南平岸住民の集い
大家さんの話を聴きに行こうとグランマを誘ったら、意外にも一緒に行くと答えた。会場が近かったからだろうか。。元気な人には近いとはいえ、グランマにとっては長い道のりだ。道具を使う能力が猿並に低下しているので、杖すら上手く使えない。それでもヨロヨロ歩いて会場まで着いた。そんなわけで、「自公政権を終わらせ、共産党を躍進させる 南平岸住民の集い」へ行って来た
玄関に入って靴を脱ぎ、会場の案内を見ると2階だった。エレベーターはないので、階段を登るしかない。階段を見つめてグランマはため息をついた。息を切らしながら階段を登り切ると、すでに20人くらいが集まっていた。ちらっと見回しても、グランマが最年長のように見える。少なくとも見た目は。
開会の挨拶の後、NHKスペシャルを少し観ながら大家さんが話した。10年の歳月は大きいと思った。そう考えると、日野原さんや品川さんはすごいと思う。番組に抗議する人たちが産經新聞に載せた広告を見せてくれた。賛同者の名前の中に、「愛国三人娘」なんてのがいたけど、どうもうさん臭い。安倍晋三と中川昭一が仕切っているそうだけど。
続いて、コーラスが始まった。知らない歌をおじちゃんおばちゃんが歌っていても全然楽しくない。最後にみんなで歌いましょうと言われたけど、もちろんそんな気ない。でも、グランマが一緒に歌っていたのでよかった。これはボケ防止にいいかも。
最後は岡ちはる候補の話。赤旗を読もうと言っていた。スポンサーの大企業の悪口を書けない全国紙や地方紙よりもいいそうだ。2紙目にとる余裕があるならいいだろうけど、ソースがこれだけだとダメだと思う。とはいえ、道新なんかがいつも自民・民主のことしか書いていないのは確かだ。でも、自民・民主の他には、共産党以外にも、公明・社民・国民新などなど、他にも政党があることを話してなかった。
参加者のほとんどがアラウンド後期高齢者なので、高齢者の医療問題には力が入る。思ったのは、共産党支持者の年齢層がこれだけ高ければ、その高齢者に長生きしてもらわないと躍進どころの話じゃない。死活問題なのだろう。まあ、自民党も口では「お年寄りに安心を」なんて言っているから、どこも議席が欲しいのは変わらない。当選した後で公約を守るかどうかがちがうだけで。
公明党が主導した定額給付金のバラまきは、特定のところにだけ2兆円もの税金を使ったけれど、高齢者の医療費を無料にするというように平等に使わなければいけないというようなことを言っていた。でも、公明党の肩を持つ訳でもなんでもないけれど、定額給付金は「平等に」バラまかれたわけで、本来税金は、必要なところに重点的にバラまくものだ。社会的弱者を救うために使うべきだろう。論理が間違っている気がした。
麻生太郎が「子どもに未来を、若者に希望を、お年寄りに安心を」と本当に言ったかどうかは知らないけれど、自公政権で子どもに未来がますますなくなったのは確かなのだろう。宿泊学習へ行けなかった中学2年生の話だった。母子家庭で母親が15,400円?の費用を払えないので、仕方なくみんなを見送ったそうだ。母親は「そんな惨めなことをするな」と止めたらしいけど、その子は当日まで「一緒に勉強して準備したから」と言って出かけたそうだ。その子へみんな、買ってはいけないお土産をこっそり買ってくれたそうだ。公立中学校でこの有様。憲法が保障するはずの「ひとしく教育を受ける権利」が守られていないと言っていたような気がした。
で、憲法26条を見てみると、
1. すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
2. すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。
今のところ、中学校は義務教育だから、第2項からは無償じゃなきゃいけないことが分かる。おかしいね。親に学費の支払い能力がなければ、ひとしく教育を受ける
ことすらできないのが、今の日本の教育のようだ。
若者の話はちらっとだけ出て来た。きっと会場に若者がちらっとしかいないからだろう。
財源の話では、企業に社会的責任を果たさせることを強調していた。大企業を切り刻んで全部中小企業にする訳じゃないとも。
そりゃそうだ。リーマンショック以前の好景気で空前の利益を上げながら、法人税減税で内部留保を溜め込んだ企業に、好景気の立役者だった労働者に利益を還元させるのが当たり前だ。残業やボーナスがなくなって、正社員も住宅ローンが支払えずに家を手放すのだとテレビでもやっていた。好景気のときの債務があるとかってのは言い訳にはならない。そんなのはただの経営ミスだ。
自民党にもらった資料を見せられた。自民党の政策に対する経団連の評価の星の数が増えごとに、献金額が増えているというグラフだった。自民党は四半期ごとに経団連へ出向いている。法人税減税はあからさまだから、今は研究開発減税と名前を変えて、大企業を支援しているらしい。国税庁かどこかに問い合わせたそうだ。「北海道ではどのような企業が減税を受けるのか?」と聞いたら、資本金10億円?100億円?以上の企業が対象だから、トヨタやパナソニックなどの系列企業でなければ減税されないらしい。こういう減税を止めるだけで5兆円の財源が確保できるらしい。
経団連詣では民主党もやってるので、岡さんの個人的予想では、民主党は企業献金は禁止するつもりはないんじゃないかということだった。「ダイエットは明日から」というのと同じように、「企業献金の禁止は3年後」と言っている民主党は、絶対禁止しないそうだ。例が分かりやすい。そこら辺のおばちゃんやねーちゃんと考えることは一緒みたいだ。そうなると、4年間は消費税を上げないというのもかなり怪しい。4年経ったら絶対上げる。それまでは上げるかもしれないくらいだろうか。
経団連の指示を受けて消費税を財源にする自民党と民主党に対して、法人税の共産党はいつものように軍事費を廃止して財源に当てるという主張を繰り返している。この点は程度の差はあるかもしれないけど、社民党も同じだったような気がする。でも、今回の集まりでは軍事費がどのように無駄なのかといった議論はほとんどなく、「戦争は止めましょう。9条を護って戦争をしない国でいましょう」というような情に訴えるものだった。参加者に合わせて話を選んでいるのだと思うけれど、誰だって戦争なんかしたくないんだから、もっと改憲派にも説得力のある議論を展開させて欲しかった。
そういえば、農業政策の話もしていた。民主党の前原は、北海道の農業を「喉に刺さった骨」と表現したそうだ。「非効率な」家族経営農業は国際競争力のある農業にとっては邪魔らしい。石破も前原と意気投合したらしく、今度の農地法改正はそういう流れなのかな。民主党はアメリカとのFTA締結を公約に掲げているし、日本は自給率が上がるどころか、途上国並に外資や穀物メジャーに搾取されるようになるんじゃないだろうか。自動車や電機といった輸出産業保護のため、これからも生け贄として捧げられる。これまで「保守」でやってきた「田舎」の農民たちが、今回の選挙でどんな判断を下すのか。
とはいえ、自民党や民主党のエリート議員や2世・3世議員とちがって、庶民的なところに好感が持てる。選挙前には有権者に向って土下座していた武部が忘れられない。そんな候補者も、いったん当選してバッジを付けてしまえば、そんなことはなかったかのように国民の声も聞かずにふんぞり返る。騙されるのが悪いと言ってしまえばそれまでだけど。
いろいろ話したいことはあったけれど、グランマがいたので飲み会には参加せずに帰った。どうせ近くだから、今思えば出直してもよかったかも。同じ選挙区では、民主党が荒井さとしだったっけな?公示は10日後か。
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