善性寺丸木美術館
温泉の後で、秩父別の善性寺へ行った。丸木美術館があるからだった。ママンは道新の記事を読んだらしく、秩父別は北竜から近いので見に行った。
秩父別にもう一つの「原爆の図」 画家の故・丸木俊さん実家「善性寺」に展示(08/14 15:39 北海道新聞)【秩父別】「原爆の図」などで知られる画家、故・丸木俊さんの実家、空知管内秩父別町の善性(ぜんしょう)寺に「1992・原爆の図」という屏風(びょうぶ)画がある。俊さんが、夫の故・位里さんとともに、原爆投下直後の広島を描いた絵だ。2000年1月に俊さんが亡くなってから10度目の終戦記念日を迎えるこの夏も、同寺住職で、俊さんのおい赤松良海さん(60)は、屏風画を見に訪れる人々に平和の大切さを説き続ける。
広く知られる「原爆の図」は、原爆投下直後に位里さんの故郷でもある広島を夫妻が訪れ、目撃した惨状を、1950年から32年間かけて描いた全15部の連作。埼玉県東松山市の「丸木美術館」で公開されている。
「1992-」は縦1・8メートル、横3・6メートル。92年に善性寺のために描かれた、もう一つの「原爆の図」だ。黒焦げの髪。焼けただれた皮膚。ぼうぜんと向き合う裸の姉妹。中央で目を大きく見開く少年には、この凄惨(せいさん)な状況を忘れないよう、しっかり目に焼き付けなさいという思いが込められているという。
屏風絵を見学するため、道内外から訪れる人がいる。その度に赤松住職は、必ずこの少年の説明をする。「ささやかですが、こうして俊さんと位里さんの反戦の願いを伝えることが、私の務めだと思うんです」
屏風画は、同寺内の丸木美術室に展示されており、入室料は400円(高校生以上)。団体の場合は予約が必要。問い合わせは善性寺(電)0164・33・2106へ。
丸木一家の絵は、2年前に旭川美術館で見たことがある。どちらかというと、丸木スマさんの絵の印象の方が強かったけれど、善性寺の展示の多くは丸木俊さんの作品だった。善性寺の美術館には学芸員がいるわけではなく、家族の方が解説をしてくれた。原爆の図に30年以上を費やして暗い絵ばかりを描いていたので、絵の具を使うのが楽しいと俊さんが言うほどに、原爆の図の完成後の作品は鮮やかで明るかった。
スマさんの作品も3点だけ展示してある。何とも独特な作品。思うままに描いたものだという。もう少し長く生きていたなら、もっとたくさんの作品を残したことだろうと位里さんが語っていたそうだ。最近は、絵手紙ブームでスマさんの作品が人気だとか。
最後に墨の作品を観た。モノクロの中にふきのとうが鮮やかに浮き上がって見えて美しい。俊さんは子どもの頃しか北海道にいなかったらしいが、北海道を愛していたそうだ。いくつかの作品には北海道の情景が描き込まれていて、そうした思いが伝わって来る。
11月はじめまで展示しているらしいけど、連絡をしてから行った方がいいそうだ。近頃は団体で札幌から秩父別の温泉に泊まって、美術館へ訪れる人たちもいるらしい。
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