる演説をニコ動で生中継するらしい。今思えば、動画ってほとんど見てない。文字からの情報がほとんどだった。これからは動画も見てた方がよさそうだ。情報量は圧倒的に多いし。

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契約完了

施設の体験利用の後、正式に契約することになった。施設から生活相談員が来てくれたので、グランマに同席して契約の説明などを受ける。もちろん、説明を聞いてもグランマは1割も分かっているかどうか。向こうも承知でこちらへ説明する。まあ、そのためにいるわけだけど。

契約書は何条もの項目が用意されていて、聞いているだけでもうんざりしてくる。暑いせいもあって、だんだん眠くなって来るし。署名だけはグランマにしてもらって、押印は代わりにやった。契約書って押印個所が多すぎだ。字がきれいだと褒めると、グランマは気をよくしたのか、張り切って住所も書いていた。一応、家族として保証人となる。保障できるものはほとんど何もないが、グランマの可愛げの無さと外面の良さだけは保障できる。

契約書に署名をしているときに、再びチャイムが鳴った。今度は介護支援専門員(ケアマネージャー)がやって来た。当事者同士で互いに情報交換をしながら、今後の介護予防サービス計画(ケアプラン)作成に向けて話を進めて行く。とりあえず、施設利用の契約書の作成が終わったので、生活相談員はここで帰った。来月からはデイサービスへ正式に通うことになる。

続いて、包括支援センターとの契約に進む。また契約書の説明を受けるけれど、隣でグランマは居眠をしているので、こっちもつられて眠っちゃいそうだった。こっちの契約書にもたくさん押印して、ようやく契約書が完成した。

訪問サービスの利用も検討している件で、介護支援専門員に相談してみると、独自に調べていた通り、月3回の利用が限界らしい。リハビリする気が全くないグランマには、身内以外の人間が強制的にリハビリさせるのがいいと思っていたのだけど、それほど都合のいい制度にはなっていないようだ。どのみち来週は神経内科を受診して、パーキンソンの状態と薬の強さも確かめなきゃいけないので、デイサービス以外はまだしばらく準備に時間がかかりそうだ。来週はサービス担当者会議で4人も家にやって来るらしい。そんなに座るとこないよ!

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体験利用

見学の翌週の今週は体験利用だった。9時には施設の車が迎えに来るので、グランマにはいつもより早起きさせる。順調に準備が進み、30分前には出かける仕度が終わった。のんびり待っているのかと思ったら、グランマはさっさと玄関へ行って靴を履き始めた。どこへ行くのか尋ねると、「外で待ってる」と言う。パンフレットにだって家の中で待っているように指示があるし、いったいどこに年寄りを外で待たせる施設があるというのか。

言い諭して家の中に引き止めたものの、常にそわそわしている。窓の外を横切る車が気になって仕方ないようだ。グランマが「来た!」と言ったかと思ったら、急いで玄関まで歩いて行った。まだ、チャイムすら鳴っていない。せめて、チャイムが鳴ってから出て行くように言うと、今度はチャイムが鳴った途端、靴ひもも結ばずに飛び出して行った。そんなに「体験入学」に行きたかったのか?!

案の定、スタッフに靴ひもを結んでもらうことになる。決まりが悪いじゃないか。まあ、とりあえずシートに座らせてもらって、無事に送り出した。

17時くらいにチャイムが鳴って、グランマが帰って来たのに気付いた。玄関を開けると、スタッフに付き添われて玄関まで歩いて来るところだった。疲れているから休ませるように言われたけど、言われるまでもなく、とても何かをするようには見えなかった。昼寝するか聞いてみたけど、起きてるつもりのようなので、感想を聞いてみた。施設でどんなことをしたかなども。予想通り、答えは要領を得ないのであきらめる。正式に契約はしていないけれど、他の利用者に7月から来ると伝えて来たらしいことだけは分かった。まあ、行く気ならそれでいいだろう。

ママンにも相談して、翌日改めて施設へ電話を入れて、正式に契約を申し込んだ。今月中に書類ができれば、7月はじめから利用開始できるらしい。要支援は要介護とちがい、1ヶ月単位で計算されるので、月初めから利用しないと損することになる。介護予防とはよく言ったものだ。

驚いたのは、体験利用から帰って来たグランマの様子だ。施設で遊んだり運動したりしてきたら、元気になるのかと思ったら、むしろ疲れてしまって、今まで自分から嫌々でも少しくらいはやっていた家事すら一切やる気がなくなってしまったようだ。やってもらうことに慣れてしまって帰って来たようにも感じる。思わぬ展開だ。全然こちらの思い通りにはいかない。

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地震防災マップ

先日、回覧板に地震防災マップが挟まっていた。これが地震のいわゆる「ハザードマップ」なのだろう。

以前から、札幌にも断層があって地震が起きたらヤバいという話は聞いていたけど、その断層というのは地震マップの説明からすると、どうやら野幌丘陵断層帯、月寒背斜に関連する断層、西札幌背斜に関連する断層の3つらしい。マップでは、これらによる地震の震度を重ね合わせた結果が載っているそうだ。この結果が、最悪のシナリオのようだ。

当然、最初に自宅の場所を確認してみると、最大で震度6強。一番ひどい震度7の次だった。実は、最大震度6弱の中心部よりも揺れる予想だったので意外。

液状化危険度図も載っていたけれど、さすがにこっちは発生の危険性は極めて低いようだ。建物全壊率図に関しては、そもそも築40年は軽いので、心配するだけ無駄かもしれない。

噴火だったら火砕流とか、地震だったら津波とか、そういう場合なら避難したりする時間があるけれど、地震そのものだとどうしようもない気がする。結局、避難経路を確認したり、非常用の装備を用意しておくくらいしかできない。国がちゃんと耐震工事を補助してくれたら、まだ違うかもしれないけど。

阪神淡路大震災で亡くなったのは、ほとんどが若者と老人だったのは、きっとみんな知っているんじゃないだろうか。以前、隈本邦彦さんが講演で話していた。貧乏な若者と老人が住んでいたボロい家が崩れて下敷きになって死んだ人が多いという。社会的弱者は同時に災害弱者でもあることを物語っている。

【7/10 追記】
こんなのやってるそうだけど、リフォームさせたいんだろうか。経済対策として。

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太宰治はなぜうける?

ちょっと前に太宰治の特集番組を見たと思ったのに、また今週、別の番組がやっていた。

若者のブログの文体に似ているらしい。で、自分のブログをざっと見ると、全然若者のブログっぽくない。基本的に、句読点の多い長い文章は嫌い。というか、そういう教育を受けたらそうなったわけだけど、30代のオヤジを実感。時代の空気に違和感をおぼえたことは共通してると思ったのに。

ただ、この番組を見ただけでは、巧みな一人称語りがどうやって生まれたかは分からない。口述筆記で妻に手伝ってもらっていたとは、太宰文学を読んでいる人も実は知らなかったんじゃないだろうか。

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太宰の作品は、絶望の中にも生きる希望を捨てないところがいいのだとか。ちなみに、他の番組で、自殺しないために二つのことに気をつけるといいと言っていた。一つ目は、弱音を吐く。二つ目は、最悪の気持ちのときに重要な決断をしない。一応、覚えておこう。まあ、弱音以外吐いたことがないけど。

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〜億年後に骨をおくる

 簾舞の柱状節理なんかは特に不思議に思った。まさに自然の作り出した芸術というか、その神秘に驚かされる。溶岩が冷えて固まっただけとはなかなか思えない。今から〜億年後に地球はいったいどうなっているのだろうかと興味がわく。2億年前には大陸が1つだったというから、そんな未来の大陸はどうなっているか見てみたい。それに自分の骨をはるか未来の人間が拾って、「この骨はオレのじいちゃんのじいちゃんのじいちゃんの……骨だゼ」などという会話があったら楽しそうだ。
 その未来を実現するためには、人間はもっと地球のことを知り、大地との共存を考えねばならない。「母なる大地をああ……」と歌うとおり、私たち人間の、そして地球上に生きるすべての生物の母なのだから傷つけてはいけないのだ。

※合唱曲「大地讃頌」の歌詞より。中学3年生の合唱コンクールの課題曲。

ごみ有料化に備えてごみステーションへ駆け込むべく身辺整理をしていたら、日に焼けた懐かしいプリントが出て来た。中学3年生の頃、地学巡検の感想文だった。

驚いたことに、文章の間違いや論理の飛びはあるものの、今とあんまり変わっていないように思う。でも、中学生らしいかわいい文章だ(自画自賛)。それに、本質的にあまり変わってないのは、文章だけじゃなさそうだ。全然変わってしまったところもあるけどね。

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劔岳 点の記

久しぶりにシネマフロンティアで映画を観て来た。「劔岳 点の記」のレイトショー。メンズデーだったけど。

地下1階からエレベーターで7階まで行って、扉が開いて歩き始めるやいなや、大きなザックを背負ったいかにも山屋のおじさんとすれ違った。観に来てるのは山屋ばっかりだという噂は聞いていたけど、まさか山からそのまま観に来たような格好の人に出会うとは思っていなかったので、もう唖然としてしまった。コスプレ?

さすがに、マニアの映画を夜遅くに観に来る人は少ない。ラブシーンもなかったし、イチャイチャしようもないだろう。

映像はとにかくきれいだった。立山はもちろん、日本アルプスの山々には全く登ったことはないので、山の深さにため息が出た。雲海に沈む夕陽、あるいは昇って来る朝陽が美しい。紅葉も雪景色もきれいだ。山が好きなら、映像だけでも見応えがある。吹雪の映像は見てるだけで寒かった。滑落シーンも痛かった。

「何のために山に登るのか」を考えさせられる。仕事、挑戦、いろいろあるだろうけど、自分が山へ登るのは、美しい景色を、映像ではなく自分の目で見たいからだろう。ただの遊びだ。山スキーから始めたので、登頂にこだわりもないし。だから、危険を冒してまで登頂しようとは思わない。でも、少なくとも美しい景色を見ていると、それを守らなければいけないという気持ちに自然となる。エコツーリズムの基本か?一方で、荒れた夏道を歩くと、自然との付き合い方に悩む。雪解け水や雨水は登山道を流れ落ちながら、山を削り草花をはぎ取って行く。人がたどり着くことが困難だったからこそ守られて来た自然が、登山用具の進歩と道路の開発による登山客の増加で、危機に瀕しているように感じる。登らざるべきなのか。

劔岳の厳しさには比べるべくもないけれど、山での出会いには、どこか仲間意識がある。求めるものは多少は違っていても、登ることで得られる何かを求めて同じ場所まで自分の足で歩いて来る人たち。道が険しくなればなるほど、その思いは強くなる。無事にたどり着いたことを互いに讃え合う。山にはそういう何かがあるのだと思う。

その前では、当時の日本軍がどうこうというのは、とてもつまらないことに感じてしまった。本当に「なかったこと」にしたのかどうかは知らないけれど、こうやって映画になるということは、劔岳を知っている人には、この映画の登場人物たちが残したものをしっかりと受け取っているのだろう。

映像を見ていると、日高へ行きたくなった。まだ、人がそれほど立ち入っていない場所。ダニとクマと戦ってでも行く価値があるような気がした。

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バド26

パークゴルフでバテ気味だったので、チャリで行くのは止めた。

今日もにぎやか。7人も集まった。1年ぶりに会う人も。

休憩は必然的に多くなるけど、休憩時間も打ち合っていると、結構運動するので疲れる。最後の最後まで羽打ちやってくたびれた。

相変わらず、左手のフォアは成功率10%台。まだまだ修行が足りない。

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八剣山辺りで

大荒れの天気も朝までで、風邪は強いもののところどころ青空がのぞいていたので、今日もパークゴルフ&温泉。

まるで強い雨風で汚れが洗い落とされたかのように、青空と山の緑が久しぶりの晴れ間できれいだった。湿度が高くて蒸し暑く感じるけれど、車の窓から入って来る風はまだ涼しく感じる。はじめは真狩まで行くつもりだったけれど、八剣山の辺りで気が変わった。別に遠出する必要はない。パークゴルフ場もあるし、温泉もすぐそば。苺も売っている。そんなわけで、急遽、八剣山のパークゴルフ場へ行くことにした。

八剣山の登山口をすぎてから、さらに奥へ進んで行くと、蛇行した上り坂の向こうにパークゴルフ場が見えてくる。さすがに、札幌から近いだけあって、平日にもかかわらず地元の中高年がいっぱいいた。もちろん上手い。

ここは山の傾斜地の果樹園の中にコースを作ったようなところで、アップダウンが激しい。芝がきれいに整備されているので、フェアウェイ?とラフで転がり方が全然ちがう。長いコースは少ないけれど、なかなか手強い。

山のそばでも湿度が高めで、だんだん日が高くなるとかなり暑くなって来た。4コース回ると足もダルい。パークゴルフなんかで疲れていては、山になんか登れないんじゃないだろうか。

小腹が減ったので、朝買った穫り立ての苺とトマトを食べた。イチゴが美味い!青空に突き立った八剣山の勇姿はすばらしかったけれど、結局、写真は撮らなかった。何だか近頃は撮影意欲がわかない。

