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山形ウッドエネルギー

山形ウッドエネルギーが運営する木質ペレット製造施設を見学するため、阿部林業へ行った。北海道でもペレットストーブのことを耳にすることはあったけれど、実物を見るのはこれが初めて。林業についてこれまで学ぶ機会もなかったので、初めて知ることが多かった。

施設へ近づいて行くと、大きな山が見えてくる。たくさんの木が積み上げられて、20 mくらいの高さの山ができあがっていた。きれいな木ばかりではなく、泥で汚れた木の根っこまで一緒になっているのが分かった。

ペレット原料の山

建物の中へ案内してもらい、山形の林業と木質ペレット事業について話をうかがった。林業で有名なところは、長野や青森、秋田であるらしいけれど、秋田では杉を最近ではおおかた切り尽くしてしまったらしいというのは驚きだった。家の新築が減ったり不景気で紙の使用が減ったりと木が使われなくなったため、林業が不振となり就業者も5年で半減しているそうだ。

木質ペレットには、製材の残りに加えて、道路工事など出るものや剪定材など、木なら何でも原料にできるそうだ。しかも、事業としては廃棄物の処理として行うので、原料はただどころか処理を引き受けることで利益が入る。環境との関わりでも、カーボンニュートラルなので地球温暖化防止に効果があるそうだ。廃棄物を原料として製造した燃料は、空気中の二酸化炭素を吸収して育った木材なので、石油を燃やすよりも遥かに環境に優しいということらしい。確かに、ペレットの普及が望まれる。

とはいえ、ペレットストーブはさすがに石油ストープのようには使い勝手は良くなさそうだった。薪ストープに比べるとタールが出ず、灰も少なくてメンテナンスは楽らしい。山形も北海道と同じく、灯油は家の外にある灯油タンクに配達され、家の中にあるストーブへポンプで灯油が送られるようになっているそうだ。けれども、ペレットはそもそも事業所などのボイラー向けには配達されているけど、家庭用のペレットストーブ用には配達されていないらしい。ストーブの火力も強いので、大きな部屋がある家でなければ、使いづらそうだ。ペレットストーブの普及率が低い現時点では、ペレットが灯油の半額だとしても、いろいろと不便だろう。けれども、ペレットストーブの火は、灯油ストーブよりも温かい印象があった。

ペレット製造工場を見学すると、細かい木の粉が舞っていて、アレルギー性鼻炎持ちにはとても辛かった。鼻水が止まらない。こういう場所には長く居られないと改めて思い知った。力強く稼働する機械に感心しながらも、早く工場の外へ出たかった。

できたてほやほやのペレット

最後にいただいた、チップを燃やして作ってくれたチーズの薫製が絶品だった。

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