たかさき法律事務所9条の会 第11回例会
前日にOさんに誘われたので、たかさき法律事務所9条の会 第11回例会へ行って来た。
出発が遅れたので、会場へ着いたときにはもう例会は始まっていた。代表世話人の佐々木さんの「戦争を風化させてはならない〜沖縄見聞レポート」が始まったところだった。印象的だったのは、壕の中で「泣く子は利敵行為」と言われて日本軍の兵士に抱いている赤ん坊を銃剣で刺し殺された母親の衣服。
![]() | ![]() | 沖縄ノート (岩波新書)
著者:大江 健三郎 |
発表の最後の付録では、「教科書改善」の話が出て来た。チラシには、つい先日、静岡県知事選挙で、民主、社民、国民新の推薦を受けて、自公推薦の候補を破って当選した川勝平太の名前があった。今の社民党は政権交代しか頭にないのだろうか。自社連立の悪夢が蘇る。大連立ほど恐ろしいものはないけれど、どうせなら日本でも左派護憲政党の連立内閣が望ましい。
続く、奥野さんの講演「日本国憲法の価値と国民の憲法意識」は、タイトルこそ硬い感じだけど、話はとてもくだけた感じで聴きやすかった。奥野さんは専門の憲法学でも、民主主義について研究しているそうだ。そもそも民主主義とは何か。多数決で決めていい問題と、決めてはいけない問題がある。また、決定までの議論の過程が重要で、これを重視するものをDeliverative democracyと呼ぶ。この議論では、自分の本物の意見を言うことが大事だが、マスメディアの発達により情報が増えた中で、十分な情報を得て、じっくり考えるための時間的、経済的余裕が必要だ。ところが、今の国会にはその参考になるような議論がないとのことだ。
驚いたのは、奥野さんの名前の恒久とは、お父さんが日本国憲法の全文からとったものらしい。日本国憲法を研究すべくして生まれて来たようだ。
自民党も民主党も衆議院議員の定数削減を狙っていることを、いったいどれくらいの人たちが知っているだろうか。そして、定数削減の目的をその何割の人たちが知っているだろうか。「身を削る?」そんなに国会議員の給料がもったいないなら、ワークシェアリングすればいいじゃないか。もともと日本の人口に対する国会議員の数は他の国に比べて少ないのだから、増やしてもいいくらいだ。比例代表の定数削減で死票を増やしてどうするんだろうね。
などなど、とにかく、奥野さんの話を通して日本人のアホさ加減を思い知らされると、だんだん気が滅入って来た。バカバカしい。一方で、奥野さんが指摘した「国民の憲法運動の弱化」は同感だった。確かに、安倍内閣の頃ピークに下火になっているように感じる。ところが、最近の反貧困の動きは、憲法25条という観点からは、むしろ盛り上がっているように思う。より切実だからだろう。といって、9条がより切実にはなって欲しくない。ソマリア行っちゃったけど。
イントロに続いて日本国憲法の特色のひとつ、近代立憲主義について、「憲法は国民が国家権力を縛るための法」だということ。今の学生はこんなことも知らないらしい。
残念ながら、用事があるのでここら辺まで聴いて会場を後にした。
| 固定リンク | 0
コメント