« 恒例!?上ホロ雪崩 | トップページ | 天国にいる息子へ »

三段山に始まり 三段山に終わる

昨日は北大で開かれた冬山登山講習会へ行って来た。

18時ちょっと前に会場へ行くと、さすがにまだ人は少なかった。受付で名前を書くと、意外とたくさん学外の参加者も来ているようだった。スクリーンには「三段山に始まり 三段山に終わる」という言葉が三段山クラブのロゴと一緒に映っている。なんかカッコいい。会場でえすきくんと合流して少し経って、講習会が始まった。

はじめに北大山スキー部顧問の?さんからの挨拶があり、続いて講師の大西人史さんが紹介される。拍手がなくて不思議に思っていたのは自分だけ?以下はノートのつもり。事実とそれほど大きくちがわないと思うけど。

大西さんは「三段山に始まり 三段山に終わる」という言葉についてから話し始めた。山の恩師の言葉なのだそうだ。この後、三段山の魅力についていろいろと語ってくれた。そして、実は三段山クラブは結成10周年らしい。DVDには1999年の映像があったので、結成当初から撮影していたみたいだ。すごい。

三段山クラブの活動について、まずは2006年の映像を通して紹介された。とても楽しそうだ。「END OF THE LINE」とかを観るよりテンションが上がる。最後の方でnaokissさんのどアップが出て来たような気がする。でも、上がったテンションは一気にたたき落とされた。2001年4月24日に、三段山クラブのメンバー2001年4月22日に、大西さんが元所属していた山岳会の山仲間が単独で上ホロへ行って遭難したそうだ。滑落して凍死。同行者がいれば助かったかもしれないという。そして、この時は救助隊も負傷したそうだ。雪崩事故に遭うということは、自分だけでは済まないことを強く意識させられた。まあ、実はビーコンを買ったのも、救助隊の二次被害を避けたかったからではあるけれど。自分の遺体捜索は早く済んだらいいと思って。

カミフ山岳エリアへの冬期入山者数は2006年から2倍近く2006年の約900人から約3,000人へと3倍近くに急増していて、そのまま推移しているようだ。遭難件数は大きく増えていない一方、原因がはっきりと変化していた。1986年以前は天候悪化が最多なのに対して、1987年以降は遭難・死亡事故の原因も雪崩が最も多くなっている。大西さんは雪崩報告件数のグラフから、雪崩がほとんどない第I期、1年に1件くらい報告されている第II期、報告が急増した第III期とに分けて分析していた。第I期はルート開拓期で、第II期は登攀訓練が盛んになった時期、そして最後の第III期が滑降系が増加した時期だと考えられるそうだ。以前の山スキーは尾根を登り尾根を滑り降りていたのに対し、現在では行動域が拡大して尾根を登って谷を滑り、また登り返して谷を滑るというスタイルに変わって来ているらしい。昔はよく知らないけれど、確かに上りと下りのルートがちがうことの方が多い。

ちょっと、自分のログを調べてみると、なんとカミフ山岳エリアへ初めて行ったのが05-06シーズン。しかも、初冬から春にかけて4回も入山していた。その後も毎シーズンカミフまで出かけて行っている。実は、自分自身も急増に貢献していたみたいだ。以前は札幌近郊とニセコ周辺を滑っていたけれど、カミフへ行くようになったのは友だちに連れて行ってもらったからだった。当時はBC初心者で自分でルートを探すこともできなかったので、いきなり渡渉で始まる富良野岳には焦った。でも、そんな場所にも今度は新しい友だちを連れて行ったわけで、まさに自分が急増に関わっている。

大西さんの話はレジュメとも順番がちがったので、これ以降は順番適当。確か、雪崩れやすい地形の話に進んだ気はする。大西さんは正直に雪崩れやすい斜面はスキー、スノーボードに適した地形だと言っていた。確かに、このことが一番悩ましい。滑って楽しい斜面ほど雪崩リスクが高い。他に、コンベックスロールについて映像付きで解説があった。こういう尾根地形にはクリフジャンプでもしに行かない限り縁がなさそうだ。岩場の雪崩れやすさを考えると、カミフ山岳エリアは結構危険なんじゃないかと思った。特に、安政火口や三峰山沢、前十勝岳などは岩岩だ。しかも、岩場で雪崩に巻き込まれると、スキーヤーが岩にヒットする「おまけ(笑)」があるらしい。