続いて白樺の湯へ。しまった!タオルを忘れた。借りるのはバカバカしいのでタオルなしで温泉へ入った。ここのお湯はものすごく身体が温まるので、風呂から上がっても汗がいつまでも引かない。

温泉の後で穀物祭へ寄って、アスパラとホタテのグラタンを食べてから家に帰った。季節のメニューらしく、食べたのは初めてだった。もう少しホタテが食べたい気分だったけど、お腹いっぱい。

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選挙で勝てないから

「選挙で勝てないから解散しない。」「選挙で勝てないから総裁選挙。」これって、今までずっと繰り返して来たことじゃないか。小泉内閣の郵政解散後の選挙で勝ったのが最後、安倍内閣、福田内閣、麻生内閣のどれも選挙で勝てない内閣だった。結局、解散総選挙をズルズルと先延ばしして、衆議院で過半数を確保しているうちに、次々と強行採決と再可決で好き勝手に法案を通した。世論調査で内閣支持率がどんなに下がっても、同じことの繰り返しだ。

確かに、法律上は衆議院の議決が優先されるのだろうけれど、どう考えたって異常だ。国会議員にだって最低限の良識やプライドがあるんじゃないだろうか。やっぱりないかな。

子どもの頃は、国会ってもっとちゃんとしたイメージを持っていたのに、これほどひどいとは思わなかった。団体交渉でもないのに、テレビカメラが入っていても、いい大人が野次を飛ばすのは当たり前。政治家に「品格」を求めても無駄なのかな。

小沢の一件で、民主党も体質的に自民党と全く同じことがはっきりしたし、ますます政治離れが進みそうだ。

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施設見学

ケアマネージャーが来たときに説明を聞いたら、要支援1では基本的に週1回デイサービスを利用できるらしい。グランマの性格とかを考慮して、あまり人が多くなくて、アットホームな感じの施設を紹介された。そこで、先週、グランマに付き添って見学へ行って来た。

ケアマネージャーが施設へ連絡してくれたけど、当日まで施設から何も連絡がなかったので、本当に見学が申し込まれているのか不安になりながら、迎えの車が来るのを待っていた。予定時間を少し過ぎて、大きめのワンボックスが家の前に停まり、ちゃんと見学へ行けるようでホッとする。

車の中で施設の生活相談員に話を聞くと、施設まで遠いので1時間くらい車に乗らなきゃいけないらしい。身体が思うように動かない年寄り7、8人を送迎するのも時間がかかる理由だそうだ。でも、1時間ならトイレは大丈夫そうなので、車好きのグランマには問題ないだろう。

車が到着して施設の建物に入るとすぐカラオケの音が聞こえて来た。30人くらいの年寄りがスタッフと一緒にカラオケを楽しんでいた。手芸をやっているのは少しだけだった。けれども、カラオケで歌うのが嫌いなグランマは、手芸の方にに興味を持ったようだ。指が動かなくてもスタッフが手伝ってくれると聞いて安心したようだ。その後風呂に案内されて、髪や身体を洗うのも手伝ってくれると聞いて喜んでいた。運動に使う長い廊下には利用者の作品が飾られていたので、それを見ながら往復したのだけど、さすがにグランマはダウンした。近頃は運動不足で全然歩けなくなってしまった。

疲れたようなので、休憩室に入って施設や料金についての説明を受ける。この時点でグランマはもうこの施設が気に入ったようだった。本人が気に入っているなら、わざわざいくつも施設を見学するのも面倒だし時間もかかるので、次の週に体験利用を申し込んだ。グランマは「体験入学」と言っていたけど。

体験利用は昼食の実費以外は無料なので、気軽に申し込めてよかった。実際に利用した場合と同じサービスを受けられるので、これで問題なければデイサービスの施設がここに決まる。当日の持ち物には上靴が必要だったけれど、これは入院時にリハビリで使用した介護シューズでいいそうだ。むしろ、これが一番いいらしいけど、高価なのでバレエシューズで代用する人がいるそうだ。老齢基礎年金だけで生活している人なんかは、相当厳しいのだろう。介護にもしっかりと格差が広まっているのを感じた。

話を聞いた後、運動の時間が始まるらしく、グランマは見て行きたいというので、しばらく見学することになった。この日はスタッフが交代しながら、それぞれ身体をいろいろ使った体操をみんなでやっていた。途中でスタッフの一人が見学していたグランマに声をかけて参加させてくれた。スタッフの平均年齢が高めと言うだけあって、他にもベテランらしいちゃんとした対応がよかった。利用者もみんな楽しそうに体操をしている。身体を動かすが大嫌いなグランマも一緒に楽しく体操してた。ここなら確かに合っているように思った。

こういう介護職の人たちには、知識も必要だろうけど、センスや経験も大きいんじゃないだろうか。けれども、今の介護保険制度では介護報酬が低く抑えられているために、介護職では実際には食べて行けないくらいの状態らしい。北欧では介護職は専門性を高く評価されて、それに見合った報酬を得ているそうだけど、相変わらず日本が海外の制度を導入する時は、都合のいいところだけ真似するようだ。介護職は労働環境が悪くて人手不足だから、派遣切りにあった労働者は介護職になればいいというのはひどい話だ。数年前に公共事業を減らして土建屋の仕事がなくなったときと似てる。あの時は「介護ビジネス」と宣伝して騙していたけれど。

家まで送ってくれる車が用意できたので、見学を切り上げて帰ることになった。体験利用は9時から17時までのほぼ1日。今のところ本人は行く気満々なのでいいけれど、果たして「体験入学」はどうなることやら。

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Promets Moi

結局、今週も日曜日は天気がよくないので山へは行かずに映画館へ。ところが、札幌は風は強かったけれど、昼からは青空ものぞくような天気。てるひろのおかげかな?

日曜の昼の割に、今日も空いていた。「ウェディング・ベルを鳴らせ!」が人気ない?それとも、今どきはみんな映画観ないのかな?

予告編を観てドタバタは予想していたけれど、「そこまでやるか?」というほどのドタバタに度肝を抜かれた。ギャグマンガを実写化したようなもの。高校の頃はこういうナンセンスなのが好きだったけど、最近は老けたのか、ちょっと消化不良気味。

エミール・クストリッツァ監督は、社会派の映画監督らしく、実は、カンヌでパルムドール2冠の巨匠だった。それだけあって、ドタバタの中にも、強烈な皮肉が散りばめられている。ユーモアのフィルムがかかっているけれど、込められたメッセージはどれも重く、ただ面白可笑しく笑うだけでは済まなかった。

旧ユーゴのことは新書を1冊読んだだけで、ちゃんとフォローしたことはない。そういえば、旧ユーゴの戦場を舞台にした「ノー・マンズ・ランド」という映画があったのを思い出した。この映画のエンディングには本当に驚いた。

「ウェディング・ベルを鳴らせ!」はラブコメディだったけど、こっちに関してはノーコメント。あー、でも、去勢されたくはないと思った。

映画の後は、ドーナツバーガーを初めて食べた。そもそも、ハンバーガー自体、食べたのは高校以来。でも、アメリカでは食べたか。もっと身体に悪そうだ。で、ドーナツバーガーの方は噂通り、ただ穴が空いているだけだった。穴の分だけ損した気分。

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ノーズウォーターズ ライブ

シーカヤックツアーの後、ノーズウォーターズのライブを聴きに小春南まで行って来た。

いつものように、ママンの友だちのYさんからのお誘いなので、今度も三線なのかと思っていた。開演前に行って、沖縄料理で空腹を満たす。てぃびちの煮付けが美味かった。自家製コーヒー泡盛が意外と美味かった。コーヒーが泡盛とこんなに合うとは知らなかったので驚いた。

前座を務めるのは今回も麦さんだった。麦さんは三線と一期一会を弾いていた。続いて登場したノーズウォーターズは元気なにーちゃん二人組だった。石垣島出身だから沖縄っぽい曲をやるのかと思っていたら、全然そんなことはなかった。別にそれを期待していたわけじゃなかったので、拍子抜けはしなかったけど、むしろあまりの元気のよさに圧倒されてしまった。マストさんはマイクいらないと思った。

曲はブルース?なのかな。ジャンルは分からないけど、Yさんによるとクレイジーケンバンドっぽいらしい。そう言われても、はっきりと聴いたことないので分からなかったけど。

ゲストで大城クラウディアさんが歌ってくれた。宮沢和史プロデュースで来月メジャーデビューするらしい。全然知らなかった。

CLAUDIAMusicCLAUDIA

アーティスト:大城クラウディア
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第1部、第2部ともに、かなりのテンションで盛り上がった。今までYさんに誘ってもらって聴いた中では一番熱かった。1年ごとに1人ずつメンバーが減って来たというのは笑えなかったけど、2人でもすごい迫力だった。ラブソングもよかったけど、ダンボールブギもよかった。札幌マジック?でいつになく話しているというアンザン(ヘンザン)さんも面白い。最後まで会場は二人の勢いに飲み込まれていた。小さなスペースで歌い手の間近で聴くことができるのも、一体感があってよかった。歌の力というか、音楽の力を強く感じた。帰りに二人にあいさつをして帰ると、マストさんがピックをくれた。ギターでもやってみるか?

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青の洞窟

先週行った塩谷海岸のBLUE HOLICツアーへ早速行って来た。一番行きたがっていた悠らりさんが行けなかったのは残念だけど、えすき、エンサヤ、H本のトリオ結成1周年記念になった。

えすきくんに7時くらいに家まで迎えに来てもらった。幸い、BLUE HOLICからツアー中止の連絡もなく、下道を通ってのんびり目で塩谷海岸へ向った。雨トリオで出かけるので青空はあきらめていたのに、てるひろが役に立ったのか、薄らと青空が見えなくもない。日が差すこともあった。俄然、テンションが上がって来る。

BLUE HOLICへ着いたら、まず申し込み用紙に必要事項を記入して、パドリングウェア?と一人乗りカヤックを借りることに決めた。海に落ちなければパドリングウェアが楽らしいけど、果たして海へ落ちないと思っていいのか不安だった。しかも、調子に乗って一人乗りを選んだ。もちろんみんなシーカヤックは全くの素人。初めて乗るので、ひっくり返らないかも不安だった。オーナーの嘉藤さんに「大丈夫ですか?」と聞いても、「人による」と言われてしまうと仕方がない。ライフジャケットをパドリングウェアの上から着たのだけど、嘉藤さんにがっつり締められたのでちょっときつかった。

ガイドしてくれる平野さんに付いて、砂浜で体操をしてからパドルの使い方を教えてもらった。前漕ぎ、後漕ぎ、ストップ、曲がり方の4つだけ分かれば、もう海へ行けるそうだ。覚えることが少ないのがありがたい。

カヤックに乗り込んで、平野さんに押してもらって海へ出る。乗り込んでからずっとドキドキしていたけれど、意外とカヤックが安定していたので何とかなりそうだと思った。3人ともまずまずで、海へ出てから実際に漕ぎ方を教えてもらう。まだ、気持ちに余裕がないけれど、自分でカヤックをコントロールするのが楽しい。

漁港を回り込んで裏の崖の方へ行くと、海の中をのぞき込んだら、岩の上にうにがいっぱい付いているのが見えた。ここら辺まで来ると、カヤックの方向も結構制御できるようになって来た。景色を楽しむ余裕が出て来た。

うにをのぞきこむ

カメラはμ720を持って行ったので自分で撮ろうと思っていたけど、平野さんが撮ってくれるそうなので預けた。迷いはあったけど、撮る余裕がないので割り切った。で、上陸した平野さんに上から撮ってもらう。

残念ながら、汐が引いているので窓岩を通り抜けることはできなかった。回り込んで行った先の海は、曇り空にもかかわらずエメラルドグリーン。きれいだった。

ウミウのコロニーへ近づいて行くと、今まで見たことがない景色に息をのんだ。海岸の崖にここまで近づけることはまずないし、崖を見上げることもない。迫力がちがう。海鳥の息づかいが聞こえて来るぐらいに近く感じる。あまり近づきすぎると、岩が落ちて来たりうんこを落とされたりして危ないそうだけど。

うんこと言えば、実は、お腹の調子がよくなくて、うんこがもれそうだった。キツく締められたライフジャケットがお腹を刺激して、パドルを漕げば漕ぐほど辛くなる。みんなについて行くのが結構大変だった。


何とか岩をバックに。

途中、他のガイド会社のツアーもやって来た。向こうは二人乗りで女性客だった。まあ、普通はそうかも。

青の洞窟には先に入った。暗さに目が慣れると、海が確かに青い。北海道の海がこんなにきれいだとは知らなかった。こんな洞窟に入ったことも初めてかもしれない。シーカヤック面白い。

もともとツアーはここで引き返すらしいけど、平野さんの好意でもう少し先まで連れて行ってもらえることになった。今度の洞窟は入口が狭い。中も狭い。ドキドキしながら入って行くと、こっちも海が青かった。洞窟の外から差し込む光に照らされて青く光る海を洞窟の中で眺めているのは、不思議な気持ちだった。

