Dear Doctor
もちろん瑛太ファンではないけど、「ディア・ドクター」を観て来た。
予告を一度観て、ずっと言えずにいた、もうひとつの「嘘」
が何かはすぐに見当がついていた。西川美和監督のインタビュー記事をどこかで読んでいたので、今回は映画にどんなメッセージが込められているか、ある程度分かった上で観て来た。だから、映画の冒頭で伊野治が「免許持ってない」と言ったときにドキッとした。自動車普通免許のことだったんだけど。
公式サイトには、人は 誰もが 何かになりすまして 生きている
という一節が載っている。けれども、劇中の台詞に出て来るように、おそらく周りが何かに仕立て上げるのだろう。確か、西川監督は前作の評価で期待の新人監督に仕立て上げられた自分を、伊野治に置き換えて表現したはずだった気がする。もちろん、西川監督が失踪したわけではないし、確かな作品を残したと思う。それでも、エンディングはエクスキューズだったのだろうか。果たして自分はいったい何になりすまして生きているのだろう。
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「嘘」がこの映画の一番大きなテーマになっているようだけれど、見方を変えれば、僻地医療の問題を訴える映画でもある。反対に、大都市の病院における医療の問題点も指摘している。細かいところまで目をやれば、日本の医療をさまざまに告発しているようにも感じた。もちろん、医療以外でも、田舎を上手く表現していた。
映像が期待以上に美しかった。里山の風景が美しい。風になびく緑の稲、棚田。自然と共存していることが伝わって来る。こうした日本の美しい風景は、いったいいつまで残っていることだろうか。
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