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有機栽培ほうれん草

スーパーの有機野菜コーナーで、有機栽培ほうれん草を買ってみた。普通のほうれん草に比べて価格は2倍以上。少し悩んでからかごに入れた。

特にメニューは意識しないで、いつものように何となくお浸しを作ってみた。すると、普段食べている普通のほうれん草のお浸しよりも、甘みがあって歯ごたえもシャキシャキしている気がする。家族も同じ感想のようだ。買ったときは、有機野菜もそれほどちがわないんじゃないかと懐疑的だったけれど、予想以上のちがいに驚いた。

今回食べた有機栽培ほうれん草はJASの認定を受けているので、化学肥料や農薬の観点でも、ある一定の安心感がある。美味しくて安全な野菜を食べるには、有機野菜を選ぶのは有効だと思った。ただし、価格が高い。ほうれん草の値段しか見てないけれど、どの有機野菜もほぼ2倍の価格だとすると、食費の野菜の分は単純に2倍になってしまう。

今の日本では貧困が広がって、削りやすい食費から削っているという話を聞く。食の安全を確保しようにも、金がなければ仕方がない。一方で、農家の側も、理念もあるだろうけど、普通に野菜を売っていては割に合わないから、高付加価値の有機野菜を作っているのが現状だろう。有機栽培が農家間の競争の手段として行われるのではなく、日本の農業の「スタンダード」になって、農家の収入と消費者の購買力とのバランスがとれるようになるといい。

それにしても、出かけたときに直売所に立ち寄ると、あまりの安さに驚く。普段、いったいどれほど中間マージンが取られているのか。既存の流通システムにも役割があるとは思うけれど、農業が割に合わない一因のように思える。一方で、農地法の改正で、北海道では企業による農業への参入が話題になっているようだ。

これまでスーパーが農家と直接契約するということは知っていたけれど、今度はスーパー自体が農作物を生産するようになるらしい。生産から流通、販売まで行えば、確かにコストが抑えられて、仮に有機栽培のコストが付いても、今まで通りの価格で消費者は買うことができるかもしれない。けれども、では、従来の経営をして来た農家はどうなるのか。スーパーが進出して商店街がなくなったのと同じことが、農業でも起こる気がする。また、スーパー同士の競争が始まって激しさが増したときに、利益を優先して食の安全性が蔑ろにされる危険もある。小規模農家が淘汰された後で、農業を舞台に市場競争が繰り広げられるとしたら恐ろしい。農業における海外研修生の労働問題もあるらしいし、今後は農業の派遣労働者の問題が生まれるかもしれない。

有機栽培ほうれん草のお浸しを食べながら、そんなことをぼんやりと考えた。でも、ちゃんと調べないと分からないなぁ。

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