帰りにどこかで上陸する予定だったけれど、少し前から降り出した雨が強くなりそうだったので、真っすぐ帰ることになった。でも、そうなるとかなり漕ぎ続けることになる。案の定、お腹がヤバくなって来た。思い切ってライフジャケットをゆるめると、お腹が大分よくなった。初めから緩めておけばよかった。力を入れられるようになったけれど、それはそれで真っすぐ進めない。難しい。

最後は全速力で漕いで、砂浜へ乗り上げる。平野さんに引っ張りあげてもらって無事に上陸。やっぱりそこそこ疲れた。普段使っていない筋肉を使った気がする。シーカヤックのツアーについて平野さんと話した後、建物に戻ってから嘉藤さんと冬のスキーについて話す。南富良野は意外といいらしい。半年のお預けだけど。

平野さんが撮ってくれた写真を買ってから、BLUE HOLICを出た。腹が減っているので、教えてもらった何とか市場の食堂で海鮮丼を食べた。いくらがちょっと硬かったけど、ホタテもうにも食べれて満足。エンサヤさんはうにが少なくて機嫌悪かったけど。

その後、温泉へ入ろうと、地図を探して平磯温泉へ行くと、日帰り入浴なしの高級温泉だった。仕方ないので、途中見かけた桜町温泉 若の湯へ行ってみた。狭い駐車場がかろうじてあったけれど、券売機が新札に未対応。番頭のおばちゃんに旧札と交換してもらった。ほぼ銭湯なので、石けんとシャンプーがない。たまたま持って来ていたシャンプーを使ってごまかす。湯船が深くてびっくり。でも、一応天然温泉なので、たまにはこんなのもいいかも。寝不足だったので、風呂から上がると寝てしまった。タバコの煙は嫌だったけれど、番頭のおばちゃんはいい感じの人だった。

桜町温泉 若の湯

後部座席で寝ているうちに、エンサヤさんの家に到着。そのままえすきくんに自宅まで送ってもらう。いいツアーだった。

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てるひろ

6月の日照不足を解決して社会に貢献すべく、てるてる坊主を作ってみた。

てる子の好みが「ワイルドな感じで、意外と肉食男子系」らしいので、日焼けを再現しようとソースで着色。これがホントのソース顔?!匂いがヤバいけど。名前がてるおやてるたじゃつまらないので、てるひろと命名。これはフィクションです。

てるひろ

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南幌トリップ

今朝、病院へ出かける準備をしているときに、突然「パークゴルフ連れてけ」メールが届いたので、久しぶりに天気もいいことだし、午後から出かけて来た。

病院から帰って来るまでは青空が広がっていたけれど、昼をすぎるともう曇り空。15時に南幌へ着いたときには、風も強くて寒そう。運動量が少ないのでどんどん身体が冷えて行くけど、2コースある南幌中央公園のパークゴルフ場を2回まわって1時間半プレーした。去年から数えると結構やってるけど、意外と上手くならない。たかがパークゴルフなのに。

すっかり身体が冷えたので、南幌温泉へ。来たのは初めてだった。銭湯っぽい温泉だけど天然。内風呂から露天風呂までの長い渡り廊下で身体が冷える。冬は辛いだろうなぁ。

その後、札幌へ帰って焼肉を食った。トトリが美味いと聞いていたので、わざわざすすきのまで行ってみたけど、冷麺はあまり好みじゃなかった。盛岡へは行ったことがないので、本場の味は知らないけれど、麺にコシがないように感じた。のびたのかな。焼肉は美味かったけど。さすがに、金曜の夜だったので、店はすごく混んでいた。早めに来たから15分くらい待っただけで済んだものの、入口にはたくさんの人が待っていた。不景気でも、みんなこれくらいは楽しみたいよね。

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Versailles

土曜日にはバイキングの前にシアターキノへ行ってベルサイユの子を観て来た。めでたくスタンプが貯まった。モーニングショーを狙って行って時間が早いからか、上映初日だからか、中は空いていた。

序盤を観ていて感じたのは、映像が暗いということ。暗いというのは雰囲気が暗いというのではなくて、映像自体が暗い。夜の映像は、被写体の表情がほとんど分からないくらいに暗い。実際、パンフレットのピエール・ショレール監督へのインタビューを読むと、映画の中心部分は表現上の意図で自然光で撮ったそうだ。確かに、効果的な表現だったように思う。

映画の中で印象に残った「あなたは素晴らしいわ」という言葉。この言葉が語られるシーンを観ていて思わず胸が熱くなった。まちがいなく、この言葉がニーナには必要だったんだと思った。パンフレットに寄せられたあさのあつこのエッセイにも、やはり、この科白について同じような感想が書かれていた。他者から認められることが自己肯定感につながっていく。

一方で、結局はベルサイユの森の中かどこかへと戻って行ってしまうダミアン。安易にハッピーエンドを期待してしまっていただけに、映画を観終わってから残った余韻がいずかった。エンゾが初めての学校で孤立しているシーンを観ているのは辛かった。子どもが学校という新しい世界に入って行くシーンは、最近は「ぜんぶ、ふぃでるのせい」のアンナを思い出した。彼女はあたたかく迎えられていたのに。そのエンゾも、最後にはニーナとの再会を果たすことができたのでホッとはするけれど。

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この映画を観終わると、自分はハッピーエンドを願っているんだと思った。誰もが幸せになれるとは思っていないはずなのに、そう願っているように思う。同じ列の座席に離れて隣に座っていた他の客は、映画の後半からすすり泣きを続けていた。もしかしたら花粉症だったかもしれないけれど。自分にも何かモヤモヤとしたものが残った。人のことは言えない。年食ってまちがいなく涙もろくなっている。「人生に乾杯!」の予告を観てるだけで辛かった。

ホームレスと子どもといえば、「東京ゴッドファーザーズ」という映画もあった。今敏監督のアニメだけれど、どこか共通しているところがいくつかあるように感じた。日本のホームレスを思い浮かべることを、パンフレットにエッセイを寄せいている杉村昌昭(龍谷大教授)も書いていた。でも、ドタバタの後で一応のハッピーエンドを迎えるので、「ベルサイユの子」より自分には観やすい。フィクションでもドキュメンタリーでも、不幸から目を逸らすべきじゃないと思っても、不幸を見たいとは思わない。当たり前か。

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そういえば、今月27日には、「反貧困ネット北海道」という団体が設立されるそうだ。

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絶望するな ダザイがいる

「人間失格」がなんとなく懐かしくて、絶望するな ダザイがいる ~太宰治「人間失格」誕生秘話~を観た。

文学少年ではなかったので、「人間失格」を読んだのは高校に入ってからじゃなかっただろうか。内容はあまり覚えていない。まして、太宰治の生涯についてはほとんど知らなかった。知っているのは最期くらい。「芥川龍之介になりたかった」ことも知らなかった。「走れメロス」という作品は知っていたけれど、どんな生活の中で書かれたものか知らなかった。たくさんの作品を残していたのも初めて知って驚いた。戦時中は軍国主義を讃える他の作家とちがい、ユーモアで民衆を慰める作品を書いていたとは。

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ところが、その行為が太宰自身を罪の意識で追いつめる皮肉な結果になってしまったらしい。日本の敗戦を境に、太宰は大きな違和感を覚えるようになる。それは戦後、多くの文化人が簡単に民主主義を唱え出したことにあった。太宰は自分を含む日本人が戦争に協力し、その罪の自覚をすることが必要であると主張したそうだ。同じ敗戦国のドイツとはちがって、戦争責任を曖昧に、あるいは、軍部に押し付けた日本の民衆に怒りがあったのだろう。

この構図は、小泉内閣の後に訪れた今の日本の不況と似ているように思う。「規制緩和」という言葉に踊らされて小泉内閣を支持した人たちは、今の不況をどう考えているのだろう。多くの人は、小泉元首相の言葉通り、すでに「痛み」を感じたはず。そして、「改革」は日本人の生活を壊しただけだった。

そういう意味で、生活を破壊されたという点では共通しているように思う。簡単に「民主主義を唱える」ことと、簡単に「民主党による政権交代を唱える」こととは、あまり違いないように感じる。敗戦後に唱えられていた「民主主義」が今どうなっているか。そこに目を向けないと、「政権交代」で何がどうなるか分からないと思う。

太宰治は最後に「人間失格」を書いたのが、日本人に罪を自覚させるためだったというのは驚いた。作品を書くために罪を重ね、脱稿後1ヶ月で愛人と心中。番組を見ると、考えようによっては、太宰治は戦争に殺されたようにも思えた。

今年は太宰治生誕100年らしいので、久しぶりに読んでみようか。

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バド25

最近は精神的に不健康になって来たので、スポーツでリフレッシュ。

今日は6人そろってにぎやかで、休憩中も打ちまくったので、かなり発散できた。ありがとう。でも、おかげで握力がなくなった。車のハンドルの操作はできるものの、キーボードを打つのが辛いし、ペットボトルを片手で持てなくなってしまった。筋肉不足だ。

素人とは思えないほど打てると褒められたのもうれしかった。まあ、半年教えてもらったおかげで、ここまで打てるようになったけれど、上を見たら切りがない。バドは足を引っ張らない程度に楽しく羽根打ちできて、それなりに運動できればいいな。でも、左手はもうちょっと上手くならなきゃ。

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繊細すぎるxDピクチャーカード

オリンパスのデジカメの多くは迷惑なことに、普及率が低くて割高なxDピクチャーカードが記録媒体になっている。E-420はコンパクトフラッシュも使えるからいいものの、μ720はxDピクチャーカードしか使えない。

メモリーカードは一度買ってしまえば、ほとんど買い換えたり買い増ししたりすることはないので、価格の高さはそれほど痛くない。むしろ、大きな問題なのは、あまりに繊細すぎることだと思う。具体的に言は、マウント解除しないで物理的に接続を解除すると、xDピクチャーカードのデータが壊れるということだ。警告の後で、再度マウントしようとすると、初期化するかどうかをたずねるダイアログが表示される。

初期化したら、もちろん、せっかく撮った写真は消えてしまう。ずいぶん前に取り込みを失敗して、貴重な写真を失ってしまったことがあったので、それだけは避けたかった。そこで使ったのがData Rescue II。ママンがアメリカで撮った写真を何とか無事に救出できた。先日は、塩谷海岸の写真の取り込みでもデータを失いかけたけど、これも救出。写真ではそうでもなくて残念だったけど、幻想的な光景だった。

Data Rescue IIがなければxDピクチャーカードは恐くて使えない。オリンパスもいさぎよくコンデジはSDカードにしてしまえばいいのに。

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ムラサキエンレイソウ

サロマ湖で見かけて不思議に思っていた薄紅色のオオバナノエンレイソウ。周りの花は白なのに、これだけ薄紅色だった。この薄紅色というか、淡紅色のエンレイソウは、ムラサキエンレイソウとも呼ばれるらしい。

薄紅色のエンレイソウ

北海道の高山植物Book北海道の高山植物

著者:梅沢 俊
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今まで「新北海道の花」に慣れて来たので、「北海道の高山植物」は少し使いづらい。

新北海道の花Book新北海道の花

著者:梅沢 俊
販売元:有限中間法人 北海道大学出版会
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考えていたこと

最近考えていたことを書こうかと思っていたら、天木直人さんが詳細に書いていた。

最後の部分だけ引用させてもらう。

米国金融資本が日本を支配しようとしている現実を、皆が知らなければならない。日本の権力犯罪の実態が国民の前に明らかにされなければならない。
そうでなければ政権交代は起こらない。政権交代が起こっても、何も変わらない。

ちゃんと読もうね。

それにしても、党首討論はひどかった。いつから日本はアメリカになったのだろう。オバマ対マケインのつもりなのだろうか。勝手に二大政党制に誘導しているとしか思えない。公明党の存在感がないじゃないか。定額給付金のばらまきはいったいなんのためだったんだ。民主党は与党と一緒になって比例の定数を削減しようとしているから、少数政党や地方政党は議席を失って多様な民意が反映されなくなる。北海道には北海道の考え方があるだろう。宗男を応援してるわけじゃないし、道州制を支持してるわけでもないけど。社会科ではじめて選挙制度を教わった時は、中選挙区制だったのになぁ。まあ、投票率60%程度の民意じゃ仕方ない。

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右翼が多いと思ったら

今朝、中島公園付近で右翼の街宣車がゾロゾロと走って行くのを見て、「お祭りだからか?」と思ってた。ところが、ニュースを聞いて納得。今日から北教組の定期大会が始まったそうだ。どおりで街に右翼が多いわけだ。

それにしても、去年のデモのときにあちこちにいた機動隊の車両と、右翼の街宣車って、パッと見た感じの印象がすごく似ているように感じる。威圧感。暴力のイメージ。案外、見た目だけじゃないかも。

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山はダメでも海は……

天気予報を見ると、今のところ奇跡的に土曜日だけは晴れマーク。山の雨女も海なら問題ないのかな?

