しのびよる貧困 子どもを救えるか
昨晩、NHKスペシャル セーフティーネット・クライシス vol. 3 しのびよる貧困 子どもを救えるかを見て、ちょっと複雑な思いだった。
経済的な理由で大学進学をあきらめたり中退する高校生が急増していることが、子どもの貧困の一つとして認識されるようになったと思う。番組でも、親が失業して授業料が払えない生徒が紹介されていた。その生徒の言葉が、「とりあえず、大学へ進学することが夢だから」だった。単に言葉足らずだったのかもしれないけれど、大学へ進学する目的とはいったい何なのだろう。
小さな子どもを抱えて、保育所に子どもを預けることもできず、思うように働けない女性も紹介されていた。予想通り、離婚したシングルマザーだった。雇用における女性差別が依然として根強い日本で、母子家庭の生活が大変なことはもう広く知られていることだと思う。子どもを貧困に追いやっているのは、こうした思慮が足りない母親たちでもあるんじゃないだろうか。晩婚化の一方で、母子家庭や虐待が増加する。
セーフティーネットの不備が問題なのはもちろんだけれど、こうした状況を見ると、仮にセーフィティーネットを整えることができたとしても、すぐに新しい問題が生まれて来るような気がしてならない。セーフィティーネットの整備と同時に、より根本的な問題まで掘り下げて議論する必要があるのだと思う。なんて、自分のことを棚に上げつつ考えてみた。
子どもの貧困
販売元:明石書店 |
子どもの貧困―日本の不公平を考える (岩波新書)
著者:阿部 彩 |
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コメント
子どもの親は母親だけではない。
たとえ離婚しようが親は親。
離婚したら子どもを養育しない父親も思慮が足りないことに気づけ。
投稿: | 2009年12月28日 (月) 12時18分
親の責任の重さについての自覚が
父母ともに欠けている。
親を選べない子どもが一番不幸だ。
日本が母親にとってどんなに理不尽な国だったとしても
苦しむのは母親だけではなく子どもも苦しむ。
何でそんなに簡単に結婚・離婚するのか理解できない。
投稿: H本 | 2009年12月28日 (月) 16時09分