雪崩れやすい地形を避ける他にも、雪崩れやすい天候を避けることも必要で、逆に危険なのが、強風・豪雪雨・温暖・新雪に雨らしい。シーズンはじめも新雪に雨という天候はありそうだ。そういえば、去年の黒岳では虹が見えたくらいだ。当時、山ではそれなりに危険な状況だったのかもしれない。

大西さんのオススメするコンプレッションテストは、前からやりたいとは思っていても毎年スノーソーを買い忘れて、結局今まで一度もやっていない。ハンドテストで済ませている。一番正確だというルッチブロックテストも、面白そうなので一度試しにやってみたい。でも、積雪の安定性は場所によってちがうので、こうした弱層テストは複数回場所を変えて行う必要があり、一度でも危険な評価が出たらそれを採用した方がいいとのこと。すべて安全だと確認できたら、さらにスキーカットをするのがいいようだ。これは、先日の講演会でも大西さんが話していた。

けれども、スキーカットは安易にやらない方がいいということを、大西さん自身の失敗を例に強調していた。2009/4/5の三段山スキーツアーで、弱層テストの結果はレッド(危険)だったけど、滑りたそうな他のメンバーを抑えることができなくて大西さんのコメント)、スキーカットをすると雪崩れたそうだ。プロのパトロールでもない人間が、危険な斜面で安易にスキーカットをするのは危険で、飽くまで複数回、場所を変えて弱層テストを行った結果、安全が確認できた段階でスキーカットするべきだと話していた。また、このケースは典型的なヒューマンファクターによる雪崩事故だと言える。弱層テストを行った大西さんは滑りたくなかったそうだけど、パーティーの雰囲気に流されてしまっている。自分が雪崩事故に遭ってこそないけれど、こうした状況には思い当たる節があるので、冬山では常に冷静で客観的な判断をするように心がけたいと思った。

雪崩を回避するためには、明らかに危険な雪崩の兆候を見逃さないこと。見つけたら、速やかにそこから離れなくてはいけない。類似した斜面が雪崩れている場合もそうらしいが、紹介にあったのは雪崩れた斜面の横を滑ったシュプール。富良野岳G尾根の写真だった。手前の斜面が雪崩れていたので、奥の斜面を滑ったという話だった。デンジャラス。ワッフ音という、しもざらめ系の弱層の上を歩くと雪が陥没して聞こえる音があるそうだけど、幸か不幸か今まで聞いたことがない。歩いていて斜面に亀裂が走ったことはないけれど、滑っているときに亀裂が走るのを見たことがある。斜面が急になる手前だったので、慌てて逃げようとしたらビビって転んでしまったけど、その時は幸い何も起こらずに済んだ。吹雪の日でチセヌプリから撤退して来た後のニトヌプリ。ニトを登り返さずに真っすぐ撤退するか、登った西斜面を滑るべきだったのだろう。

雪崩リスクを低くするための行動として、雪崩を起しそうな斜面を横切る場合には、できる限り斜面の上部を一人ずつ通過するという点を大西さんは強調していた。2007年11月24日に安政火口近くの化物岩で雪崩事故に遭遇した日本山岳会北海道支部のパーティーは、11人が一列になってデブリの上を通過しているときに、もらい雪崩で4人が亡くなった。こんなに密集していなければ、一度に全員が雪崩に遭うことは避けられたかもしれない。この事故については去年の講演会でも報告を聞いたけれど、日本雪氷学会の注意を知らなかったらしい(大西さんのコメント)。でも、情報収集能力がないと切り捨ててしまうのもよくないだろう。確かメンバーは平均年齢高め。自分のようなネット依存症は少ないだろう。デジタルデバイドな予感。中高年にネットしろというのはおそらく酷だろうから、ここは地デジで雪崩情報配信か?このパーティーに限らず、登攀系雪崩事故は11月に集中するそうだ。そして、スクリーンに映し出されたのは、雪崩の走路に広がるテント村の写真。その地点が雪崩の危険が高いことを知っていたパトロール?が注意したところ、自分たちは山のプロだと言って注意を聞かなかったそうな。2年前の事故があって、ようやく彼らはベースキャンプを移動したらしい。雪崩事故で大きな犠牲が出なければ対応が進まないことを、大西さんは厳しい口調で指摘していた。悲しいことだけど、火山の減災に努めていた岡田弘先生も繰り返し語っていたような気がするけど、人間は痛い目に遭わないとダメなのだろう。それでも、一歩ずつ進むことが大事なのだと思う。とはいえ、他の人はともかく自分が犠牲になるのは嫌なので、日々精進。

