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Versailles

土曜日にはバイキングの前にシアターキノへ行ってベルサイユの子を観て来た。めでたくスタンプが貯まった。モーニングショーを狙って行って時間が早いからか、上映初日だからか、中は空いていた。

序盤を観ていて感じたのは、映像が暗いということ。暗いというのは雰囲気が暗いというのではなくて、映像自体が暗い。夜の映像は、被写体の表情がほとんど分からないくらいに暗い。実際、パンフレットのピエール・ショレール監督へのインタビューを読むと、映画の中心部分は表現上の意図で自然光で撮ったそうだ。確かに、効果的な表現だったように思う。

映画の中で印象に残った「あなたは素晴らしいわ」という言葉。この言葉が語られるシーンを観ていて思わず胸が熱くなった。まちがいなく、この言葉がニーナには必要だったんだと思った。パンフレットに寄せられたあさのあつこのエッセイにも、やはり、この科白について同じような感想が書かれていた。他者から認められることが自己肯定感につながっていく。

一方で、結局はベルサイユの森の中かどこかへと戻って行ってしまうダミアン。安易にハッピーエンドを期待してしまっていただけに、映画を観終わってから残った余韻がいずかった。エンゾが初めての学校で孤立しているシーンを観ているのは辛かった。子どもが学校という新しい世界に入って行くシーンは、最近は「ぜんぶ、ふぃでるのせい」のアンナを思い出した。彼女はあたたかく迎えられていたのに。そのエンゾも、最後にはニーナとの再会を果たすことができたのでホッとはするけれど。

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この映画を観終わると、自分はハッピーエンドを願っているんだと思った。誰もが幸せになれるとは思っていないはずなのに、そう願っているように思う。同じ列の座席に離れて隣に座っていた他の客は、映画の後半からすすり泣きを続けていた。もしかしたら花粉症だったかもしれないけれど。自分にも何かモヤモヤとしたものが残った。人のことは言えない。年食ってまちがいなく涙もろくなっている。「人生に乾杯!」の予告を観てるだけで辛かった。

ホームレスと子どもといえば、「東京ゴッドファーザーズ」という映画もあった。今敏監督のアニメだけれど、どこか共通しているところがいくつかあるように感じた。日本のホームレスを思い浮かべることを、パンフレットにエッセイを寄せいている杉村昌昭(龍谷大教授)も書いていた。でも、ドタバタの後で一応のハッピーエンドを迎えるので、「ベルサイユの子」より自分には観やすい。フィクションでもドキュメンタリーでも、不幸から目を逸らすべきじゃないと思っても、不幸を見たいとは思わない。当たり前か。

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そういえば、今月27日には、「反貧困ネット北海道」という団体が設立されるそうだ。

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