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女工哀歌

北星フェアトレードフェスタへ行って来た。開演10分前くらいにファクトリーに着いたけど、会場が分からずさまよって、とりあえず、アトリウムへ行ってみたら会場を見つけてホッとする。でも、ほとんど空席。映画を観に来ただけだと思えばいいだろう。

上映会の前に、拓大教授の長坂さんの講演を聴いた。「女工哀歌」の解説から、フェアトレードの考え方まで簡単な話を聞く。映画を観る前だったので、ネタバレ満載だったけれど、ドキュメンタリーならまあいいか。ミカ・X・ペレド監督が撮影意図を隠して、工場の社長をおだてたりして、上手く撮影許可を得ているのには感心した。結局は、中国当局にバレて妨害を受けることになってしまったそうだけど。

CSRという言葉を初めて聞いた。企業の社会的責任 (Corporate Social Responsibility)のことなので、実は、日本共産党の国会質疑ではよく出てくる言葉だった。対トヨタ、対キヤノンなんかで。横文字にされると急に分からなくなる。収益だけでなく、環境と社会の3つを同時的により良くする経営をCSR経営と呼ぶそうだ。すべての企業が社会的責任を果たしていたら、こんな世の中にはなってるはずないな。

いままで、フェアトレードは公正な取引だと思っていたので、生産者の生存権を守るものだと考えてた。これは、見方を変えれば、消費者が生産者のことを知り、お互いに繋がることのようだ。それが、映画の中で主人公が最後にする行為に象徴されているらしい。

講演が終わっていよいよ始まった映画だけど、働く環境などが程度の差はあっても今の日本とそれほど変わらないと思った。農業では食って行けないので、大学へ行くお金がないので、街へ出て工場で働く。日本の農業と教育のおかれた状況とあまり変わらない。もちろん、中国の工場の労働環境はひどかった。14歳でも年齢を偽って働かされる。長いときには19時間労働を少女がまぶたに洗濯バサミを付けて行う。眠ると給料から引かれるから。パンフレットにも書いてあるけど、まさに「蟹工船」状態だ。給料不払いに対して14歳でもストで対抗しているのはすごかった。労働基準法を学校で学んだからだそうだ。

ジーンズの工場だったけれど、こんなのを観てしまうと、ジーンズを買うのをためらってしまう。もちろんみんなジーンズを買わなければ、工場は仕事がなくなって少女たちは職を失ってしまうけれど。だから、どうせ買うなら、フェアトレードのジーンズを買いたい。感想交流会で訊いてみたけど、そんなものはないらしい。ジーンズは安売り競争で、ますます彼女たちにしわ寄せが行っている。綿の大量生産で、農薬も大量に消費されている。安い製品を買うということは、流通コストをさっ引いたとしても、必ず低価格の犠牲になっている部分があるのを忘れちゃいけないんだろう。ダイソーとかね。

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調子に乗って交流会に参加してみたら、学生はほとんど帰ってしまったので残念。でも、ちゃっかりご馳走になって帰れたのはありがたかった。アルコールに頼って他の人たちといろいろ話した。北海道にも外国人研修生の問題があるらしく、これから調査するらしい。ジーンズ工場の少女たちのように、缶詰にされて働かされているそうな。みんな考えることは一緒だ。競争に勝つために安い製品を低いコストで作る。そのためには安い労働力。大量生産と大量消費、大量廃棄で成り立つ経済を改めれば、労働の問題も環境の問題も、いろいろな問題が解決できるはずなのに、競争原理、資本主義は恐ろしい。世の中金だ。

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