体験利用
見学の翌週の今週は体験利用だった。9時には施設の車が迎えに来るので、グランマにはいつもより早起きさせる。順調に準備が進み、30分前には出かける仕度が終わった。のんびり待っているのかと思ったら、グランマはさっさと玄関へ行って靴を履き始めた。どこへ行くのか尋ねると、「外で待ってる」と言う。パンフレットにだって家の中で待っているように指示があるし、いったいどこに年寄りを外で待たせる施設があるというのか。
言い諭して家の中に引き止めたものの、常にそわそわしている。窓の外を横切る車が気になって仕方ないようだ。グランマが「来た!」と言ったかと思ったら、急いで玄関まで歩いて行った。まだ、チャイムすら鳴っていない。せめて、チャイムが鳴ってから出て行くように言うと、今度はチャイムが鳴った途端、靴ひもも結ばずに飛び出して行った。そんなに「体験入学」に行きたかったのか?!
案の定、スタッフに靴ひもを結んでもらうことになる。決まりが悪いじゃないか。まあ、とりあえずシートに座らせてもらって、無事に送り出した。
17時くらいにチャイムが鳴って、グランマが帰って来たのに気付いた。玄関を開けると、スタッフに付き添われて玄関まで歩いて来るところだった。疲れているから休ませるように言われたけど、言われるまでもなく、とても何かをするようには見えなかった。昼寝するか聞いてみたけど、起きてるつもりのようなので、感想を聞いてみた。施設でどんなことをしたかなども。予想通り、答えは要領を得ないのであきらめる。正式に契約はしていないけれど、他の利用者に7月から来ると伝えて来たらしいことだけは分かった。まあ、行く気ならそれでいいだろう。
ママンにも相談して、翌日改めて施設へ電話を入れて、正式に契約を申し込んだ。今月中に書類ができれば、7月はじめから利用開始できるらしい。要支援は要介護とちがい、1ヶ月単位で計算されるので、月初めから利用しないと損することになる。介護予防とはよく言ったものだ。
驚いたのは、体験利用から帰って来たグランマの様子だ。施設で遊んだり運動したりしてきたら、元気になるのかと思ったら、むしろ疲れてしまって、今まで自分から嫌々でも少しくらいはやっていた家事すら一切やる気がなくなってしまったようだ。やってもらうことに慣れてしまって帰って来たようにも感じる。思わぬ展開だ。全然こちらの思い通りにはいかない。
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