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絶望するな ダザイがいる

「人間失格」がなんとなく懐かしくて、絶望するな ダザイがいる ~太宰治「人間失格」誕生秘話~を観た。

文学少年ではなかったので、「人間失格」を読んだのは高校に入ってからじゃなかっただろうか。内容はあまり覚えていない。まして、太宰治の生涯についてはほとんど知らなかった。知っているのは最期くらい。「芥川龍之介になりたかった」ことも知らなかった。「走れメロス」という作品は知っていたけれど、どんな生活の中で書かれたものか知らなかった。たくさんの作品を残していたのも初めて知って驚いた。戦時中は軍国主義を讃える他の作家とちがい、ユーモアで民衆を慰める作品を書いていたとは。

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ところが、その行為が太宰自身を罪の意識で追いつめる皮肉な結果になってしまったらしい。日本の敗戦を境に、太宰は大きな違和感を覚えるようになる。それは戦後、多くの文化人が簡単に民主主義を唱え出したことにあった。太宰は自分を含む日本人が戦争に協力し、その罪の自覚をすることが必要であると主張したそうだ。同じ敗戦国のドイツとはちがって、戦争責任を曖昧に、あるいは、軍部に押し付けた日本の民衆に怒りがあったのだろう。

この構図は、小泉内閣の後に訪れた今の日本の不況と似ているように思う。「規制緩和」という言葉に踊らされて小泉内閣を支持した人たちは、今の不況をどう考えているのだろう。多くの人は、小泉元首相の言葉通り、すでに「痛み」を感じたはず。そして、「改革」は日本人の生活を壊しただけだった。

そういう意味で、生活を破壊されたという点では共通しているように思う。簡単に「民主主義を唱える」ことと、簡単に「民主党による政権交代を唱える」こととは、あまり違いないように感じる。敗戦後に唱えられていた「民主主義」が今どうなっているか。そこに目を向けないと、「政権交代」で何がどうなるか分からないと思う。

太宰治は最後に「人間失格」を書いたのが、日本人に罪を自覚させるためだったというのは驚いた。作品を書くために罪を重ね、脱稿後1ヶ月で愛人と心中。番組を見ると、考えようによっては、太宰治は戦争に殺されたようにも思えた。

今年は太宰治生誕100年らしいので、久しぶりに読んでみようか。

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