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苺タルト(下)

19時くらいにエンサヤ邸でまた合流して、いよいよタルトを焼き始める。1日寝かせたからきれいに焼ける?エンサヤさんが生クリームを作ったので、あとはタルトが焼き上がったら、生クリームを塗って、苺を盛りつけるだけ。

30分くらい焼くと、カスタードにも美味しそうに少し焦げ目が付いた。生クリームを塗る前に、粗熱を逃がしながらテレビでよさこいを観ていた。さっき大通公園で見たチームが出ていたのがちょっと面白い。しばらくしてえすきくんがお土産を持って来てくれたけど、疲れているとかで先に帰ってしまった。

仕方ないので、エンサヤさんが苺を盛りつけて、仕上げにジャムを塗ってついに苺タルトが完成。これは美味そうだ。

苺タルト

21時近くになって、悠らりさんがやって来た。いよいよ、H多さんのサプライズ。電話すると、予想通りまだ職場。3人でケーキを持って暗い道を歩く。幸い、思った通りで扉も開いていたので、こっそり忍び込んでH多さんの居室の前までたどり着いた。ドアにはちゃんとH多さんの名前が張っている。

悠らりさんが恐る恐るドアをノックすると、H多さんが気付いてサプライズ、っと思いきや、むしろこっちがサプライズ。酒をあおりながら仕事をしているH多さん。照れながらも?喜んでくれてそうなので、来てよかった。自分のケーキのお返しでもあるし。

忙しいH多さんの邪魔をしないように、長居はせずに帰った。次は誰の番だったかな。

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うめしゅんスライドトークショー

日曜日も天気が悪いので山はあきらめて、梅沢俊さんの講演会へ行くことにした。昼すぎに出かけるとき、たまたま雨が降っていなかったので、自転車で会場の道新ホールへ向った。大通公園はよさこいで賑わっていた。10分くらい前にホールに入ると、予想通り観客の平均年齢が高い。若い人はチラチラとだけ見える。

梅沢さんの話を聞くのは2回目。もう8年も前に「はるかなる日高山脈」というシンポジウムで聴いて以来だ。当時進行していた、日高横断道路というとんでもないスケールの自然破壊と建設費をともなう計画を考えるシンポジウムだった。とはいえ、パネリストに推進派はいなくて、反対派だけだったので、実質、反対集会になっていたのだけど。主催者も、その点を後悔しているようだった。確かに、討論が成立しないとシンポジウムとして面白くない。

その集会で梅沢さんが話したことを覚えている。

やっぱり選挙でちゃんとした知事を選ばなければいけない。今の知事なんてトンネル掘りたそうな名前だし、前の知事なんて横断道路そのものです。

分かる人は分かるだろうけど、当時の知事は堀、その前は横道。もちろん、会場は笑いに包まれた。けれども、その堀道政で最も(唯一?)評価されたのが「時のアセスメント」というものだった。簡単にいうと、計画から時間が経過して採算が合わなくなった事業を中止するという政策だったと思うけれど、士幌高原道路はこの政策で計画が中止された。日高横断道路も、シンポジウムの翌年12月に財政的な理由から計画を凍結する方針が道から打ち出された。実質の中止で、てっきり「時のアセスメント」で中止になったものとばかり思っていたけれど、「中止」ではなく「凍結」という言葉のちがいが、事実を語っているようだ。実際、「地元住民」はこの発表に憤っているとも。けれど、「凍結」というのは日高の山を壊すだけ壊して放置することと変わらないように思える。しかも、今度は「山のみち」と看板をかけかえて、税金を使って無駄な道路を造り続けているようだ。無駄な道路に税金を使うくらいなら、壊した自然を少しでも元へ戻すために使えないものか。利権政治はいつまで続くのだろうか。

話がそれたけれど、今回も梅沢さんは話の中で、北海道の高山植物の危機について触れていた。数年前までは夏山には登ってなかったので、高山植物のおかれた状況について知らないことが多くて驚いた。高山植物に大きな被害を与えているのは、山草家とエゾシカだった。きれいな株や、珍しい変わり花の株があると、すぐに山草家が盗掘してしまって、翌年に同じ場所で見ることはほとんどできないそうだ。盗掘のことはちらっと話では聞いていたけれど、実態について聞くとショックが大きかった。去年、霧多布湿原のそばでハクサンチドリを盗掘しているおばちゃんがいたのを思い出す。

梅沢さんが最近出版した本には、変わり花の写真がたくさん載っているらしい。スライドでもいろいろ紹介されていた。周りの年配の人たちは花がよく分かるようで、時おり小さな歓声が上がっていた。たまに、自分が見たことのある花も出てくるので、少しホッとする。黄色い花で、白い変わり花は珍しいらしい。こういうものが特に盗掘の被害に遭いやすいそうだ。

北海道の高山植物Book北海道の高山植物

著者:梅沢 俊
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ちなみに、梅沢さんが「愚策」と評していた定額給付金による購入を勧めていた。梅沢さん自身は、沖縄の自然保護団体か何かに寄付したらしいけど。確か、やんばるの森を守る団体じゃなかっただろうか。

高山植物減少のもう一つの要因は、増えすぎたエゾシカが食べてしまうことらしい。花の部分が食べられて茎から下だけが無惨に残っている高山植物の写真が次々とスクリーンに映し出されると、さすがにため息が出てしまった。梅沢さんは、「ハンターを養成するより、自衛隊をソマリアなんかに行かせないで、エゾシカを駆除させればいい」というような話をしていた。人間の都合で殺されるエゾシカには申し訳ないが、天敵がオオカミから人間に変わってしまった以上は仕方ない。この際、これからの北海道の食は天然鹿肉を売りにするべきだろう。「ビジネス」になるんじゃないか?

講演会が終わると、遅れて来たエンサヤさんと会場で合流して、よさこいを観に行った。時間も中途半端で、「実際に見もしないで文句を言うな!」というような調子で悠らりさんに怒られたので、食わず嫌いの克服に。大通公園を歩いていると、会場をパレードしながら楽しそうに踊っているのが見えた。ただ、沿道の観客は、一緒に楽しんでいるというよりは、見物しているように見える。メイン会場の方へ近づいて行くと、屋台が立ち並んでいた。昼ご飯を食べてなかったエンサヤさんは、ビールが飲みたくなったらしい。ぶらっと見たけどあまりパッとしないので、会場から離れてパスタを食べに行くことになった。ところが、「串鳥」の看板がエンサヤさんの目に留まった。で、営業が始まったばかりの店内に入った。

エンサヤさんといろいろ話していると、「32番、お一人さま」という店員の声に続いて、小さな子供が案内された。店員も言いながら笑っている。驚いたけど、さすがに、ちょっと遅れて家族が入って来た。ファイナルパレードが始まる17:30をすぎるまで話を聞いてもらい、再び大通公園へ戻った。

もちろんチケットなんか買ってないので、観客席の切れ間からのぞき込む。ファイナルパレードだけあって、おそらく有名どころが踊っているようだ。踊りも力強く、確かに上手かった。18時すぎまで見たけれど、帰ってケーキ作りの続きをしなきゃいけなかったので、エンサヤ邸へ向った。

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苺タルト(上)

塩谷海岸からの帰り、ヨーカドーで食材をそろえてエンサヤ邸へ着くと、もうすぐ21時。車の中で3人で何を作ろうか悩んだ末、見た目にも美味しそうで、エンサヤさんも食べたい苺タルトに決まり。そしてタルトの型も購入。

エンサヤさんの指示に従って、レシピを見ながら3人で手分けして作業を進めた。混ぜる気満々で行ったのに、悠らりさんに仕事を取られてしまったので、言われるままに計ったり、塗ったり、こねたり、片付けたり。タルトの生地が案外上手くのばせた。図工はいつも「よくできました」だったからね。型に入れるといい感じ。共同作業でカスタードクリームとタルトの生地が完成した。

持って行くのは翌日なので、結局、次の日続きをやることになり、この日はひとまず帰った。雨がそんなに強くなかったから自転車で行動していたけど、6月とは思えないほど肌寒い日だった。

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塩谷海岸

食べ終わった後、札幌駅の前でよさこいを見た。どういうシステムか知らないけど、いくつか会場があるみたいだ。有料?の座席以外はしっかりと壁で隠されているので、振り上げた腕の先しか見えない。実は、新琴似なんとかという有名なところだった。次に登場したのは、九州から踊りにやって来たおばちゃんたちのグループ。80歳以上のばあちゃんが、化粧をして衣装を来て楽しそうに踊っているのは、なかなか圧巻だった。合い言葉は「まだまだ」。

よさこいも飽きたので、そろそろ帰ってケーキの準備と思って、悠らりさんの車を待っていた。車に乗ると、何やら楽しそうにしている悠らりさん。天気がいいから、海へ行きたいらしい。というわけで、急遽小樽へ向けて出発した。H多さんの運転に慣れていたので、悠らりさんの運転は恐かった。

とりあえず、無事に塩谷海岸まで到着したけど、すでに空は曇ってしまっていた。砂浜を歩いていると、なぜか苺が打ち上げられているのを見つけた。

海苺

しばらく歩くと、砂浜にシーカヤックが並んでいるのが見えた。シーカヤックのガイドBLUE HOLICだった。スタッフのHさんにいろいろと話を聞いた。実は、悠らりさんはもともとここへ来たかったらしかった。なるほど。

話を聞いていると、いつのまにか海には不思議な光景が広がっていた。Hさんに言われて気付いたのだけど、雲間から差した日の光が、ちょうど蝋燭岩を照らしていた。蝋燭岩から天国への階段がのびているようだった。

蝋燭岩からのびる天国への階段

幻想的な光景にしばらく見とれていると、今度は海が光り輝く。

光の環

気付けばもう18時をすぎていた。ケーキを作るために急いで帰った。

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モンテローザファーム

土曜日は雨の予報だったので、山は中止してバイキングへ行って来た。ホントはケーキバイキングに初挑戦するはずだったけど、いろいろあって普通のバイキングになった。

待ち合わせの札幌駅へ向っている途中、エンサヤさんから連絡があったので、大丸の前で合流。悠らりさんが来るのを待ってたけど、なんと、まさかの寝坊。待ち合わせの時間をすぎてから目が覚めたと連絡があった。仕方ないので、まずはヨドバシでエンサヤさんの携帯のプラン変更に付き合う。黙っていても退屈なので、ソフトバンクの店員にプランや新機種の説明を受けた。新しいAQUOS携帯で撮影するとき、半押しできるのを知って驚いた。でも、それ以上に驚いたのは、「携帯2台目にどうぞ」の売り込み。最近は2台持ってる人がいるようだ。

続いて、紀伊国屋へ。野菜の本を立ち読みしたら、きゅうりとトマトの食べ合わせが悪いことを知って驚いた。きゅうりの酵素がトマトのビタミンCを壊すらしい。サラダでよく見かける組み合わせだけに意外だった。腹が減っているけど、二人で食べ物の本を読んで悠らりさんを待った。

しばらくしてようやく悠らりさんと合流。外は雨が降り出していたので、地下を通ってモンテローザファームまで行った。札幌でこういうバイキングは初めてだった。当然のことながら、食いすぎ。ついでにドリンクも付けたので飲みすぎ。調子に乗っておやつも食べすぎ。自然食って割には、そうでもなかった気がして残念。去年、稲毛で行ったバイキングはよかったんだけど。ここかな。

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医者にも飢えと渇きは癒せない

11日にペシャワール会の中村哲さんの講演を聴きに行った。ただ、残念ながら、中村さんは現地の作業が忙しくて帰国できなかったので、代わりに事務局長の福元満治さんが「命の水を求めて」というタイトルで講演した。

少し遅れて行くと、すぐに中村さんからのビデオメッセージの上映があった。その後、福元さんがスライドを上映しながら話した。アフガニスタンの歴史や文化から始まって、ペシャワール会の活動の歴史と、現在行われている用水路の工事についてまで、2時間近く詳しく話してくれた。「NGOは善くてビジネス悪くて詐欺だ」と言う福元さんは、自分の話を鵜呑みにするなと言っていた。そう言われても、自分のことを善く言う人の話よりは、悪く言う人の話の方がなんとなく信憑性があるようにも思う。

ペシャワール会は他のNGOが行くような都市部には行かず、山間部の支援をするそうだ。都市部の目立つ場所でなければNGOの活動は注目されないので経済的支援が受けられない。アメリカの空爆でカーブル(ニュースとかではカブールって言ってた気がするけど)から他のNGOが撤退したときには、現地の医療を維持するためにペシャワール会が入ったそうだけど、普段は馬でしか行けないような村へ診療に出かけていたそうだ。

医療活動を行っていたペシャワール会が用水路を掘っているのは、干ばつがきっかけらしい。タリバンの圧政から逃げて難民になったのではなく、干ばつで農業が続けられなくなったのだそうだ。診る前にいなくなっては、死んでしまっては仕方ないというわけで、井戸を掘り、用水路を掘り、今に至っているそうだ。その話の中で聞いたのが「医者にも飢えと渇きは癒せない」という言葉。逆に、井戸を掘ってきれいな水が飲めるようになり、食糧も確保できるようになれば、それだけで病気は減る。他のNGOは自分たちの価値観を押し付けようとするけれど、相手の文化などを尊重するペシャワール会のやり方が、支援には相応しいんじゃないかと思った。生活の基本的な部分を支援して、それ以上は現地の住民に任せる。「民主主義」を押し付けるなんて最悪だろう。

