施設見学
ケアマネージャーが来たときに説明を聞いたら、要支援1では基本的に週1回デイサービスを利用できるらしい。グランマの性格とかを考慮して、あまり人が多くなくて、アットホームな感じの施設を紹介された。そこで、先週、グランマに付き添って見学へ行って来た。
ケアマネージャーが施設へ連絡してくれたけど、当日まで施設から何も連絡がなかったので、本当に見学が申し込まれているのか不安になりながら、迎えの車が来るのを待っていた。予定時間を少し過ぎて、大きめのワンボックスが家の前に停まり、ちゃんと見学へ行けるようでホッとする。
車の中で施設の生活相談員に話を聞くと、施設まで遠いので1時間くらい車に乗らなきゃいけないらしい。身体が思うように動かない年寄り7、8人を送迎するのも時間がかかる理由だそうだ。でも、1時間ならトイレは大丈夫そうなので、車好きのグランマには問題ないだろう。
車が到着して施設の建物に入るとすぐカラオケの音が聞こえて来た。30人くらいの年寄りがスタッフと一緒にカラオケを楽しんでいた。手芸をやっているのは少しだけだった。けれども、カラオケで歌うのが嫌いなグランマは、手芸の方にに興味を持ったようだ。指が動かなくてもスタッフが手伝ってくれると聞いて安心したようだ。その後風呂に案内されて、髪や身体を洗うのも手伝ってくれると聞いて喜んでいた。運動に使う長い廊下には利用者の作品が飾られていたので、それを見ながら往復したのだけど、さすがにグランマはダウンした。近頃は運動不足で全然歩けなくなってしまった。
疲れたようなので、休憩室に入って施設や料金についての説明を受ける。この時点でグランマはもうこの施設が気に入ったようだった。本人が気に入っているなら、わざわざいくつも施設を見学するのも面倒だし時間もかかるので、次の週に体験利用を申し込んだ。グランマは「体験入学」と言っていたけど。
体験利用は昼食の実費以外は無料なので、気軽に申し込めてよかった。実際に利用した場合と同じサービスを受けられるので、これで問題なければデイサービスの施設がここに決まる。当日の持ち物には上靴が必要だったけれど、これは入院時にリハビリで使用した介護シューズでいいそうだ。むしろ、これが一番いいらしいけど、高価なのでバレエシューズで代用する人がいるそうだ。老齢基礎年金だけで生活している人なんかは、相当厳しいのだろう。介護にもしっかりと格差が広まっているのを感じた。
話を聞いた後、運動の時間が始まるらしく、グランマは見て行きたいというので、しばらく見学することになった。この日はスタッフが交代しながら、それぞれ身体をいろいろ使った体操をみんなでやっていた。途中でスタッフの一人が見学していたグランマに声をかけて参加させてくれた。スタッフの平均年齢が高めと言うだけあって、他にもベテランらしいちゃんとした対応がよかった。利用者もみんな楽しそうに体操をしている。身体を動かすが大嫌いなグランマも一緒に楽しく体操してた。ここなら確かに合っているように思った。
こういう介護職の人たちには、知識も必要だろうけど、センスや経験も大きいんじゃないだろうか。けれども、今の介護保険制度では介護報酬が低く抑えられているために、介護職では実際には食べて行けないくらいの状態らしい。北欧では介護職は専門性を高く評価されて、それに見合った報酬を得ているそうだけど、相変わらず日本が海外の制度を導入する時は、都合のいいところだけ真似するようだ。介護職は労働環境が悪くて人手不足だから、派遣切りにあった労働者は介護職になればいいというのはひどい話だ。数年前に公共事業を減らして土建屋の仕事がなくなったときと似てる。あの時は「介護ビジネス」と宣伝して騙していたけれど。
家まで送ってくれる車が用意できたので、見学を切り上げて帰ることになった。体験利用は9時から17時までのほぼ1日。今のところ本人は行く気満々なのでいいけれど、果たして「体験入学」はどうなることやら。
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