滑るときの雪崩への備えとしては、衣類のファスナーなどを閉めておくべきらしい。開きっ放しになっていると、ここから雪が入って低体温症になりやすいのだそうだ。考えてもみなかった。エスケープルートを考えておくことと、万一、リーダーが雪崩に埋没しても混乱しないようにグループ全員が行動の判断プロセスと計画を共有すべきらしい。ただ、これを徹底するには、メンバー構成を厳しくしないとダメだろう。意思疎通が容易な4-5人くらいのグループにして、各自が最低限の冬山やスキーの知識、技術を持っていることが必要になる。友だちを雪崩で失わないためにも、覚悟が必要なところだろう。大西さんの説では、滑走時の雪崩回避能力が一番高い上級者が最初に滑った方がいいらしい。先日、塚原さんもガイドが先に滑ると言っていたことを通じるのかもしれない。

雪崩に巻き込まれたときは、同行者に雪崩に巻き込まれたことと埋没地点を知らせるために叫びながら、流れから横に、特に、滑降時には45°で滑って逃げるらしい。実際、こうして滑って逃げている映像が映されたけど、自分ではまず無理だろう。スキーを外すのは無理でも、ストックはそもそもループをしない方がいいそうだ。スキーもリーシュを付けない。雪崩に引きずり込まれないようにらしい。とはいえ、ストックはともかく、滑走時にリーシュを付けないのは恐い。ただでさえゲレンデとちがって斜面には何が隠れているか分からない。万一、板が外れて深雪に埋まって紛失してしまったら、帰れなくなるという危険もある。同じ観点から、ビンディングの開放値も山では高めに設定してある。雪崩に巻き込まれたときのことを考えるとよくないのだろうけど、悩ましいところだ。やっぱり「赤い糸」かな。

岩や木などにつかまって流されるのを止めた方がいいらしいけど、実際には、雪崩犠牲者の25 %が外傷で死亡しているらしい。ある意味、手榴弾に抱きつくようなものかもしれない。でも、雪崩に遭ったら藁をもつかみたい思いだろうから、岩や木をつかむくらいしかできないだろう。そんなこともあって、大西さんはヘルメットの着用を強く勧めていた。実は、最近ヘルメットをする人が減って来ているらしい。ヘルメットを買うには買ったけど、結局、山で使ったのは旭岳でだけで、岩と同じくらい恐いばんけいのアイスバーンを滑ったり、キッカーを飛んだりするときにしか使ってなかった。2007年2月14日に起こった八甲田の雪崩事故の生還者は、ヘルメットが大きく凹んでいた。ヘルメットがなければ、おそらく生きてなかっただろう。写真を見ると、せっかく持っているのだからヘルメットをかぶろうと思った。

初めて知った雪崩に巻き込まれたときに取る姿勢。会場の参加者みんな、大西さんの支持で雪崩姿勢を取る。片手でエアポケットを確保して、もう片方の手が雪の表面に目印となるように突き出す。できればうつぶせで、雪が締まる直前に深呼吸して大きく息を吸い込んで肺が膨らむスペースを確保するのだそうだ。本番にできるかどうかはともかく、知っているだけでも無駄にはならないだろう。ちなみに、ビーコンを持っていないときは叫んで場所を知らせなければいけない。自分の呼気で意識を失うまでの4分以内で。ちなみに、アバラングをしていると叫べないので、アバラングを使うときはビーコン必携だろう。でも、アバラングは使うのが難しいから過信してはいけないそうだ。そして、埋没後15分以内なら92%の生存率だけど、それを過ぎると一気に下がる。ただし、15分以降は低体温症による仮死状態になって、生存率は20%程度の低いまま2時間くらい続くので、救出をあきらめてはいけないらしい。ネバーギブアップ。

雪崩事故にあったら警察へ連絡し、救助は地元の消防署へするのがいいそうだ(大西さんのコメント)。入山前に電話番号を控えて行った方が良さそうだ。自衛隊が一番心強いらしいけど、自治体首長からの要請がないと出動してくれないので、残念ながら直接連絡できない。また、道警ヘリも十勝岳や旭岳には2時間かからないと到着しないので、救助による生還は絶望的。というわけで、セルフレスキューの出番のようだ。