講演会の第2部は質疑応答だった。会場の高校生からの質問がすごかった。「私は何をすべきでしょうか?」進路に悩んでいるのかもしれないけれど。ワーカーとして協力するにしても、あまり志が高いと挫折するらしい。きっと、何だってそうなんだろうな。とはいえ、亡くなった伊藤さんは気の毒だ。7/3〜8に札幌教育文化会館で追悼写真展があるので観に行こう。

医者、用水路を拓く―アフガンの大地から世界の虚構に挑むBook医者、用水路を拓く―アフガンの大地から世界の虚構に挑む

著者:中村 哲
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09/6/10 小樽天狗山

駐車場に腰を下ろして休んで、水分と行動食をとった。少し休んでから、ロープウェイ乗り場でパンフレットをもらったけど、登山口の案内はない。夏山ガイドを読んだときの記憶を頼りに、スキー場に向って右へ進んでいくと、地蔵コースの登山口まで徒歩5分という標識が現れた。

入口まで徒歩5分

建物の前を歩いてすぐ、今度は登山道入口の標識。ところが、注意書きに驚く。熊が目撃されております。とある。山に登るつもりなんてなかったので、熊鈴なんて持っていない。ドキドキしながら登っていった。

熊が目撃されております

すると、間もなく上からおばちゃんたちのグループが下って来た。ここはスキー場のコースで開けている。ホッとして登っていくと、しばらくして右手に地蔵コースの案内標識が見えた。そこからは林の中を進むので、また熊のことが心配になって来た。無意味な言葉をしゃべりながら歩く。5分も経たずに、怪しげな石像が現れた。

派手な地蔵

山頂まで1.3 km

罰当たり
噂には聞いていたけれど、あまりに派手で不似合いな感じがした。

ここからしばらくは、セミの鳴き声を聞きながら薄暗い林の中を登る。足下に咲いている花も、マイヅルソウとクルマバソウくらいだ。

マイヅルソウ

お地蔵さんが10 m間隔くらいで並んでいるので、それを眺めながら登っていく。ところが、ロープウェイ乗り場まで自転車で坂を登ったのが身体にこたえていて、足取りが重い。すでに半日くらい歩いた気分だった。

結構登って、林が薄くなってだんだん明るくなって来た頃、行く手に生き物の気配を感じて身構えた。熊かと思ってあせったけど、キジバトだった。

キジバト

後ろを振り返ると、下界の眺望も戻って来た。ホオノキが白くて大きな花をつけていた。

ホウノキの花

さらに歩くと、スキー場のコースへ出た。ネットも張ってある。これがロングラインコースらしい。

地蔵ロングライン分岐

すでに体力がやばかったけれど、もう一踏ん張り歩いて進むと、ロープウェイ降り場の建物が見えて来た。スライダーの放送も聞こえて来た。もちろん客はいない。そばで山菜を採っているおばちゃんたちがいた。とりあえず、山頂へ行ってみたかったので、上の方へ歩いていくと、おじさんが降りて来た。山頂の場所をたずねると、そのおじさんは知らないらしい。塩谷丸山から縦走してきたそうだけど、途中に山頂はなかったそうだ。それにしても、ここまで4時間半かけて歩いて来るとはさすが。年配の山屋さんは元気だ。

山頂を探してブラブラ歩いていると、駐車場を見つけて軽くショックを受ける。ロープウェイどころか、車で登れてしまう山っていったい……。でも、山頂まで自転車で上る元気はなかった。

ともかく、山頂を探しつつ、ロープウェイ山頂駅周辺を散策した。

第1展望台より

鼻なで天狗さん
駅の向かいの天狗さんの鼻をなでると、願いが叶うらしい。

第2展望台より
さらに奥へ回っていくと、第2展望台へたどり着く。

第3展望台?から余市岳
さらに歩いていくと、標識はないけど視界が開けた場所からまだ雪が残る余市岳が見えた。

山頂を探したさらに歩くと、今度は自然遊歩道の入口が見えて来た。ここは意外にもMTBの大会会場らしく。自然遊歩道でMTBってどうなんだろう。道端の花は……。

自然遊歩道

自然遊歩道は薄暗くてあまり花は見かけなかったけれど、新緑がきれいで、スミレも咲いていた。

スミレ

見晴らしの悪い見晴台
見晴台という標識が立っているので期待したけど、さっぱり展望がよくなくてがっかりだった。

ハクサンチドリ
日が差している一ヶ所だけにハクサンチドリが咲いていた。

ハウチワカエデ
藻岩山でも解説を聞いたハウチワカエデ。

山頂分岐
山頂へは行けないんじゃないかとあきらめた頃、案内標識が現れた。

ところが、嫌な予感はしていたけど、山頂は全く展望なし。天狗山の名前が泣く。普通、天狗山って、山頂が険しく切り立っていたり、岩山だったりするはずだけど。

天狗山山頂!?

あまりに衝撃的な山頂を見て、苦笑いしながら山頂駅へ歩いた。途中、キツツキの声というか、木を叩く音が聞こえて来た。「もののけ姫」に登場したコダマの音に似ているように感じた。忍び足で音が聞こえて来る方へ近づいていくと、目の前を結構大きな影が横切った。うさぎのようだった。そのうさぎが逃げて来たのは、こちらに気付いたというよりは、別の客が向こうからやって来たからのようだった。キツツキの音も聞こえなくなってしまった。残念。クマゲラなら一度見てみたかったのに。

山頂駅には13:30に着いたので、少し休んでVAAMを飲んで、急いで下山した。あまり下山が遅くなると、札幌まで帰る気力がなくなる。

帰りはロングラインコースを降りたけど、急いでいたこともあって、結構膝が辛かった。藻岩山ではほとんど下山で歩かなかったので、今年初めての本格的な下山。CW-Xを履いているとはいえ、負担が大きかった。膝に軽い痛みを感じながらも真っすぐ降りて、山麓駅には14時になんとか到着。登り始めから2時間も経ってないけど、自転車の分が余計に辛かった。アスリートでもないのに、こんな登山はやるもんじゃないと思った。

疲れていても休んでいる暇はないので、急いでサドルにまたがって札幌へ向けて出発した。しばらくは下り坂なので楽だったけど、上り坂に差し掛かると足がプルプルしている。無心で走った。


死にそうになって登った坂を下る。

小樽市内では追風気味だったけれど、銭函からは向かい風。しかも、結構強い。思うように前に進まないので、時間はかかるし体力も消耗する。ハラも減って来て、一度コンビニで休憩。

手稲の消防署で、ごみ収集車がごみをぶちまけているのを見た。どうやら、ごみから火が出たようだ。きっと、札幌市のごみ有料化を目前にして、駆け込みで燃やせないごみにスプレー缶か何かを使い切らずに捨てたのだろう。実際、家に帰ってみると、その現場の映像がニュースで流れていた。その前か後か忘れたけど、日本一周のおじさんにも会った

円山まで帰って来ると、今度はファイターズのユニフォームを来た人たちがぞろぞろと道路を渡って来た。野球の試合でもあったのだろうか。この頃になると、だんだん雲行きが怪しくなって来た。藻岩山をどんよりとした雲が覆っている。カッパは持って来たけど、雨に濡れるにはたまらないので、疲れた足にむち打って家まで急いだ。帰宅したのは17時。結局、帰りは30分多くかかった。足の疲れが半端じゃないので、急いで湿布をして筋肉痛予防。

教訓としては、登山の前に激しい運動はしない方がいい。当たり前か。

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小林多喜二 住居跡

伏線はいろいろあった。最近は週末になると天気が悪くて山に登れない。友だちがツール・ド・宮古に出た。天気予報で晴だった。映画「蟹工船」の予告を見た。YouTubeで小林多喜二の住居跡の動画を見た。などなど、それらがたまたま一つにつながって、急遽、小林多喜二の住居跡を自転車で見に行くことにした。もちろん、それ自体に何の意味もなし。まして、社会には何の貢献もしないだろう。

まあ、そんなことはともかく、CW-Xを履いて、ザックに行動食やカッパを入れて準備した。とはいえ、サイクリングというかツーリングというか、自転車で長距離を走ったことはほとんどない。稚内まで1週間で往復とか、支笏湖日帰りとか、今回と同じく、山へ行くときに比べて全然いい加減な気持ちで行ったことしかないので、どんな仕度をすればいいかもよく分からない。自転車は20インチの折りたたみ。でも、パンクしたときのことは何も考えてなかった。地図も持ってない。距離も調べてない。でも、まあ、朝里くらいまでなら。日帰りで十分帰って来れるだろうと、ともかくGPSのスイッチを入れて走り始めた。

手稲までは意外と楽に走れて、1時間くらいで着いた。ここら辺までは信号も多かったので、自動的に休憩も多いからだろうか。あまり意識していなかったけれど、追風もそれなりにあったようだ。そこら辺からは信号で待つこともなくなるので、休まずにペダルを漕ぎ続ける。岩が乗っかったような形が特徴的な銭函天狗山が左手に見えて来たので、一度止まって写真を撮った。

銭函天狗山
銭函天狗山。

去年の春ちゃん登山から気になっていた山なので、一度登ってみたい。たぶん、楽に登れると思うし。夏山ガイドにも、片道1:30の割に眺望がよさそうに書いてあった。

再び走り始めてしばらくすると、右手に海が見えて来た。札幌にいるとほとんど海を見る機会がないので、海を見るとずいぶん遠くへ来たと感じる。かなり遠くへ来ているのは確かだけど。長い下り坂を朝里へ向けて降りて行く途中、小樽港からフェリーが出て行くのが見えた。

小樽港からの船出
何年か前に、小樽から新潟までフェリーで出かけたのを思い出した。その後、松本まで行くのは大変だったけど。

朝里まではキロロへ行くときに車で何度も通った道なので、まずまず順調だった。心配だったトンネルも、歩道が広かったので、あまり恐くなかった。体力的にもCW-Xのおかげで足が軽くて疲れない。余裕が出て来たので、帰りは海沿いを走って帰ろうかと思って、海岸線の方に目をやりながら走った。けれども、海岸線には線路はあっても道路がない。どうやら、国道を戻るしかなさそうだ。でも、海沿いを電車に乗ったら気持ちよさそうなので、自転車を荷物として乗れないだろうかとも考えてみた。

そんなことを考えながら走っているうちに、目の前に小樽の町にはちょっと不自然な背の高い建物がいくつも現れて来た。観覧車も見える。どうやら、目的地のそばまで来たようだ。小林多喜二の住居跡は、小樽築港駅のすぐそばにある。とりあえず、自転車を停めて駅に入り、線路を越えると、目的の住居跡の碑が建っていた。

予想通り、観光名所と言うにはほど遠い、とりあえず建てておいただけというようなシンプルな碑だった。背景にまだ営業前で回っていない観覧車が建っているのが何とも言えない。

小林多喜二住居跡

2時間半と、思ったより早く着いた。せっかく小樽まで来たのだし、天気もいいので山に登らないと損だ。そう思って、この際、小樽天狗山に登ってみることにした。この前は天狗山から夜景を見るつもりだったけど、毛無峠で止めてしまったし。

とはいえ、小樽築港駅から天狗山までどう行けばいいか分からなかったので、駅で観光マップを手に入れた。最近は地図がないと不安で歩けない。GPS持っているのに。

小樽築港駅から国道を走って、小樽駅のそばまで行った。左折して小樽商科大学への坂を登っていくと、途中で「地獄坂」の標識が現れた。小林多喜二らも登って通った道だ。歩いて登るには急で長いために、この名が付いたらしい。歩いてみようかとも思ったけれど、天狗山に登れなくなったら悲しいので、今回はあきらめた。今度は小樽築港駅から歩いて、地獄坂を登って小樽商科大学まで行ってみよう。

地獄坂

もう、ここら辺まで来ると、ひたすら上り坂だ。小樽は坂の町と言うだけある。ロープウェイの看板が見えたので、道路を右折すると、目の前には気の遠くなるような長い上り坂が続いている。しかも、途中からさらに急になっている。こんなところを自転車を漕いで登れるだろうか。ここまで来ると、もう意地で登るしかなかった。足がつりそうになりながら、息を切らせながらゆっくり登って、なんとかロープウェイ乗り場までたどり着いた。初夏の空気が涼しくて気持ちいのに、汗だくでひどい。ちょうど昼になったようで、サイレンの音が町から響いて来た。

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Fast Food Nation

先日「ファーストフード・ネイション」を観た。週刊金曜日 749号の記事に載っていた映画の紹介記事で、「キング・コーン」は「スーパーサイズ・ミー」、「ファーストフード・ネイション」と並ぶ、米国の食糧事情に鋭く迫ったドキュメンタリーと評されていたから。

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「スーパーサイズ・ミー」は気持ち悪くなる映画だったけど、特典DVDの方が驚いた。いくつかのファーストフード店のフライドポテトを同じ条件で容器に保存して、どう変化するかを比較する実験が収められていた。で、驚いたことに、室温でマクドナルドのフライドポテトは1ヶ月経っても腐らなかった。つまり、どれだけ防腐剤付けになっているかということだった。この映画をみる何年も前からファーストフードを食べてなかったのでホッとした。

