10/2/27 無名峰

どう考えてもパウダーが滑れないどころかガリガリまちがいなしのコンディションに、すっかりテンションが下がりつつも行って来た。

N田くんのバックカントリーデビューということで、事前に道具をエンサヤさんから借りて準備していたものの、連日の春の陽気にとどめの雨。えすきくんが出かけているうちにパウダーシーズンは終わってしまった。H多さんも不調で行けず、結局、N田くんと2人だけで行くことになった。

札幌を6時半に出発して、途中、行動食を買い、8時には駐車スペースに着いた。車の窓から見える空は雲もなくて晴れているのだけど、何だか霞んでいる。空もすっかり春になっていた。道路脇の雪もすっかり減って、2月のうちに春スキーシーズンへと移ってしまったようだ。

雪の上にブーツで上がると、ほとんど沈まない。レインクラストで表面はカチカチ。今日はシールがなくても登れそうだ。とはいえ、N田くんのバックカントリーデビューなので、シールを使った登り方などを説明して、山ビンディングに慣れてもらう。N田くんはセンスがいいみたいで、キックターンが上手い。けれども、傾斜がきつくなると自分でも登るのがしんどくなって、N田くんも滑って転んでしまった。仕方がないので、シールで登るのはあきらめて、スキーを担いでつぼで登ることにした。

パウダーだったら言うことない斜面なんだが。

シールで直登するのも大変なので、もうつぼ足で。

斜面はデブリだらけで、とても滑れるような状態じゃない。

ともかく、ザックにスキーを取り付けて背負い、稜線までがんばって登った。それにしても、Pontoonを担いだのは初めてだったけれど、重くて辛い。こんな日にこんな板を持って来るのはやっぱり修行だと思った。Gotamaがいくら軽いとはいえ、登り慣れていないN田くんはさすがに辛そうだった。

何とか稜線まで登って雪庇の上を歩く。

つぼで登ったので、予定よりは時間がかかったけれど、ピークまでは2時間弱で到着。山頂でホッと一息。雪は悪いけれど快晴無風。春の陽射しが暖かい。

もう終了……

山頂で行動食をのんびり食べてから、滑降準備。滑ってみると、とにかくガリガリ。気温が低くてカリカリのままで、滑りづらいったらありゃしない。どうせ滑っても面白くないならと思って、前に来た時に気になっていたマッシュで、ナチュラルキッカーエア大会をすることにした。

最初に飛んでみると、マッシュの角度はいいけど、ランディングが当然硬い。しかも、ランディングは短くて、その先は急斜面。失敗すると滑落するという、ちょっとデンジャラスなコンディションだった。それでも、デジイチで撮った写真はそれなりに写っていた。

N田くんに自分のもビデオに撮ってもらったけれど、案の定、ランディングで失敗。着地は上手くいったのに、急停止しようとするとビンディングが開放して板と身体が滑落。幸い、どちらも木に引っかかって、下まで落ちずに済んだけれど、外れたスキーが見つかるまではパニック状態だった。死にそうな思いをしたのに、性懲りもなくもう一度飛んだら、またもやビンディング開放で、再びプチ滑落。しかも、今度は開放した板の上を滑って行ったので、太ももを痛めた。天気がよくてはしゃぎすぎた。

ここから滑り降りるのも、パウダーなら全然問題ない地形が、今日はとても手強い。最後のオープンも雨による縦溝で気持ち悪い。ひいひい言いながら何とか滑り降りると、さすがに登り返す気は起きなかった。陽射しで南斜面は少し柔らかくなっていたけれど、もう滑りたいとは思わなかった。少し早いけど、まっすぐ下山した。4時間弱であっさり帰って来るなんて初めてだ。

帰りに白樺の湯に寄って温泉に入ると、身体のあちこちがヒリヒリする。転んだ時に気付かないうちに擦り傷を作っていたようだ。太もももだんだん痛みが強くなって来た。3月にラストパウダーが滑れると言いなぁ。