セルフレスキューの装備で三種の神器が紹介されたけど、大西さんはスノーソの重要性を強調していた。弱層テスト、特に、コンプレッションテストで使えるかららしい。う〜ん、やっぱりスノーソーは買うべきかな。

ビーコンの説明で、ピープスフリーライドは距離の表示がデジタル処理なだけで、中身はアナログ1本アンテナらしい。方向は距離の増減を見て判断しないといけないということだろうか。自分が使ってるオルトボックスx1がデジタル3本アンテナに分類されていたけど、調べてみるとアナログとデジタル併用の2本アンテナらしい。大西さんたちが調べたビーコンの性能比較表でもビーコンが鉛直方向に埋没しているときは、5 mまで近づかないと反応しないらしく、捜索には致命的だった。一方、一番優秀なのがやっぱりピープスDSP。x1の8倍広い。意外とオルトボックスs1は悪いので、ダブルマキシマムへの対応を考えても、仲間を助けたければピープスDSPを買うのが無難なようだ。大学生協で共同購入とかってないのかな?

ビーコンの自動復帰機能が、捜索では一番混乱するらしい。自分のビーコンの自動復帰までの時間を確認しておくように言われたけど、調べてみるとx1には自動復帰機能はないようだ。二次雪崩に遭う直前に手動復帰するしかない。

V字ベルトコンベアシャベリングの説明もあった。これも一度訓練しないとすぐにはできなさそうだ。今度5人集まったときにやってみよう。4人でこれでも1m掘るのに15分かかるらしい。単独は雪崩リスクマネジメント的にはNG。セルフレスキューを考えると4人から8人がベストらしい。9人を超えると逆に統率が取れなくて混乱するそうだ。でも、実は、カミフ山岳エリアへの入山パーティーで一番多いのが単独で、2008年に比べて2009年は単独が増えているらしい。さらに、大人数でリスクが高い9人以上のパーティーも増えているという。一方で、ビーコン携帯率は約80%で、持ってないと「恥ずかしい」状況だ。

カミフ山岳エリアの雪崩について、滑降系では3月に多く、富良野岳周辺や三段山周辺が中心らしい。ベベルイ沢へのオープンバーンを滑る映像は、本当に気持ちよさそうだった。雪崩が多いだけある。三段山も、大西さんたちの開拓したルートで雪崩が起きているそうだ。三段山クラブのログの有る無しに関わらず、地形図を見たらどうしてもそういう場所へ行ってしまうので、「山スキー」から「バックカントリー」へ時代が変化した時点で雪崩事故は増える宿命にあるのかもしれない。かつては登攀ルートだった安政火口周辺も、滑降系のルートになってしまっているという報告もあった。三段山ピークから見下ろして崖にしか見えなかったけれど、あそこを滑っているのだからもう止めることはできない。各自が雪崩リスクマネジメントするしかないんだろう。そういう意味で、滑降系と登攀系のルートが重なっていることは、大西さんが指摘するように危険だと思った。視界がいいときならまだしも、ラインが左右に巻いていたら、雪崩の走路の先に登山者がいないとも限らない。お互いの行動パターンを把握していなければならないのだろう。

最後の方は急ぎ足で最近の雪崩増加の要因についての分析があった。大西さんが携帯を薦めるGPSの普及が、昔はデポ旗を使っていた山スキーヤーの行動の自由度を拡大した。さらに、悪天候下での行動まで容易にした。天候の急激な悪化に対する安全性は上がっても、逆に、雪崩リスクが高い悪天候での入山や強行を引き起こしているというのは皮肉な結果だ。ファットスキーの進歩で、スキーが下手でも深雪が滑りやすくなったことが、新雪・ノートラック指向を強めたと話していた。まさに、これをエサに下手なスキーヤー?をバックカントリーへ引き込んだことを強く反省している。最後のWebの普及というのは、大西さんの自戒の念が込められていたようだ。三段山クラブのツアーログから、ルート情報が急激に拡散したそうだ。危機感を覚えて、数年前からトラックログを非公開にしているのは、どこかで読んで知っていた。というのも、トラックログを探しに行っていたから知っていたようなもので、粉中毒丸出し。三段山クラブを密売人よろしく当てにしているようだ。でも、禁断症状が出るので……。