で、今回見た「ファーストフード・ネイション」も同じような食糧問題に焦点を当てた映画だと思っていたら、それほど簡単じゃなかった。原作の「ファーストフードが世界を食いつくす」をドキュメンタリーにしても売れないから劇画にしたっていうのをどこかで読んでいたので、ドタバタなのだとばかり思っていた。ところが、人間模様が絡み合う深い内容に唸ってしまった。しかも、食糧問題と絡んで、メキシコからの不法入国者の問題や、彼らを利用する食品業界。軽い気持ちで見始めたので、観終わってからかなり余韻が残った。

ファストフードが世界を食いつくすBookファストフードが世界を食いつくす

著者:エリック シュローサー
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アメリカの社会が不法入国者であるが故に法律に縛られずに低賃金と劣悪な労働環境で働かせているというのは有名な話だったと思う。日本にしても、合法的とはいえ、研修生という名目で途上国から安い労働力を企業のいいように働かせていたことは、今となっては誰でも知っている。そんな、末端でこき使われる労働者、特に、女性は職を得るためにときには身体も売る。それを弄ぶ上司。ハンバーガーを食いまくって病気になる方が、まだ笑えるだけよかった。

屠殺シーンもなかなかの迫力だった。以前、「いのちの食べかた」を見ていて免疫があったようで、それほど気持ち悪くはならなかった。何より、所詮、映画は映像だけで、嗅覚にうったえて来ない。血の匂いがするわけではないので、視覚と聴覚だけなら耐えられた。

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匂いと言えば、1年くらい前に元米兵のアレン・ネルソンさんの話を思い出した。ただ戦争の映像を見ていても、戦争の匂いが伝わって来ないから実感がわかない。日本で戦争したがっている人間はみんな、どうせ戦争の匂いを知らないで粋がっているだけだろう。そういえば、彼も去年亡くなってしまったはずだ。生きているうちに話を聞けてよかった。

「ファーストフード・ネイション」には、問題の食品業界を告発しようとする学生グループが登場したのも興味深かった。現代のアメリカの学生がどんなかはよく知らないけど、日本と同じように、さすがにもう60年代、70年代のような熱気はないんだろうな。

映画では牛肉だけど、北海道じゃミートホープの事件は忘れられない。おそらく自分の口には入ってないと思いたいけど、外食してたら本当に何を食べてるか分からない。スーパーでは産地偽装の食品も売っていたりした。安い食品を買っていたら、安全が危うい。かといって、お金がなければ有機野菜とか、高付加価値の食糧は手に入らない。ここでも食糧と貧困とが絡み合う。世知辛い世の中だ。

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人間の目で見る経済

先日、聴きに行った品川正治さんの講演会「21世紀の世界と日本の座標軸」を畏れ多くもまとめてみようと思う。主催者のグリーン9条の会がYouTubeにでもアップしてくれたら済むのだけど、DVDを1,000円で売ってたので、仕方なく自分で文字に整理することにした。制作費がいくらか知らないけど、本当に品川さんの考えを広めたいなら、ウェブで公開するくらいしてもいいのに。ちなみに、2年前に明治学院大学国際平和研究所で行われた講演会の模様は、YouTubeで見れる。

品川さんの憲法9条への思いなど、札幌で聴いた内容がかなり語られている。他にも、文章の形で、同じく2年前の10/19に杉並産業商工会館で行われた講演会「戦争・人間、そして憲法九条」の内容が公開されている。これらを見聞きすれば、札幌での講演内容の9割はカバーできると思う。

とはいえ、どちらの講演会も開催されたのは2年前で、これまで世界情勢は大きく変化した。去年、9/15にリーマン・ブラザーズが破綻したのを契機に、世界不況が起こって日本経済も大打撃を受けている。この不況の最中に行われた講演会だったので、品川さんの話もしっかりと現状を踏まえたものだった。それは、具体的にはしんぶん赤旗でも紹介されているように、年越し派遣村から品川さんが感じた、これまで日比谷を中心とした国会や官公庁が「状況をつくって国民がそれに適応してきた」のに対して、「『派遣村』は国民が状況をつくった。これからの日本についても、国民が状況をつくることがあり得るということを知らせた意義は、非常に大きい」ということだった。

札幌の講演会に参加したという、にまめさんが自身のブログ「にまめの歯ぎしり」で、品川さんの話した内容をまとめてくれている。結局、これらを全部読んで整理すれば、自分でわざわざまとめることもないんだけど、「人間の目で見る経済」という品川さんの言葉を中心に、自分なりにピックアップしてまとめたいと思う。

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日本国憲法は特殊である。憲法9条には、戦争は人間として許されないという願いがこもっている。日本以外の世界中の憲法では、戦争を国家の目でしか見れないが、日本国憲法では人間の目で戦争を見たからあのような文章になった。常備軍を持たない国は他にもあるが、国家の目で見て国益にかなうと考えたにすぎない。日本国憲法はそれを超越している。

日本はそのような憲法を持っているのに、なぜ経済を人間の目で見ず、金融資本の目でしか見れないのか。ついこの間まで、国家でさえかく乱されてしまうような経済システムが続いていた。ところが、去年の9/15にリーマン・ブラザーズが破綻したが、表現は悪いけれど、これは神風だと思う。あと5年続いていたら、日本はいったいどうなっていたか。

日本はアメリカの資本主義というのをマスコミ等を通じて理解しているつもりだが、現実には全然理解できてない。例えば、S&P500社、すなわち、アメリカを代表する企業500社のCEOの給料は、一般の平均労働者の340倍である。もっとひどい数字がある。金融資本の最先端を行っていたヘッジファンドのファンドを統括しているマネージャーの1位から10位までの平均の報酬が、労働者の1万9千倍というのが分かった。しかし、日本の取締役の平均の報酬は社員の平均の7倍にすぎない。

アメリカの資本主義に近づけば近づくほど正統資本主義になると、小泉竹中時代には「改革なければ成長なし」という言葉で徹底的にそういう思想を国民に吹き込んだ。小泉竹中コンビは経済政策を実施して来たが、政策はすべて竹中に丸投げだった。その竹中が実施しようとした政策で一番大きな問題は規制改革だった。その中でも雇用の規制改革は徹底的に日本人を不幸に突き落としてしまった。非正規労働者の数は1/3、若い層では1/2というところまでわずか数年で変えてしまった。

他にも、「官から民へ」、あるいは、「大きな政府から小さな政府へ」というのが大きなスローガンだった。しかし、日本が大きな政府だと思っている国は世界中で一国もない。人口10万人に対する中央・地方の役人の数は先進国中でも日本は最低。決して大きな政府ではない。まして、政府の役割としての福祉の対GNP比は、アメリカと日本とが世界最低を争っている状況だ。しかし、ひとつだけものすごく大きい政府だと言われるところがある。それは政府の借金だ。他の先進国が真似のしようがないほど大きな借金を政府は国債という形でしている。1%のGNPを上げるために100兆使ったときもある。

この政府の借金というのは、アメリカや韓国、中国から借りてるわけではない。国民の個人の家計部門から借りてるだけで、金融機関と企業を助けるためにゼロ金利という格好で借りたのだ。本来なら働いて退職金をもらって、その金利と年金とで老後の生活はやっていけるという生活設計をかつてはみんな持っていた。ところが、ゼロ金利だけでは足りないから、今度は預貯金を全部国債に変えて、企業と金融機関を助けた。そのおかげで、去年まで史上最高の利益を企業は出し続けていて、いざなぎ景気を越えるとまで言われた。国債を償還するとなると、当然、利益を得て来た企業が今度は返す番だ。ところが、企業はさらに法人税を下げることを要求し、政府はそれを考慮する経済政策をやっている。だから、また国民の個人の家計部門のお金で財政のこの負担を償却しようとしている。それが年金、健康保険料、後期高齢者医療保険料、何より消費税が問題となっている。これらを全部国民の負担に変えようとしている。

しかし、そのことが国民に分かってしまうと誰も協力してくれないから、悪者を作った。役人の不詳事を毎日のように新聞は書く。もちろん、国民の目線から見て直してもらいたいところはたくさんあるが、問題の本質をそこにすり替えていることは本当に許せない。しかも、日本の修正資本主義の一番中心になったのが役所である。日本の資本主義とアメリカの資本主義のちがいを一言で言うなら、日本の資本主義というのは、「成長の利益は国民で分ける」ということ、アメリカの資本主義の一番基本は、「利益はすべて資本家のもの」ということ。だから、修正資本主義という格好で、戦後、「日本を資本家のための経済大国にはしない」とやって来た官僚に対する恨みを晴らすためにも、「官から民へ」、「大きな政府から小さな政府へ」という言葉を使って、しかも国民もそれにのってしまった。しかし、9/15のリーマン・ブラザーズの破綻によって、アメリカの資本主義とは何かがはっきりし始めた。もう多くの人たちはアメリカの資本主義に近づけば近づくほどいいとは言えない。それゆえ、言葉は適当じゃないかもしれないが、9/15を神風と呼んでいる。

もうひとつ、神風は吹いた。それは、あの年越し派遣村のことだ。これは、日本の貧困、格差、雇用すべてを国民の目にはっきりとさらした。日比谷というところは、中央官庁が全部あるところで、日本の司法行政立法の中心である。そこで、日本の貧困とはどういうものか、この冬空に職を切られれば住む場所もなくなる人がこれだけいるんだということもはっきり示された。またそれを炊き出しテントを張って救ってやろうとする人が1000人出て来た。日本は今まで、お上、国会、司法、行政、そういうものが状況を作って、国民はその状況にどう適応しながらやっていくかとういのが生き方だと思っていた。ところが、あの年越し派遣村が、「国民が状況を作れる」ということを国民の目の前に示した。マスコミも1面トップでその問題を取り上げざるを得なくなった。この二つのことは2008年に起こった非常に大きな問題だ。

金融恐慌に近いこの経済不況というのは、長く続くと思う。なぜなら、アメリカが元に戻れないことは決まり切っている。いくらアメリカ人でも、アメリカン・ドリームという格好でおだてられていたのが、そこまで馬鹿にされていたのかと気付く。そういう意味で、アメリカの過剰消費に応じて輸出によって日本のGNPを引き上げるという政策は、もう当分とれない。

政治をやる人にやって欲しいのは、長く続く苦難の時期にどうやって国民の犠牲を少なく済ませるかということを本当は考えて欲しい。それを考えることによって、日本の資本主義の型ができて来る。もうアメリカ一極支配という格好はおそらくない。まして、オバマ大統領がそうしないという政策をはっきり示している。しかし、長くかかると言うなら、長くかかる間どういう風な形で国民の負担を和らげていくかというのが政策じゃないかと考える。それを急いで片付けるためにまた大企業にばらまいたり、今年1年だけばらまいたりというのは政策ではない。選挙が近くなければこんなことは絶対にやっていない。今はせっかちにこうやれば解決できると言う人が、大企業に対する支援策だとか、あるいは、エコポイントだとか、電機と自動車だけが売れるようになんとかしようとか、人を馬鹿にするにもほどがある。もう今は総選挙が近く、彼らがばらまいていることは目に見えている。その辺をはっきりと見抜いて欲しい。

資本主義の型というのはどう変えて行くか、その間どう国民に負担をかぶせないでやって行くかということを日本が本気で考えれば、日本型の資本主義という形ができると思うが、まだ分からない。しかし、日本は世界でたったひとつ憲法9条を持っている国であり、これと憲法25条が去年の年越し派遣村でドッキングした。人間の目で見た経済が夢ではなくなった。もう本当にどちらを選ぶかという問題に近づいて来た。

最期にお願いしたいのは、自分が主権者だということを確認して欲しい。確かに経済界というのはヒエラルキーができあがっているて、トヨタ自動車の豊田正一郎さんとトヨタの販売店の子会社その社員の人とは10万対1どころか100万対1ぐらいのヘゲモニーのちがいはある。しかし、選挙や国民投票になれば、豊田正一郎も1票しかない。

日本とアメリカとはちがう。アメリカは原爆を落とした国で、日本は落とされた国というだけでもちがう。資本主義でもちがう。それを言い切れば、日本の政策はずいぶん幅が広くなる。しかも、世界二位の経済大国である日本が、アメリカとちがうとひと言言っただけでアメリカは世界戦略を変えざるえない。アメリカが世界戦略を変えるということは世界史が変わる。それを決定できるのは、役人でもなければ、外交官でもない、主権者たるみなさん方だ。世界史を変える立場に、日本史の中ではおそらく初めて立ったんじゃないか。主権者として主権を発動してもらいたい。これが私の最大のお願い。私のような老齢の人間はもう世界史が変わるところを見ることができない。けれども、みなさんがたは、子供のために、孫子のために、あるいはみなさんがたご自身のために世界史が変わるとこが目の前に来ていることはっきりと確認していただければ、これに勝ることはない。

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憲法9条と25条を基本とする「人間の目で見た経済」が、これからの日本の資本主義の型になるという話だった。マルクスの予言通りに資本主義が終焉を迎えて、これから経済はどうなっていくのだろうかと思っていたところだったので、新しい日本型の資本主義という言葉を聞いてとても興味深く感じた。ただ、講演の最後に品川さんが会場の人たちにお願いしているように、選挙権などの主権を発動することによって実現するかもしれないというもの。社会主義であっても、クーデターや革命をともなわないなら、民主的に変わって行くしかない。結局、自分にとっては今までとあまり変わらないんだと思った。でも、周りの人には話が受け入れられやすくなるかもしれないかな。

