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10/5/29 安足間岳

安足間岳のでっかい斜面を旭岳をバックに気持ちよく滑って来た。

Asalogを見て、おでん一平の大将にも勧められて、愛山渓温泉からアプローチしたいと思っていた。というのも、芦別岳では夏道を1時間歩いてへばったので、少しでも登りで楽をしたかったからだ。ただ、安足間岳の大塚の辺りは、去年滑ったので、3年前に行きそびれた愛別岳へ行くつもりでいた。雪さえ残っていれば、何とか滑れるんじゃないかと思って。

札幌を4:30に出発してすぐに高速に乗り、途中、野幌でコンビニに寄っただけで、まっすぐ愛山渓温泉を目指した。車からは山が雲に隠れていて見えない。比布JCTからしばらくは雲の中に入ってしまい、真っ白な世界を進む。雲が切れて、目の前にはまだまだ白い山並みが現れる。愛別岳にはちゃんと雪が残っていそうだ。

愛山渓温泉への道をどんどん進んで行くと、沢沿いに雪も見つかってホッとする。駐車場にはすでに登る準備をしている人たちがいた。後を走っていた車からは、山スキーヤー3人が降りて来た。思っていた以上に賑やかだ。

愛山渓温泉前で準備

目指す山並み

愛別岳へ行くには薮を漕いで行かなければいけないように見えたので、愛別岳はあきらめて、山屋さんたちと同じく夏道を行くことにした。えすきくんはシールで登っていたけど、自分は長靴で登った。雪がしっかり付いているので、わざわざ夏道を歩かずに沼の平まで直線的に登る。

登山口ですでに1,000 mなので、すぐに樹林限界だった。視界が開けたので後ろを振り返ると、青空の下に白い山並みが続いている。2年前の夏に来たときと同じく天気に恵まれた。

振り返れば白い山並みが

表大雪の山々を眺めながら
縦溝が走る雪の斜面を、愛別岳、永山岳、当麻岳などの表大雪の山々を眺めながら登る。

左から愛別岳、永山岳

今回はあきらめた愛別岳
こちらから見た愛別岳は岩でごつごつしていて、とても滑れるようには見えない。

イズミノ沢
イズミノ沢までは雪が付いているけれど、どこを登ったらいいものか。

当麻岳のシュート
当麻岳のシュートを狙いに行くべきか。

天塩山地
向かいのお山もまだ真っ白。

二人で悩んだ末、一度イズミノ沢へ降りて夏道を通って永山岳へ向かうことにした。ハイマツの間を抜ける夏道が見えたような気がしたから。で、クラックをかわして沢底へゆっくりとシールのままトラバース。半分くらい降りたところで振り返ると、えすきくんが滑落している最中だった。一瞬ヒヤリとしたけれど、ちゃんと体勢を立て直して起き上がった。危ない、危ない。

沢の底からはつぼ足で急登した。沢から出て傾斜が緩くなってからは、再びシールで登る。Asalogにヒグマの親子の足跡が載っていたので、獣の足跡に神経質になって進んで行った。ハイマツの林がガサガサ音を立てる度にドキッとする。

獣道

ハイマツの林に夏道の入口を探しながら登ったけれど、結局見つからない。仕方ないので、尾根の左端をすり抜けていくことにした。大きなクラックも入っていて、側にいると生きた心地がしない。早く通り抜けてしまいたいけれど、雪の壁が高くて、灌木も邪魔して手間取った。ザックを手渡しで持ち上げて、何とか安全な場所まで辿り着いた。

核心部を抜けてホッと一息

あとはもう、緩い斜面をひたすら山頂を目指して登るだけだ。青空の下、広くて真っ白な斜面を進んでいく。永山岳のピークは雪が融けてしまっていたので、真っすぐ安足間岳を目指した。ピークの西側にはギリギリ雪が付いていたので、ずっとシールで登れた。去年はピークまで登っていないので、2年前の夏以来だ。結局、今回も愛別岳には登れず、ここから眺めるだけ。アイゼンなしで歩いて行く気にはなれなかったので。