そんな粉中毒患者へのプレゼントが最後に残っていた。噂されていた?「三段山2009」の上映だった。講習の終了時間は知らなかったけれど、会場は長い講習にちょっと疲れた様子。でも、ファンにとっては待っていた映像。カミフを知り尽くしているからこそ得られる楽しさなのだろう。あんな雪、ロケーションで滑りたい。テレマークいいなー。かなりテンションが上昇。質疑応答の時間もほとんど上の空だった。講習も、三段山の映像で始まり、三段山の映像で終わった。

時計を見ると、もう21時前。休憩をはさんで3時間近くも続いていたとは。講義がこんなに続いていたら絶対寝るのに、映像や写真など視覚に訴えるものが多くて全然退屈しなかった。実際、講習の内容とか感想とか全部書いてたらこんなに長くなってしまった。まあ、とりあえず、5ヶ年計画。5年以内にテレマークを始めてツアー参加するしかない。その前にやることあるけど……。それまで元気に生きていられますように。

【2009/11/19 訂正】
発表者の大西さん本人から本文記述の誤りを指摘していただいたので訂正。

| |

« 恒例!?上ホロ雪崩 | トップページ | 天国にいる息子へ »

コメント

ビーコンはデジタル主流になってきましたが、
ビーコンそのもののアナログ的な仕組みとさらに
それぞれの機種の特徴、操作方法を理解して使わないと
結局アナログ熟練者の方がビーコン訓練では勝るという結果になってしまいます。

というのを先日山ボード研究会主催のビーコン訓練@代々木公園に参加してみて実感しました。
(ここ数年ちゃんと練習してなかったので)

ちなみにピープスDSPは複数捜索時のマーキング(発見した埋没者の電波を除外する)が曲者で除外した電波を他のビーコンを捜索してる最中にまた電波を拾ってしまって混乱しているひとがいました。(これが自動復帰機能?)
デジタル系は余り早く動くと処理が追いつかず機械が混乱して再起動してしまったりすることがあるそうです。

壊れるまでは自分はF1フォーカスなので関係ないんですけどね。

投稿: やっち | 2009年11月19日 (木) 00時52分

H本さん、講習会に参加してくれてありがとうございました。こんなに詳しいレポートを上げてくれて感謝です。
すみません、いくつか訂正をお願いします。
>2001年4月24日に、三段山クラブのメンバーが単独で上ホロへ行って遭難したそうだ。滑落して凍死。
2001年4月24日は捜索して発見できた日で、遭難したのは22日でした。遭難した方は、三段山クラブのメンバーではなくて私が元所属していた山岳会の山仲間です。

>2006年から2倍近くに急増していて、
2005シーズンが約900で、2009シーズンが約3000ですから、3倍になります。凄いですね。

>弱層テストの結果はレッド(危険)だったけど、滑りたそうな他のメンバーを抑えることができなくて、スキーカットをすると雪崩れたそうだ。
ちょっとニュアンスが違います。他のメンバーは何も言っていませんでしたが、私が勝手に気を回して「他の皆は滑りたいだろうな・・でも危険だな・・スキーカットをすれば危険性が分かりやすく伝わるな」と考えて安易にスキーカットしたあげくに流されたという・・まったく自業自得でお粗末な話なんです。あー恥ずかしい。でも、現場の心理としては皆さん悩んでいるところじゃないかなー

訂正じゃないけど、「日本雪氷学会の注意」については、マスコミにファクスで流したけどどこも報道してくれなかったといういきさつがありました。確かにHPの警告だけでは情報収集能力を責められないと思います。

>雪崩事故にあったら警察へ連絡し、救助は地元の消防署へするのがいいそうだ。入山前に電話番号を控えて行った方が良さそうだ。自衛隊が一番心強いらしいけど、
これは、ケースバイケースなんです。単に救出にヘリを呼ぶなら警察が早い。けが人が居てドクターヘリが必要なら消防、で、消防は携帯から連絡するとまったく別の地方の消防に繋がる可能性があるので、連絡するなら地元の消防の方が地理に詳しい。どこに電話しても最終的には連携してくれるけど、時間がかかると・・ここらへんは話すと長くなるのではしょってしまった部分があります。
自衛隊については、一番心強いのはどこかという話ではなく、多くの飛行機材があって人員も大量に投入出来るけど、自治体が要請しないとうごきませんよと・・という話でした。