ゼロ金利政策の話が出て来たけど、そもそも貯蓄のないような貧しい人は関係ないんじゃないだろうか。中流層が貧困層へ没落したというだけで、役人が続けて来たこれまでの「修正資本主義」が貧困を放置していた事実は変わってないと思う。有権者の大部分を貧困層が占めたときに、どんな投票活動をするかで日本型の資本主義が決まるのかな。南米じゃ貧困層が選挙に行って、軒並み左派政権が成立しているようだけど、今度の総選挙で日本の投票率はどこまで上がるだろうか。

投票しないのは論外として、自民党と公明党に投票するのもまた論外。それ以外で議席数の多い政党は、民主党、共産党、社民党、国民新党だろうか。テレビとかによく出てるし。北海道だと新党大地の人もいるかもしれない。「政権交代」ばかり繰り返し叫んでいる民主党も、3年後に企業献金を禁止すると言いながら、ちゃっかり経団連に挨拶に行って、禁止するまでは献金をお願いしてる。金がかかる選挙制度を見直さなきゃ、政党助成金に依存する体質は改善できないし、企業献金禁止も空論で終わってしまう。そもそも、自民党から離党した人間の寄せ集めだし、今となっては横道は見る影もない。

結局のところ、どこが政権を取ろうが、国会でちゃんと審議をして世論を反映した政策を行えば何の問題もない。「ねじれ国会」と呼んで世論に反して強行採決を繰り返すのが異常なのであって、本来なら今の国会でさえもう少しまともな審議ができそうなものだ。品川さんの言葉を借りれば、みんな政治をやっているだけで、政策を語ってない。選挙のときだけ国民に頭を下げるような政治家はうんざりだ。武部の土下座は酷かったなぁ。

ただの愚痴になったけど、品川さんのような経営者が日本に増えたなら、財界にももう少し人間味が戻って来るんじゃないだろうか。

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衝動

誰でも、衝動的にバカバカしいことをしたくなるときがあると思う。夜中にポテチを一袋食べたり、クッキーを作ってみたり、……ごめんなさい!

ともかく、今回はあまりに無計画だったので、家に帰って来るとぼろぼろに疲れていた。詳細は後日。

小林多喜二住居跡

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1000000人のキャンドルナイトって

まあ、どうでもいい話なんだけど、100万人のキャンドルナイトっていうイベントがあるらしい。

「でんきを消して、スローな夜を。」って言うけど、電気を消してさっさと寝て、次の日朝早く起きればいいんじゃない?昔の人は日没とともに眠り、日の出とともに起きてたって言うんだから、その方がよっぽど「スロー」だと思うんだけど。

というわけで、「100万人の早寝早起き」を提案。2009年、6月21日、夏至の日に、みんな2時間早く寝て2時間早く起きる。だめ?まあ、帰宅が遅い人は仕方ないけど。

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深い意味はないけど。

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日本一周15周目に再会?!

先月、サロマ湖の道の駅で見かけた「日本一周15周目」の自転車に再会。夕方、手稲のホーマックから出て来るところを目撃。自転車の前後にある段ボールの看板は、前に見たものと同じだと思うけど、本当に日本一周してるのだろうか?ちなみに、さすがに15周しているだけあって、おじちゃんだった。むしろ、じいちゃんと言ってもいいくらい。急いでいたので、残念ながら話すことができなかった。ちょっと後悔。

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学位の価格

北大の不祥事が報道されるのも久しぶりじゃないだろうか。

学位審査で、教授、准教授が、現金や商品券などの謝礼を受け取っていたことがバレて訓告処分になったことを受けて、今度は課程博士まで含めて1年前までさかのぼって調査するとか。まあ、たけちゃんは大丈夫だと思うけど。

金を受け取った方が処分されるのは分かるけど、金を払った方はいったいどうなるんだろう。贈収賄?学位授与に十分であっても金を払わなければ学位がもらえなかったのか。あるいは、学位にはほど遠い内容で、金を払って学位をもらったのか。ドーピングでメダル剥奪するみたいに、学位剥奪?

どっちにしても、こんなことをしていると、ますます学位に対して評価が下がる。文科省は相変わらず無責任で、今頃になって博士課程の定員を削減するつもりらしいし。課程博士なら国立でも50万円×4+50万円×2+50万円×3=450万円。入学金も含めたら500万円。仮に学位が売れるものだとしても、果たしてヤフオクでいくらになることか。ちなみに、もらった最高は10万円らしい。

そういえば、国際人権規約に定められた学費無償化を留保してるのは、条約加盟国160ヶ国中でマダガスカルと日本だけになったそうな。

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子供の情景

雨で山へも行けないので、シアターキノまで映画を観に行って来た。

観たのは「子供の情景」。以前、NHKニュースで紹介されていたので何となく気にはなっていたのだけど、ちょうど昨日から上映していたので早速観に行ってみた。少しでも安く観るためにモーニングショーで10時から観た。客席はガラガラ。予想以上で驚いた。

主人公の子役がかわいい。たくさん出てくる子供がみんな素人だというのは驚きだ。とはいえ、映画としてはイマイチな印象だった。わざとらしさや不自然さを感じるシーンもある。メッセージが前面に出過ぎている気がした。監督はマフマルバフ・ファミリーの次女らしいけど、同じイラン映画ではマジッド・マジディの方が好きだ。舞台こそアフガニスタンではないけれど、同じくアフガニスタンの問題を描いた「少女の髪どめ」。幼い兄弟の優しさがなんとも切ない「運動靴と赤い金魚」。

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「子供の情景」はフィクションだと分かって見ていても、ものすごく不愉快だ。貧しさや差別で学校へ通えない女の子。加えられる暴力。監督の意図とはいえ、子供の視点でアフガニスタンの問題が描かれるのを観るのが辛かった。アフガニスタンの子供たちの現実が、本当にこんなにひどいのだろうかと思ってしまう。ちょうどいい機会だから、11日の中村哲さんの講演会を聴きに行こうかな。

映画の中で重要なものとして戦争ごっこが出てくる。けれども、自分は戦争ごっこをやったことがない。雪合戦はやったことがあるけれど、「善悪」に分かれて戦うまねごとをした経験がない。これって、何だかんだ言っても、戦後の教育によるものだろうか。そんなことを考えながら映画館から出た。

スタンプはあと1個で1回ただになる。予告を見ると、これからのキノは面白そうな映画が多いので楽しみだ。

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クラッシュ・オブ・ザ・イヤー 2009

映像を再構成して、改めてクラッシュ・オブ・ザ・イヤー 2009 (COTY2009)を公開。今シーズンノミネートされたのは、クラッシュ時系列順に、H多、悠らりエンサヤ、9番、H本の5名。先シーズン、グランプリをかけて激しい闘いを繰り広げたシッシーくんとばか親さんは、今シーズンは映像すらない。えすきくんもさすがにクラウン取っただけあって、クラッシュシーンなし。残念。

映像は、前半に今シーズンのクラッシュシーンを並べて、後半に審査対象になるクラッシュシーンを配置した。全部で4分ちょっとと長いけど、2分ちょっとから審査対象の映像が始まる。

去年はコメントで投票してもらったけど、当然ながら投票数が少なかった。そこで今年は「@nifty 投票」を最初から使ってみる。こうすれば、ROMの人や「通りすがり」の人も投票してくれるかもしれないので。

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というわけで、よろしく。

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クラッシュ・オプ・ザ・イヤー 2009 審査員特別賞

今年も開催するクラッシュ・オプ・ザ・イヤー 2009 (COTY 2009)。08-09シーズンに撮影されたクラッシュシーンから独断でノミネートシーンを選び出して適当に編集し、昨夜の飲み会で上映した。審査員はいつもの5人で、えすきくん、H多さん、エンサヤさん、悠らりさんに自分が加わる。

08-09シーズンからは、えすきくんが撮影した映像は、自分では編集やアップロードをしなくなったので、いくつかノミネートシーンを入れ忘れてしまった。また、準備の時間が短くてクラッシュシーンを羅列しただけになってしまったので、審査しづらい映像になってしまった気がする。一応、審査結果は出たけれど、企画として今ひとつだったので、後日ビデオの再編集も行った上で改めてクラッシュ・オプ・ザ・イヤー 2009を決定しようと思う。

ただし、審査委員長である自分(勝手に決めた)から、H多さんに審査員特別賞を贈るのは昨夜の通り。受賞理由は、クラッシュによる怪我人を山から担いで滑り降り、パーティー全員の命を救った功績を讃えて。もちろん、他のメンバーの協力があってこそだと思うけれど、H多さんの体力と筋力がなければ無理だったことを考えると、審査員特別賞はH多さんが代表して受け取るべきだと勝手に判断した。

審査員特別賞といっても、何たってケチな自分が考えたものだから、贈られた賞品もケチなもの。とはいえ、企画の趣旨と実用性を考慮して、湿布を贈呈。クラッシャーへの手当にも、来シーズンのクラッシュ・オブ・ザ・イヤーを目指して怪我をしたときにも使えるナイスな選択だと、これまた自分で勝手に決めた。そういえば、去年、クラッシュ・オブ・ザ・イヤーの栄冠に輝いたシッシーくんに、賞品を贈るのを忘れていた。ごめんなさい。

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21世紀の世界と日本の座標軸

品川正治さんの講演会「21世紀の世界と日本の座標軸」を聴きに行って来た。グリーン九条の会という札幌の経営者による組織の主催だった。経済同友会副代表幹事などの要職を歴任して来た財界人でありながら、日本の大企業優遇の経済政策を批判し続けている品川さんには、ずいぶん前から興味を抱いていたので、札幌で講演会が開かれるのはとてもうれしかった。

会場のグランドホテルへ行ったのは、友だちの結婚披露宴以来なので2年ぶりくらいだろうか。何も考えずにモンベルの黄色いカッパで行ったので、会場でかなり目立ってた気がする。受付で知り合いに声をかけられたのも、いつもの目立つ格好だったからだろうか。ドレスコード間違えてるっぽかったので、会場に入るなり急いでカッパだけは脱いだ。

主催者発表によると、150人以上の参加者がいたようだけど、残念ながら会場には空席も多く、若い人がほとんどいなかった。大学生は半額の500円。高校生以下は無料だけど、さすがにみんな学祭やよさこいに浮かれているので、こんなところへ来ないのも無理はない。自分だって天気が悪くなかったら、実際のところ来たかどうか……。

主催者からの品川さんの紹介を聞いて、奥さんが高校の先輩にあたることを知ってちょっと驚いた。戦争前後で正確にはちがう学校だし、だから何だって話ではあるけど。会場にはサミットでお世話になった人を見かけたりもして、懐かしいやら申し訳ないやらでちょっと複雑な心境だった。

講演に思い切って聴きにやって来たはいいけど、2時間弱しか寝てないので寝不足で辛かった。途中で何度か意識が飛んでしまったときもあったけど、話が面白いし必死でメモをとったので、何とか最後まで聴くことができた。気付けばノートに10ページもメモをとっていた。

詳しい内容は改めて書くとして、品川さんはすごかった。今度の7月で85歳になるという高齢にも関わらず、坦々とした語り口で最初から最後までピンと筋が一本通っていてぶれることがない。時おりユーモアに溢れる厳しい皮肉を加えて話すので、会場には笑いが巻き起こる。とても、グランマと同い年とは思えない。こんなすごい人を後期高齢者と呼んで差別する人間どもの気が知れない。

とりあえず、結論だけまとめておく。今は、世界史を変える機会だということ。そして、国民一人一人が主権者として主権を発動することによって変えるのだということ。なぜなら、日本がアメリカとは異なる価値観を持っていると示せば、アメリカは世界戦略を変えざるを得ない。つまり、アメリカが世界戦略を変えるということは、世界史が変わるということを意味しているからだ。そのためには、国民の誰もが平等に持っている選挙権を行使することが大事だということ。

相変わらずマスコミは二大政党制を既成事実のように宣伝して、自民党と民主党が財界と世論の顔色をうかがいながら、醜い争いを演じている。両党の視線の先が財界である以上、どちらに票を入れたところで、アメリカとの価値観のちがいを示すことはできないだろう。そこで今日、品川さんが用いていた「人間の目で見た経済」がキーワードになって来るのだけど、それについては別の記事で改めて書こう。とにかく、今日はとてもいい勉強になって、寝不足を我慢してでも行った甲斐があったと思った。

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久しぶりに聴いた「パリは燃えているか」は、品川さんの話を思い出しながら聴くとよかった。

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住所の謎

先月、近所へ会報を配るのを頼まれたときに聞いた話だ。

自宅の住所は知っているけれど、周りの家の住所は知らなかったので、頼まれた会報を配るにしても家の場所を詳しく教えてもらわなければダメだった。そこで話を聞くと、実は自分たちが住んでいる区画だけが変則的になっているそうだ。確かに調べてみると、自宅は住所から考えれば道路の向こう側のはずなのに、自宅のまわりの区画だけ道路をはみ出てこっち側にめり込んでいる。こんなことになったのも、道路の向こうに自衛隊がいるからだそうだ。まあ、そんなはた迷惑な自衛隊のおかげで、冴えないラーメン屋にも小泉元首相ら、かつての政府要人の写真が飾られているのだけど。

