10/5/22 芦別岳
1日中自分の身体を虐めまくった。
H多さんが行きたがっていた後方羊蹄山のお鉢に続いて、今日はえすきくんの願いを叶えに芦別岳へ行って来た。といっても、お鉢は願いが叶わなかったけど。
行動時間が長くなりそうだったので、久しぶりに早起きして4時半にえすき邸へ行くと、えすきくんは今起きたらしい。仕方ないので家から朝食に持って来たパンを食べて待っていると、15分くらいしてえすきくん登場。手に持っている長靴を見て、登山靴を忘れたことに気付いた。雪の上を長時間歩くわけじゃないので、普段履いているアプローチシューズで代用することにした。2年前の夏の旭岳でも忘れたけど、とっさに代用が利くのはありがたい。
朝早いので高速道路は使わずに久しぶりにずっと下道で富良野へ向かった。朝から藻岩山が雲の中で天気が心配だったけれど、三笠の辺りでだんだんと空が明るくなって来た。ところが、期待も虚しく、富良野へ着いても低い雲の中に芦別岳は隠れている。気持ちもどんより。
7時すぎに登山口へ着くと、驚いたことに先客がいた。テレマーカーが一人準備をしている。ザックにスキーとブーツを取り付けて背負うと、あまりの重さに呻いてしまった。予想はしていたけれど、果たして何時間これを担いでいかなきゃいけないだろうか。気が滅入りつつも、7時半には桜が咲く登山口をスタートした。
さらに進むと、いよいよ傾斜がきつくなって来た。さすがに足取りが重くなる。
登山口を出発してから1時間ちょっとして見晴台へ着くと、先行していたテレマーカーが休憩していた。相棒が来れなくなって単独らしい。自分だったらえすきくんが来なかったら登らなかったけど。見晴台からは十勝連峰が遠く見えた。向こうは雲を被っている。芦別岳は当たりだったようだ。
ちょうど見晴台から雪が続いていたので、板にシールを取り付けて登ることにした。ザックが一気に軽くなって、気持ちも軽くなった。
春の野花が咲く登山道をてくてく登っていると、全然雪の気配がない。足元は乾いていて靴の心配はなさそうだ。荷物は重いけど靴が軽いからか、思ったよりも辛くはなかった。暑いので上半身下着1枚になって登り、30分以上歩いてようやく雪が現れる。けれども、シールが効きづらくてなかなかいいペースで登れない。無駄に体力も消耗するので、思ったほど楽にはならなかった。
枝や薮に遮られたり、辛いトラバースを続けながらも、なんとか1377mの半面山まで辿り着いた。すでに4時間近く経過している。正面には雲峰山が居座っているけれど、これを芦別岳本峰と勘違いしていたえすきくんはちょっとショックを受けているようだった。
3年前には雲峰の上部はハイマツが出ていて、せっかく登ってもブーツで歩いてコルまで下りたので、今日はコルまでトラバースした。狙いは悪くなかったように思うけれど、シールが効きづらい状況では結構大変だった。コルへ辿り着く前に疲れたので一旦休憩。テレマーカーが登頂したようだった。
しばらく休んでからまた歩き始めると、テレマーカーが滑り降りて来たのでちゃっかり盗撮。自分にはまともに滑る気力も体力も残ってなさそうだ。
3年前とちがって風が強くなかったので、山頂直下の急斜面を登っているときもそれほど恐くなかった。崖の方も見ないようにしていたので。見上げると山頂の標識が見えるのに、近いようで遠い。
テレマーカーの滑り始めのところでスキーを脱いで、山頂を目指して登った。ところが、このルートが悪くて、ずいぶん迂回して岩場をブーツで怖々歩いてようやく登頂を果たした。
山頂からは去年の夏に登ってガスガスだった夕張岳が見えた。
しばらくすると、旧道から山屋さんたちが登って来た。本谷を登るつもりだったけど、道を間違えて旧道へ行ったらしい。えすきくんが記念撮影したおかげで、富良野銘菓という「へそのおまんぢう」をもらった。
コルの手前で休憩したときに立てた予定通り、14時に下山開始。滑るラインを確認している間に山屋さんが下りて来て、こちらの様子をうかがっていた。「シュプールとかビデオで撮りますか?」って聞かれて、滑り終えるのを待ってくれると勘違いしてさっさと滑り始めたら、中間で止まってカメラを構えているうちに山屋さんたちはバラバラと下りて来た。こんなことなら先に下りてもらって、晴れ待ちでもしていればよかった。
