講演会「雪崩から身を守るために」
今年の講演会「雪崩から身を守るために」は、去年まで(といっても、2回しか参加したことないけど)のかでる2・7から会場を札幌市産業振興センターに移して行われるようだ。日程も平日の夕方から、参加しやすい土曜日の午後へ変更になっている。
去年の講演会の進行に不満だったので今年はTwo Avalanche Meetingsだけ行こうと思ってた。けれども、講演会の内容を見てみると、第二部では先シーズンのニトヌプリと羊蹄山での雪崩事故についての報告があるようなので、やっぱり行ってみようかと思い直した。
ニトヌプリの雪崩事故が起こった斜面は、5シーズン前に滑って、危うく雪崩に遭いそうになった場所と同じような気がする。羊蹄山の雪崩事故が起こったのは、京極コースの北側の沢だった。(雪氷学会積雪調査(PDF))2シーズン前に好天が続いていたときは、しばらく降雪もなくて積雪が安定したクラスト斜面で、事故が起こったのとは反対の南側の沢を滑った。先シーズンは、吹雪の中で同じ南側の沢を滑り、ヒヤっとする瞬間もあった。
2シーズン前の上ホロカメットク山では身近な「人」が雪崩事故に遭ってショックを受けた。それでも、上ホロのような、急でアイゼンがなければ行けないような場所には自分が行くことはないだろうと思って、他人事のような意識だったことは否定しない。
一方、先シーズンの二つの雪崩事故は、身近な「山」で起こったことにショックを受けた。普段、自分たちが滑っている山域や斜面で事故が起こったので、判断を誤ればいつ自分が雪崩事故に遭うか分からないと思い知った。実際、弱層テストの結果がよくなくても滑ってしまったり、小さな雪崩を誘発してヒヤッとすることもある。今まで事故に遭わなかったのは、たまたま運がよかったからだと思えなくもない。万一の事態に備えて、ビバークできるようにしておかなくては。
今度の講演会でも、「概要と検証」は雪崩事故防止研究会の大西さんが行うようだ。去年はプレゼンがすごくてそっちに目を奪われ気味だったけれど、今度は内容にちゃんと注目しよう。
ちなみに、先日秋田谷先生に聞いたけれど、雪崩事故の破断面の情報というのは、なかなか得られないそうだ。というのは、結局、調査が行われるのは事故が起こってから数日後で、その頃には破断面の状況は変わっていたり、同じ場所を調査できないかららしい。つまり、雪崩を誘発したら、誘発した人が破断面を観察するのが、データを取る意味では一番効果的ということのようだ。もちろん、雪崩が起こった場所からは、安全のために早く非難した方がいい。支えを失った破断面より上方のスラブが、いつ落ちて来るか分からないから。でも、研究者としては新鮮な破断面の情報が欲しいらしい。可能な範囲で協力しよう。もちろん、雪崩になんて遭わないで済めばそれに越したことないけど。
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コメント
こんにちは、三段山クラブの大西と申します。
以前のセミナーではプレゼンを褒めていただいて恐縮です。
さて、
雪崩事故防止研究会員としてお願いがあります。
私はセミナーでニトヌプリの報告を担当しているのですが、ニトヌプリの南西斜面の様子が分かるビデオを探しておりました。
2008年1月26日の記事に掲載されているビデオ、素晴らしいですね。こちらの後半部分がニトヌプリ南西斜面を滑っている様子だと思うのですが、ビデオを編集して該当部分を抜き出したものをセミナー内で使用してもよろしいでしょうか?
メールアドレスが分からなかったので、こちらに書込みさせていただきました。どうかご検討ください。
投稿: 大西 | 2009年10月23日 (金) 21時54分
追記です。
2007年3月18日のビデオ 3:50〜も、こちらがニトヌプリ南西斜面を撮影したものなら、とても様子が伝わると思います。こちらもご検討いただけますか?
それにしても、こちらのブログ大変面白いですね・・読みふけってしまいました。
投稿: 大西 | 2009年10月23日 (金) 23時28分
>大西さん
2008年1月26日には南西斜面を滑っていませんが
2007年3月18日のビデオの3:50〜は南西斜面です。
こんなビデオでもよろしければどうぞお使いください。
大西さんには以前にも2007年3月27日の旭岳での雪崩について
報告の依頼を受けたことがありました。
今回もこのような形でお役に立てて光栄です。
いろいろなと三段山クラブを目標にしてましたので。
ブログには失礼なことを書いていたかもしれませんが
大目に見てください。
褒めていただいてこちらこそ恐縮です。
投稿: H本 | 2009年10月24日 (土) 01時05分
H本さん、ありがとうございます。
そうでした、旭岳の雪崩でもお世話になりました。失礼しました。
こちらのブログをきっかけに知り合ったS倉さんとは、その一件以来深い関わりができました。運命的なものを感じます。
では、2007年3月18日のビデオを使わせて頂きます。
今回はじめていろいろ過去の記事を拝見しましたが、記事はもちろん写真やビデオやコメント欄で大変楽しませてもらいました。当方こそ目標にしたいところです。
お互い雪崩にやられないよう気をつけていきましょう。
今後ともよろしくお願いします。
投稿: 大西 | 2009年10月24日 (土) 06時56分
>大西さん
S倉くんと大西さんに深い関わりができてるとは知りませんでした。
逆にぼくはS倉くんとはもう長いこと会ってませんので
今度連絡してみようかと思いました。
そういえば、上ホロ雪崩事故報告書について
コメント欄の議論で白熱したのを思い出しました。
それがきっかけでOくんと決別することになったのは
笑うに笑えませんが……
大西さんと雪崩事故防止研究会の活動に期待してます。
セミナーが成功して雪崩事故が減るといいですね。
今後ともよろしくお願いいたします。
投稿: H本 | 2009年10月24日 (土) 09時39分