つい先日、自宅へ回って来た町内会の回覧板に、グランマに代わって目を通した。来月から始まるごみ有料化とごみ分別方法の変更についてのお知らせが一番の話題だった。これまでちゃんと回覧板を読むことがなかったので、思っていたよりいろいろな印刷物が入っているのを初めて知った。近くの小学校の新聞も一緒に閉じてある。そうして順にめくっていくと、最後に現れたのが自衛隊ガイダンスの案内だった。

回覧板に自衛隊への勧誘ビラを入れるのは反則じゃないのか?町内会のお知らせでもなんでもないだろう。ガイダンスが近所で行われるわけでもない。住所から考えても、自衛隊が同じ町内会のはずがない。自衛隊の敷地内に勧誘の看板を立てるの勝手だが、いったい誰が回覧板にこんな物を入れているのだろう。

回覧板を大家さんのところへ回しに行くと、ちょうど玄関から出て来たので、たまたま回覧板の内容のことで話すことになった。すると、やっぱり大家さんもずっと腹立たしく思っていたようで、回覧板を見るのがいつも嫌だったそうだ。つい破り捨てたくなると、本音を漏らしていた。

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バド24

今日も人数はギリギリの4人。会場の屯田は遠かった。屯田のさらに北の端だったから、なお遠い。ネットを張ってアップしたり、適当に打ったりしているうちに、なんとか4人そろった。

負傷者が多いので、今日はついに利き手と反対側の手でラケットを持ってみた。利き手とは全く逆で、バックは意外と打てるのに、フォアが全然打てない。空振りばかり。でも、どの組み合わせでダブルスになっても接戦になるので面白い。思うように打てないのは悔しいけど、バドを始めたときの面白さが戻って来た気がした。

家に着く前に、もう左腕が痛い。筋肉痛か軽い肉離れか分からないけど、かなりの負荷がかかったみたいだ。先週のバドの後も3日くらいずっと痛かったから、今度も少なくとも同じくらいは長引きそうだ。

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簡単な調理

簡単な調理ができると聞くと、いったいどんなメニューを思い浮かべるだろう?野菜炒めだろうか?それともビーフストロガノフだろうか?最近は、パスタにチキンのトマト煮、さらにはケーキとか、主婦顔負けの料理を度々ご馳走してもらったので、自分は「料理ができる」とは恥ずかしくてなかなか言えなくなってしまった。とはいえ、昼食と夕食を毎日自分で作っているわけだから、少なくとも「簡単な調理ができる」くらいは言ってもよさそうだ。

月曜日の昼は出かけていて家にいなかったので、グランマは前日の夕食の残りをレンジで温めて食べることになっていた。ところが、家に帰ってみると、ドアが開けっ放しのレンジの中に視線が吸い込まれた。丸皿の上には真っ黒に焦げた跡が付いている。不思議に思って何を食べたか聞いてみると、ジャガイモを温めて食べたのだそうだ。どうやったら、レンジでジャガイモが丸皿に焦げ付くのだろう?しつこく訊くとへそを曲げてしまうので、それ以上は訊けなかった。

グランマが4月に受けた要介護認定の面談結果が、先月区役所から送られて来た。結果は要介護どころか、なんと要支援1。要介護1は無理だと予想はしていたけれど、まさか、要支援2で留まることもできずに、要支援1まで下げられて軽く評価されるとは思わなかった。

原因は、4月から要介護認定の判断基準が改訂されたためだ。レンジで食べ物を温めることができれば、簡単な調理ができるとみなされる。病院での会計や、薬局での支払いができれば、買い物ができるとみなされてしまった。できるかできないかだけで判断されて、介護の専門家ではない福祉課の職員がチャックシートを埋めて、それをコンピューターで計算して要介護度が決まる。以前は、その後に行われる認定審査会で、専門家の議論を経て要介護度をより正確に評価して重くすることも多かったらしいが、今では現場に厚労省からの強い圧力がかかって、重くすることはまずできないという。つまり、いったんコンピューターが計算した要介護度は、ほとんどそのままで決まってしまうということだ。必要な人からサービスを奪い、余した保険料を基金として溜め込んでいるのが今の介護保険制度の実態だ。

さて、グランマはいつまで簡単な調理ができるだろうか。

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09/6/1 御大師山

ゆにガーデンを出た後、新しくなった栗山高校を見たり、栗山の町並みを見ながら、栗山公園までやって来た。そばには御大師山がある。頂上には展望台があるそうなので、登ってみることになった。

その前に、ふれあいプラザへ寄ってみた。薄暗い建物の中には、水槽の中で魚が泳いでいたり、いくつか生き物が展示してあった。パネルの展示もあって、環境教育のための施設らしい。ナナフシも飼育されていた。

職員の人が机に座って真剣に皿から皿へ小さな物を移しているので、ちょっと声をかけて聞いてみると、ナナフシのうんこから卵を取り出しているそうだ。自分にはどっちもうんこに見えてしまったけれど、その人が「ナナフシは草しか食べないのでうんこはいい香りがする」と言って、うんこの皿を目の前に差し出した。なんたって「うんこ」なので一瞬ためらったけど、思い切って匂いを嗅ぐと、お茶のようなとてもいい香りがした。どこだか忘れたけど、現地では実際にお茶にして飲むこともあるそうな。

ふれあいプラザを出て栗山公園へ行くと、藤棚がきれいだった。

藤棚と御大師山

藤

八十八ヶ所と交差しながら探検コースか何かを迷いながらも歩いて登って行くと、なんだか登りが急になった。藻岩山よりも山っぽい。というわけで、散歩から夏山登山に昇格。

ウスバシロチョウ
オオムラサキがいればと思ったけど、山で会うことはできなかった。


同じ道を下りたくない。

栗山スキー場からの眺め
上まで登ると視界が開けて、栗山スキー場に出る。

舗装された遊歩道を歩いて行くと、大きな展望台が見えて来た。公園で見た案内の通りで、残念ながら閉鎖中だった。大きな展望台を作っただけあって、展望台へ登らなければ展望は全くない。

閉鎖中の展望台

遊歩道をそのまま下って行くと、ファーブルの森観察飼育舎へ着いた。ここではオオムラサキが飼育されているらしい。外からは網のそばに大きな黒いチョウがとまっているのが見えた。でも、オオムラサキっぽくない。中へ入ってみると、そのチョウはアゲハでオオムラサキではないと飼育員の人が教えてくれた。御大師山で見た白いチョウは、ウスバシロチョウというらしい。原始的なチョウらしい。本によると、氷河期に大陸から渡って来たと考えられているそうだ。

木の下にいると幼虫のうんこが降って来ると言われて気をよく見ると、葉っぱのあちこちに幼虫がたくさんくっ付いていた。すごい数だ。実は、これがオオムラサキの幼虫だった。

オオムラサキの幼虫
色はちがうけど、ディズニーのキャラクターに見えない?

これだけたくさんの幼虫がいると、施設内の木だけではエサが足りなくて、外へ放すらしい。外でも繁殖しているのか聞いてみると、実はオオムラサキが栗山で発見されたから施設ができただけで、自然に繁殖しているわけではないという。もしかしたら昔は野生のオオムラサキもいたのかもしれないけれど、残念ながら今は飼育されたものだけのようだ。

御大師山
標高は100 mちょっとのお散歩登山。

オオムラサキマンホール
町のシンボルだけど。

さすがに、お腹も減ったので、いよいよ赤字丼を食べに長沼のいわきへ向った。場所が分かりづらくて少し迷ったけれど、ついに店を見つけた。

いわき
エンサヤさんがリベンジ目指して殴り込みをかける。

3人とも赤字丼を注文した。メニューの写真と同じ物が出て来た。見た目には行けそうだ。でも、エビ天3本食べたところでもう十分だった。4本目は苦しい。すでに油オーバー。付け合わせの小鉢はマリネだったけれど、それまで揚げ物だったので辛かった。なんとか5本すべて食べたけど、これは激しい運動の後しか受け付けない食い物だと思った。向かいでH多さんは早々と平らげてケロッとしている。一方、エンサヤさんは最後の1本に苦戦中。エビ天のダイエット作戦。エビからできるだけ衣を外す作戦に出た。反則ギリギリ?だったけど、本人的には完食。とりあえず、リベンジ達成おめでとう。ぜひ、油大好きの悠らりさんに挑戦してもらいたいと思った。

帰る途中、長沼の珈琲考房へ寄ることにしたけど、ちょっと迷ったついでに馬追の名水を飲んだ。湧き水で取水制限しているのを見たのは初めてだ。

珈琲考房の店内へ入るなりタバコの匂いが気になったけど、二階へ上がって豆を買った。丘の上にあるので、窓からの景色、特に、夕焼けがきれいに見えそうだ。喫煙席が1階なのに対して、2階が禁煙席になっている。きれいな景色を見たければタバコを吸うなというのは、タバコを吸う客が多い状況で苦肉の策なのだろう。実際、2階に客は一人もいないのに、1階にたくさん客がいた。

車に乗って走り出した途端に雨が降り出した。珍しくいいタイミングで天気に恵まれた。観光しているときは陽射しが出ていて暑いくらいだったから。

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ゆにガーデン

6/1にはエンサヤさんとH多さんと一緒に、赤字丼を食べに連れて行ってもらった。

二人は朝食を食べて来なかったので、あいちゅランドで朝食にクレープを食べた。自分は普通に食べて来たけど、横で美味しそうに食べているのを見ているだけでは我慢できないので、同じものを食べた。美味しかったけど、赤字丼へ向けて不安要素が。

ノープランで出かけて来たので、まずはゆにガーデンへ向った。駐車場は広くて、第2駐車場まであるけれど、もちろん車はほとんど停まっていない。入場料600円を払ってみたものの、中の様子は心配だった。センターハウスは立派な建物で外へ出ると緑の庭が広がった。丘に作られているのでちゃんと花が咲いていればそれなりにきれいそうだった。

借景に馬追丘陵
ゆにガーデンの向こうには馬追丘陵が続いている。

庭に咲いている園芸種の花は知らないものばかり。H多さんに教えてもらってハーブの葉っぱをすりすりして匂いを嗅ぐと、名前の通りパイナップルやレモンの香りがして面白い。たまに外れがあったりするけど、こういう楽しみ方もあるんだと勉強になった。山で間違ってウルシをすりすりしたら大変なことになりそうだけど。

ホトケノザっぽい

まだ時期が早いので、ほとんどの庭では花が咲いていなくて緑色だった。

まだ緑色の庭
二人とも階段を歩いていないのが面白い。

エゾハルゼミ
公園のあちこちでうるさいくらいに蝉が鳴いていた。

秘密の花園への扉

ふさふさ
葉っぱをすりすりするとふさふさしていて気持ちよかった。

コテージのおじさんに聞くと、今はまだ花が少なくて、7月に入るとリナリアが咲いてきれいになるらしい。やっぱり早すぎたみたいだ。下調べしていないので仕方ない。ここで結婚式をあげたりするらしく、写真も飾ってあった。

芝刈り

ベニシジミと

写真を撮りながらゆっくりまわると、結構時間が経ったけど、まだお腹は減らなかった。今回はエンサヤさんにデジイチを貸してあげたけど、エンサヤさんがデジカメの半押しを知らなかったことに驚いた。でも、使い捨てカメラから写真を撮るようになった人は、案外多いかもしれない。全部、日の丸構図になっちゃうけど。というわけで、みんなデジイチという写真部の撮影会になっていた。

ファーマーズマーケットをのぞいてから、栗山を観光しに行った。

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エンサヤ1周年記念

明日でエンサヤさんと知り合ってから1周年。そんなわけで、記念にちょっと調べてみた。

08/6/1 尻別岳 雨
08/7/13 雨竜沼湿原 雨
08/7/19 狩場山 曇
08/8/24 美瑛岳 曇

08/11/30 札幌国際 雪
08/12/7 札幌国際-朝里岳 雪
08/12/28 羊蹄山 雪
08/12/29 羊蹄山 曇
09/1/2 マウントレースイ 晴
09/1/5 ルスツ 雪
09/1/6 ばんけい 雪
09/1/11 ニセコモイワ 雪
09/1/12 チセヌプリ-ニトヌプリ 晴
09/1/15 1107 雪
09/1/17 ばんけい 雪
09/1/18 キロロ 晴
09/1/24 富良野岳 曇
09/1/25 富良野 雪
09/1/28 ばんけい ?
09/1/31 ばんけい ?
09/2/1 羊蹄山 雪
09/2/3 ばんけい 晴
09/2/5 ばんけい 曇
09/2/6 ばんけい 雪
09/2/7 ばんけい ?
09/2/8 音江山 (エンサヤ) 晴

?以外を数えると、夏冬通して全部で23回中、晴5回、曇5回、雨または雪13回。エンサヤさんが山へ行くと50%以上の確率で雨か雪が降っていることが分かった。エンサヤさんが大地に恵みの雨をもたらす。

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