この日の雪は表面から5 cmほどが腐っていて、エッジが全然利かない。ズルズルでスピードが出ると止まれないんじゃないかと恐かった。ビビって思いっきりX脚になっていた。岩稜をバックに滑るところを撮ってもらうつもりだったけど、えすきくんには意図が伝わらず失敗。やっぱり無線が欲しいと思った。
登りよりも少し下をトラバースして、雲峰山の肩を抜けて半面山を目指して一気に滑る。それでも半面山までは少し登らなきゃいけなかった。帰りは無難に登りルートを辿って帰る予定だったけれど、半面山北東の沢がいい斜面だったので、最後に少し滑って楽しんだ。
By えすきくん。
ここからトラバースして夏道へ復帰しようとしたけれど、地形を読み間違ったりして、危うく沢に迷い込むところだった。デポした靴を回収しようと、GPSのウェイポイントを目印に滑り降りていたけれど、なかなか見つからない。ウェイポイントのずいぶん近くまで行ったときに、「靴確保」というえすきくんの声が後から聞こえて来た。どうやら完全に見失って、夏道からも外れていた。大人しく登りトレースを辿っていればよかった。GPSも上手く使わないと意味がないばかりか、痛い思いをしそうだ。
見晴台へ復帰しようとしたとき、笹で足を滑らせて転んだ。精神的にも参って来たようだ。ここからの夏道歩きが辛かった。ほとんど真っすぐな尾根上の登山道をひたすら下り続ける。途中、通り雨にも軽く打たれた。1時間夏道を歩いてヘロヘロになり、登山口へ戻ったのは16時半。入山してから9時間も経っていた。久しぶりの本格的な下山だったので膝が痛かった。
虫がブンブン飛び回っている登山口からさっさと車を退避させて、ハイランドふらのへ温泉に入りに行った。ところが、野球の大会があったようで、脱衣所は野球少年で溢れ返っていた。落ち着いて温泉にも入っていられなそうなので、自販機で炭酸飲料を買おうと思ってまちがってレモネードを買ってしまってショックだった。
![]() |
裏原 その他雑貨 通販 ウルトラマン 大怪獣レモネード バルタン星人 |
温泉の次はもちろん腹ごしらえ。富良野はイマイチなので、えすきくんに探してもらいながら札幌へ向かうと、岩見沢で適当な定食屋を発見した。大学がある場所なら、学生向けの店があるだろうという読みだった。で、国道を左折して住宅街を通る暗く細い道を進んで行くと、それらしい看板が見えてきた。駐車場は満車で大盛況。中にはやっぱり学生風の客が多かった。注文の品を運ぶ店員が目の前を通り過ぎるとき、ちらっと見えたお盆の上にはガッツリな唐揚げ定食が乗っていた。
隣に座っているカヌーな女性も唐揚げ定食を注文していたので、釣られて自分も注文。ところが、実際に運ばれて来た定食にはため息が出た。本当に食えるのか?油たっぷり感はいつぞやの赤字丼を思い出す。でも、どちらかというと、1107峰の帰りにエンサヤさんに連れて行ってもらったなるとに近い。とにかく、参ったのは、こんなにしょっぱい唐揚げは初めてだった。ごはんが全然足りなく感じる。拳大の唐揚げは、3個で十分。5個目を胃の中へ押し込むのは苦痛だった。芝源での苦しみを思い出しつつも、自分はH本ではなくH多なんだと暗示をかけながら何とか食べ終わった。
岩見沢から札幌までは、血液がほとんど胃に集まって、えすきくんとも会話が空回り。喉もカラカラ。家に帰ってからも水を何度もくり返し飲んだ。さて、そんな岩見沢の激盛り定食の店は「未来亭」。心身ともに、身体の内外から目一杯虐めてしまった。かなり後悔。
| 固定リンク | 0
コメント
やっぱり北海道の山はかっこいいね!!
まだまだ雪が残っていることにびっくり!!
ビデオテクアップしてるね♪
私もビデオカメラ買おうかと☆
扱いやすくて編集しやすくて
お手頃の知ってたら教えて~~~!
投稿: エンサヤ | 2010年5月24日 (月) 07時36分
>エンサヤさん
芦別岳は北海道の山には珍しく急峻だから
迫力があって恐いくらい。
エンサヤさんもいつかリベンジしてね。
今年は雪が多くてあとひと月は滑れそうだよ。
あとは根性次第。
ビデオテクアップしてる?
そう言ってもらえると嬉しいけど。
最近はコンデジでもHD動画撮れるから
ビデオカメラ必要ないんじゃない?
気合い入れて撮るんじゃなきゃ
ビデオカメラって結構邪魔だよ。
投稿: H本 | 2010年5月24日 (月) 20時35分