安足間岳山頂から愛別岳を望む

比布岳と北大雪

比布岳はすぐそばだし、えすきくんが行きたそうだったので、せっかくだから長靴に履き替えて歩いて行ってみた。稜線上は風が強くてちょっと寒かったけれど、安足間岳を振り返ったときに見えた斜面にびっくり。これを滑らないで帰るわけにはいかない。

安足間岳のナイスな斜面越しの旭岳

ドロップ…

初め滑ろうと思っていた愛別岳の斜面は尾根の向こうで見えないけれど、東斜面は大分雪が融けてしまっていた。

愛別岳の東斜面は賞味期限切れ

ほどなく比布岳の山頂へ着くと、まだまだ雪に覆われている御鉢平があった。

北鎮岳のさらに奥には白雲岳

安足間岳までサクッと戻ってから、いよいよ滑ることになる。登り返しはダルいけれど、芦別岳のときほど疲れていないので、ザックをデポって一気に滑り降りた。春の大雪ならではの大斜面。大きくターンしたつもりなのに、シュプールを見ると普通に見える。斜面がデカすぎ。

山頂まで何とか登り返すと、さすがにもう一度滑り降りる気にはならず、えすきくんが登って来るのを行動食を食べながら待った。安足間岳のピークへ移動してから滑るラインを探すと、案の定、南側はもう雪がなくなっていて、登って来たルートを引き返すしかないことが分かった。休憩してから、安足間岳のロングクルーズを楽しむ。こんなに長い距離を一気に滑ったのは、テラスの沢以来かもしれない。この1本ですっかり満足した。

安足間岳山頂からロングラン

シュートを滑り降りれるかと思っていたけれど、上からのぞいても、下の様子が分からないほど急斜面。えすきくんと一緒にひよって、登って来たルートを歩いて下った。それでも、その下の縦溝な斜面も滑り降りて、もうたっぷり滑りまくりだった。


ちょっと長いけど、大雪山の大きさを感じて欲しい。


By えすき。

イズミノ沢に降りて、そのまま沢筋を下って、登りルートへトラバースしようと思った。ところが、えすきくんが水が流れる音に気付いた。「滝あったっけ?」と聞かれて、2年前の夏には、確かにいくつか滝を見ながら下山したのを思い出した。というわけで、大人しく登ったルートを帰る。

沢を登り返して振り返る

斜度がヤバい。60°はありそうだ。

ヤバすぎた

愛別岳は今シーズンも滑り損ねたので、来シーズンになんとか行ってみたい。

来シーズン滑りたい愛別岳

揺れる想い

樹林内を下っていると、今朝先行していった山屋さんたちとすれ違った。登山口まで滑って帰れたので楽ちん。さっさと道具を車に片付けて、愛山渓温泉へ風呂に入りに行った。受付で500万円を支払い、熱いお湯に浸かった。

温泉のあと、旭川へ寄って食べて帰ろうと思ったけれど、オリーブはさすがにもう飽きた。えすきくんは意外にも優鳳へ行ってもいいと言うので、2年ぶりに餃子を食べに行った。これまた意外にも店は混んでいて、駐車場は1台分しか空いていなかった。チャーハンはひどかったけれど、餃子だけは上手かった覚えがあるので、餃子定食を注文した。実際食べてみると、思ったより普通の餃子で少しがっかり。今度はカラヤンを食べてみたい。今度があればだけど。

ともかく、腹はいっぱいになったので、札幌へ帰ることにする。鷹栖から高速へ入ろうとしたら、直前をパトカーが走っていった。これじゃあ高速道路にならない。がっかりしながら、みんなで仲よく走って帰った。札幌へ着くともう21時。高速料金とガス代を合わせると1人3,000円超えていて驚いた。やっぱり大雪は遠い。

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