当日、そんなに時間を超過していたんですね・・お詫びします。最後まで聴講してくれて、本当にありがとうございました。

投稿: 大西 | 2009年11月19日 (木) 01時18分

>やっちくん

やっちくんの指摘と同じことを、講習で大西さんも話してたよ。Flux Lineとビーコンの向きなどの基礎知識も交えて。
アナログに熟練するのは大変だけど、デジタルならある程度のレベルまでは簡単に到達できるというのがやっぱりメリットなんだと思う。実際、前に初心者同士でX1とPIEPS DPSで競争したら、PIEPSの圧勝だった。X1にちょっとは慣れていたつもりだったのでショック。「使いこなす」ことが第一だね。

複数捜索は複数人で同時に行っていたの?捜索メンバーの誰かが受信から送信へ自動復帰して、その捜索者の電波を受信してたんだろうか。
実は、マーキングを使う場面って実際にあるんだろうかと思ってる。最初に見つけた人をまず掘り出すだろうし、早く掘り出すには5人(V字)はいた方がいい。狭いエリアに何人も埋没するような山行自体が危険だと思うので、マーキング機能の有無は重要じゃないように思うんだけど、どうなんだろうね?
最近の高性能デジタルビーコンは、複雑ゆえの問題があるようだね。先日もガイドの塚原さんが、シンプルな方がいいと言っていたよ。

いや、オレもX1が壊れるまでは買い換えるつもりないよ。エコポイントでも付くならちょっとは考えるけど。でも、周りに何を薦めるかは考えるよね?S倉くんも上ホロで埋まって、F1からPIEPS DSPに買い換えたって聞いたし。

投稿: H本 | 2009年11月19日 (木) 09時12分

>大西さん

ぼくが無責任に書きなぐって公開するばかりに、ご迷惑をおかけします。ご指摘に従って訂正しました。すみません。

偉そうにぼくが言うことではありませんが、自分や他人の失敗から学ぶものですよね。自分の失敗をさらすことはとても恥ずかしいことだと思いますが、当事者からのコメントは身をもって危険や問題点を感じたからこその説得力があります。非常に分かりやすく危険性が伝わりました。とはいえ、こういうケースをみると、グループ内で行動の指針をある程度決めておくことの重要性を意識しました。

救助要請については講習の中では消化不良だったので、コメントくださってとても助かりました。セルフレスキューが重要だということですね。また、雪崩でなくても怪我の可能性がありますので、連絡が必要なときはぜひ参考にしたいと思います。

3時間は大げさでした。2時間半くらいでしょうか。ぼくは終了時間を知らなかったので、時間を気にせず最後まで楽しめました。三段山2009まで、本当にありがとうございました。

投稿: H本 | 2009年11月19日 (木) 09時56分

>H本さん
自分が言っていたのは自動復帰ではなさそうです。いうなればマーキング自動解除?

マーキングをするような状況は全然かんがえられると思いますよ。
複数埋没して一番近くの埋没者は胴体だけ埋まっていてその他が完全埋没のときとか、二次遭難の危険が高くて救助者、全員が受信モードにはし難いときとか・・いろいろな状況があり得ると思います。

ま、F1はじめアナログビーコンはマーキングの機能を頭の中でやらなければいけないわけですが・・。
やっぱり練習しとかないと難しいです。

投稿: やっち | 2009年11月19日 (木) 15時33分

>やっちくん

「マーキング自動解除」があったら恐いね!真面目な話、高性能ビーコンはバグッたりして再起動が必要になると聞いたことがあるから、複雑すぎてブラックボックスになるのもやっぱり考えものだ。

マーキングをするような状況について、初心者同士でちょっと話し合ってみた。
> 複数埋没して一番近くの埋没者は胴体だけ埋まっていてその他が完全埋没のとき
結論としては、胴体だけ埋まっている人をまず掘り出す方がいいんじゃないかとなった。怪我してなければレスキューを一緒にできる。怪我をしていれば消耗してしまうかもしれない。二次雪崩に遭う危険がある。生存率が高い人を優先する。などの理由を考えた。

>二次遭難の危険が高くて救助者、全員が受信モードにはし難いとき
送信モードの救助者は、埋没者の応急処置とかでじっと動かないでいるとかってこと?

状況を考えてみて、やっぱり講習へ行って、ちゃんと勉強した方がいいと思った。

脳内マーキングって自分にはできる気がしないよ。せめて電磁気学を復習せねば。

投稿: H本 | 2009年11月20日 (金) 09時44分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 恒例!?上ホロ雪崩 | トップページ | 天国にいる息子へ »